自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

風邪の予防には・・:頑張らなくてもよいから・・

2015年11月19日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

 

頑張るときのタイミングと力の入れ方  20151119

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途中で七五三の日を挟んだので風邪の効用シリーズが中断してしまったが、

また、風邪の予防シリーズにもどりたい。

クライアントさんからメールがきた。

遠隔療法をご一緒に一時間ほどしてから、ご自身で体を解くことが可能だという体感を持たれ、

“また、夜の一時、手当をして頑張って見ます” という内容だった。

がんばらなくてもよいから、リラックスしてください”と返答した。

気を張るところ、そのタイミング、頭ではるか、腹ではるかで、同じ“がんばる”行為の結果が違う。

以前からご紹介している整体創始者、野口春哉先生はそのところをわかりやすく説明している。

“一歩手前で気を張れば、万病を予防できるのに、病気になってから気張るから、あべこべの結果を示す。 

そこが心理的な衛生を解くことの難しい所以です。‘おお寒い’とその時に、ふっとお腹に力をいれてしまえば、

風邪をひかないのに、風邪をひいてしまってから‘たかが風邪だ’と頑張っていると、悪くなってしまう。”

病気をしても気張らないというのは 案外難しいものだ。

医者に‘検査の結果、これこれでこういう病名で、こうした症状です。“と証言されれば、大概の人は、

仕方ない。病気に負けないよう頑張ろう。‘と どこかで ’自分は病気である‘ということを素直に認めるとともに、

その病気を’克服しよう‘と、思うものだ。

野口氏の言う、風邪を引く前に‘気張る’ことが大切で、風邪をひかないと予防につながるということは

どういうことだろう?

著書の中からそれを引用させていただく。*1

“‘まあ、寒い!’などと、はっと思うと、風邪を引くのですが、そのとき、お腹に力を入れると、

それだけでもう風邪をひかない。

手も怪我したときに、はっと思うと、血がドンドン出るが、はっと思わなければ血は出ない。 

火傷したときでも、はっと思うと火ぶくれになるが、お腹に力をいれていれば、火ぶくれにならない。

火にあたる部分が広い殻、火ぶくれになるのだと言う人があるが、そうとは限らない。 

気絶している人は半分焼いても火ぶくれにならない。 まして死んだ人の体ではならない。 

普段用心深い人ほど、火ぶくれになる。だから、火ぶくれは心理現象で、はっと思う

防衛的な心の現象であるとみてよいものです。“

ここで注目したいのは、心身一如を主眼にして、心療内科を創設された九州大学池見教授の

考え方と同様、体の反応(症状)は心の影響下が大きいということと同じことを野口氏が述べていることだ。

五臓六腑の内科の話だけでははない。 

火ぶくれや風邪といった、日常茶飯事の切り傷や火傷の後の体の反応でさえ、普段のその人の

心構えや心情が現れていると言う。

普段用心深い人ほど火ぶくれになる’、これは ‘防衛的心情の強い人’ほど、体(皮膚)が過敏に対応するということだ。

これに近い興味ある話を先日、認知症の方たちのみ対象にしている介護ホームのホーム長から伺った。

そこに入っている認知の人の大半は5分前に起こったことさえ忘れているほどだから、もし、

骨折しても自分が骨折したという’記憶‘がない。

だから、大腿骨を骨折しても、骨のつき方が早く、少々痛みがあっても、歩きだそうとする意欲がある限り、

ひと月もしないうち、寝たきりにならず、廊下を歩き回っているということだった。

自分で防御しよう、抵抗する心が無い人は、自然治癒力的回復のままに反抗するものがないから、

このようなことが起こるのだと思う。

 

母は先日、右肩を脱臼した。

整形病院で少々力づくで外れた腕を基の位置に入れた。

痛い痛いと顏をしかめ、しばらくは三角筋で安定させていたが、数時間後からは

ご飯を一人で食べることは全く問題なくなった。

母は、職員さんなど、周りに気をつかい、一人で食べようとしつつも、”何故痛いのかわからない”

という塩梅なので、返って、脱臼した腕を使いすぎないよう固定することにした。

このように、心に思い入れがあれば、いろいろな症状が残るものだが思うということは現実に映し出す

投影機だ。 

野口氏は、はっと思わなければ出血しない’ということを 自ら講演客の腕をつかって、証明した。

一番前に座った人を檀上にあげて実際 畳を縫う針をさして”血が出ない”ことを実験していたというから驚かされる。

唐突に刺されれば、ハット思う間もないから、血は出ない。

あるいは、熱い火鉢の鉄の箸を一瞬 肌につけても、焼ける匂いはしても赤く火ぶくれにならない。

だが、しばらくすると、野口氏の講演会には、前の席が空席が目立つようになり、実験を無言で拒否する人が

増えたようだ。

野口氏も さすが、自分の腕まで差し出すことはなかったようだ。

その辺りを自ら次のように書いている:

“私は昔講演会で、はっと、思わなければ、出血しないということを説明するのに、

いくら口で言っても相手に分らないので、畳針を用意しておいて、前の人に、

‘ちょっと手を出して御覧なさい’、‘エイ!’と気合をかけてさっと畳針をさしてしまう。

そうして、‘痛くない、痛くない’と言わせ、痛くないと言いながら針を抜くと、血がでない。 

また、焼き火箸をいきなりそばの人に出して、‘ちょっと、手をだしてごらんなさい’と、

お腹に力をいれて握らせると、皮膚は焼けても、火ぶくれにならないということも実際に実験しました。”

気合いをかけて注意をよそに引く。

注意がよそに行くので、刺されても痛くないと野口氏は考えた。

こうして、心が弛んではっとしないよう、こうした抑え処に、腹に力を入れてぐっと気張ることが

風邪をひかない一つの対応だと野口氏は自身の体験から語っている。

気張るタイミングについては、

“本当は癌なども風邪をひくと良くなるし、血管硬化でも風邪を引くと柔らかになるのだから、

風邪の上手なひき方を考える方が本当である。

風邪を治すといって、‘なにくそ’などと、気張るのは、風邪のひきかたとしては最低で、

そうやって、風邪を育てている場合が少なくない。

治そうとしても、治らないという以上に癌とか結核とかいうものの中には、

そういう気張りでどんどん悪くなってしまう性質がある。

癌と気がついたときから急に悪くなったというようなのは、大抵はそういう人なのです。“

“闘おうと思ったり、いよいよ気張ったりした人なのです。

だから、病気で気張っている人は自分で病気を育てているとみてよい。

なる前にはならないように、心を充実することがいるけれども、なってから、気張るということは良くない。

それは自分自身の心の抵抗で体を壊していくからです。 

だから、潜在意識の反抗ということを全然無視して、体だけ、あるいは病気だけ治そうということは難しいのです。“

この野口氏の言葉、実は病気だけにあてはまるものではないと私は考える。

あらゆる問題、人間関係、金銭関係などに置き換えてもあてはまりそうだ。

私たちの体と心の調和、心の中にある三つの意識の調和、そうした調和なしには、

あらゆる問題も解決しないと考えている覚者は少なくない。

言葉と想いと行動を一致させること。 これもなかなか難しい。

でも、こうしたことが私たちの創造的生命力の力を発揮させる原動力になるということ・・・

 

次回にその続きを・・・

 

(*1) 引用部分“風邪の効用” 野口春哉、株式会社全生 改訂6版 昭和53年)

 

 

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