自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

理性と感情の、バランスをとるために・・・PACのまとめ

2024年09月09日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

ストレスフリーに近づくために:心の活用 2024/09/10
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今日は、これまで数回に分けて、見てきた心療内科の、
池見博士の、心身相関性に関しての、最終回となります。
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病の主要原因は、大きな意味で、ストレスだろう。

ストレスは、心身に何らかの形で、過剰な負荷が
かかっている状態・・・

そして、心身一如(しんしんいちにょ)、つまり、身体は
心に、心は、身体に、直接影響を与え合い、同体的である
ことから、精神的な面から、ストレスを避けられれば、
身体への影響は、おさえられるはずだ。

それでは、どんな状況が、心にストレスを与えているの
だろうか?

それは、外部要因や、人間関係などで、平静でなくなり、
気持ちが昂り、感情的になっているときだろう。

感情的になれば、理性や抑制なしに、言葉や行動から
興奮気味な過剰なエネルギーが放出されている。

それを受け取った相手が、そのために、攻撃的になれば、
双方ともに、精神的な負の影響がでてくるだろう。

それを避けるためには、 感情的になりそうなときに、
言葉を発する前に、数秒の間合いをとることが効果的だ
といわれる。

間合いをとることで、少し、熱量が覚まされるはずだ。

そして、これから言おうとする言葉が、相手にどう、受け
止められるか? 誤解を生じさせないだろうか?
~といったような分別が よぎる余裕ができる。

このようにして、感情と理性のバランスを取ることは、
池見博士の提唱する(これまで見てきた)PACという
三つの心の要素を、無意識に、コントロールしている
ことになるだろう。

PACとは?
もう一度、簡単にまとめてみると、以下のようになる。

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イ)P(parent) = 親の心~理想や良心を司る心、
周囲への思いやり、

ロ)A(adult)大人の心~主体的自我で、創造的な営み。 
現実的適応と、個性に即した自己表現を行う。

ハ)C(child)=子供のように、純粋で、悪い意味では
まだ体験を踏んでいない幼稚な心情も含む


上記のうち、上の二つは、脳の成長とともに人格を
形成していく。

池見博士は言う:

P(親の心)の道徳性についても、人間としての業(ごう)
への気づきが深まるにつれて、他人に対する思いやりの
かげには A(大人の心)の持つ、打算や 他からの愛情
を得たいというC(子供の心)的な 欲求がうごめいて
くることを自覚せざるを得ないであろう。”


複雑な人の心模様を、この言葉は言い表している。

一筋縄ではいかない心の複雑さが、ある。
他人への思いやりと同時に、計算があったり、要求が
出てきたりするという、P の感情の裏にある、複雑な
思いを示している。

”人間としての業(ごう)への気づき”

大人になって、いつか誰でも、自分の業の深さを
感じる時が来るだろう。

同時に、どんなに業が深くても、’鬼の目に涙’といわれる
ように、”他人に対する思いやり”という、P)の心は
誰にでもある。

が、その裏で、”A(大人の心)の持つ、打算”つまり、
’人にどう思われたいか?’ そのために、’どう行動
したら良いか?’というような、現実に即した
主体的自我(A)が、いろいろな主張を始める。

それに加えて、本来の、”他からの愛情を得たいと
いうC”(子供の心)~本能的な要求も、同時に、
存在しているのだから、私たちの精神の断面図は
複雑な模様を、実は呈している。


こうした、三つの自我の心まとまりつかなくなると、
ストレスとなる。

ストレスをかかえていては、(C)の持つ、本来の
自然治癒力が十分発揮できない。

が、一つ一つの心の特性を理解して、それを
バランスよくコントロールすることができれば、
状況は変わる。

それが可能になれば、自己統制をしながら、心身
ともに、健全で快適な生活を送れるだろう。


ところで、”Aの心”というわれる、”大人の心”を
もう少し、具体的にみてみたい。

池見博士によると、Aの心は、前頭葉で営まれる、
主体的で進歩的、 創造的な自己を生む心である。 

さまざまな欲求、たとえば、所有欲、自己顕示欲
競争意識が属している。

感情もそれに伴い、劣等感や妬み、嫉妬、恨みなど
の負の感情を生む。

こうした感情は、C(純粋な子供の心)にはない。

たとえば、“悔しい”という言葉は、6~7歳になると、
理解されはじめ、子供たちが、使い始めることから、
池見博士は、Aの心が、この頃から、発達していきて
いると、’言う。

”負けた/勝った”、”認められた/無視された”という
認識の芽生えでもある。

池見博士は こうした認識感情は、Cの心がもつ、
自然な、心と対照的にな 反自然で差別の心’と呼び、
’現代人の悩みの根源’、とも、言い切る。


社交辞令やビジネスの契約を取り付けるための手段
として使われるのは”A”の心意識だ。

現実に適応した対応のために、時には自分の本音を
殺さなけれなならない

池見博士は こうした、本音を隠した対人関係を
裏面的交流”と呼ぶ。

”自分の真の欲求や動機を表現せずに、意識的に
遠回しに伝えようとするコミュニケーション
のことでもある。

時には、”皮肉やあてつけ”などの言葉も、この関係
には、みられる。

営業的取引、政治的コミュニケーションには、無意識
にこうした、Aの心に主導権を渡した、会話が行われ
ているいのだろう。


他にも、巧みな詐欺犯罪(結婚詐欺、ビジネス詐欺、
オレオレ詐欺)など、相手を操り、こちらの思うツボに
誘導していく展開を牛耳るのが Aの心の特徴である。

Aの心が、精神的ストレスを生むきっかけになると
したら、どうしたら良いのだろう?

すべからく、この世は二面性でできている。
欠点は長所に、善きことも、一面では悪にもなる。

だとしたら、Aの心、誰もが成長すると共に、意識
し、助長させていく、この”大人の心”のストレスに
なる側面を、良い側面に変えることが、できるはず
だと思う。

先に書いた、A(大人の心)の持つ、主体的自我
の源として、”創造的な営み。 現実的適応と、
個性に即した自己表現” ができるように、
心の中にある、PやCとのバランスを図るという
ことに徹していけばよいのだろう。

内的ストレスをいかに、軽減させて、健康的
に生きていくかも、Aの心次第といえるだろう。

結局、出来事や他人の言動に振り回される
のではなく、Aの積極的側面を自分自身が意識
して、活用しようという決意と意思で、可能に
なるのと思う。




参考)
”セルフ・コントロールの医学” 池見酉次郎s・57年9月1日 日本放送出版協会
”ストレス健康法” S.50 池見酉次郎 ㈱潮文社
”セルフコントロールー交流分析の実際” 池見酉次郎 杉田峰康 2007年創元社
”続心療内科” 池見酉次郎 1973年 中央公論社
”心療内科” 池見酉次郎 1963年 中央公論社

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