自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

整体:野口先生の風邪の心的背景の考え

2024年09月04日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方
整体の神業師 野口晴哉氏の徹底した身心一如の観方
************************************ 2024/9/4


心と身体が一体であるということを 
心身一如(しんしんいちにょ)という。

池見博士の心身一如論による、心療内科の治療と
整体の野口晴哉氏の、心身一如論に基づく、整体指導
とは、表現は違っても、底辺は同じだ。

つまり、心身一如であるのなら、

’心の思い’、感情の流れ’、
’積極的か消極的なメンタルか?’、’受身的か能動的か?’、
’恐怖感か満足感のどちらかに傾倒しているか?

という心’の状態、が、病を造ったり、病を癒したり
する~ということでもある。

’想い=想念’が現象(健康面のみならず、自分の周りの
事象を含めて)のひな型になっているとも、
言えるだろう。

以下は、野口氏の本(*1)の中から、あるパラグラフ
を引用させていただきたい。

一端(心が)方向づけられたら、意志で
どんなに努力してもその空想には勝てない、結局、
空想が方向づけられた方向に、体の動きはいって
しまうということです。


寒いから風邪を引くと想って、厚着をさせている
お母さんの子供ほど、寒いと風邪をひく。

栄養が足りないと風邪を引くと思っている
お母さんの子供ほど、栄養が悪いと風邪をひく。

寝相が悪いと風邪をひく、こたつに入っていると
風邪をひく、ぬるい湯にはいると風邪をひくといって、
それを警戒している人たちほど、そういうことで
風邪をひく。

それでいて私どものように、風邪をひいたら、それを
機会に体を治そう、癌になるような鈍い体にならない
ように、上手に風邪を経過させようと思っていると、
今度は風邪のほうが意地悪をして、ついてこない。

意志の努力では風邪はひけませんね。
どこかで、俺はなかなか風邪をひけないのだと思い、
自分でそういう方向付けをしているから、なおさら、
風邪をひけなくなる。

’風邪の効用’などということを考え出したが最後、
風邪をひかないのです。

だから、予防注射をして風邪を防ごうというような
受身な心が風邪を誘発しているかもしれないという
ことをわかっていただきたい。(引用以上)


野口氏が、ここで”想像”と呼んでいるその意味は、
”心の想い”ということだ。 

心の想い強ければが、それは確信につながる。 

確信すると、それは念となり、健康でも人生問題
でも、人間関係でも、仕事でも、自分の身近な環境
に影響を与え、念じたような現象が現れる。 

そうかと思えば、人には ”私は~になる” と
いつも言っている人が、必ずしも、そうなる
とは限らない。

その理由は、口に出してみるものの、実質、
その人自身の確信が足らないからだろう。
念になるには、想いの凝縮が必要なのだ。

野口氏は、自著の中で、
クライアントたちに、アドヴァイスをしようとするが
相手を見て、そうしていると、次のように言う:

以下、(著書引用部分)
~だから、私は’風呂に入っても良いですか?’と
聞かれて、'大丈夫’と答えるときにも、この人は、
私のいう事を本当に理解してきいているのだろうか?
とよく考える。

そうでないと、’入って大丈夫’と思っていても
請け合えない。

その代わり、’用心した方が良い´などというときがある。

それは、私が相手を理解が足らないとか、いくら
話しても、わからない人だからと思っている時だ。
(引用終わり)

これは、野口氏の心理療法でもある。

もし、正直に思っている通り、風呂に入っても
大丈夫と答えようものなら、その相手には逆効果
になるからだ。

’自分の風邪を、評価されていない’、’心配されてない’
寄り添ってもらっていない’ 
と不足に思い、”少し残念に思う”ものだと野口氏はいう。 

その結果、余計、その人の風邪の症状が余計に重くなる
ことさえある。 

なぜなら、野口氏の心配を得たいという本人の想念が、
’大丈夫’と太鼓判を押されれば、おされるほど、
野口氏の関心をひくために、無意識の念で、本人の
風邪の状態を重くさせていくからだ。 

さらに面白い体験的エピソードを野口氏は語っている。
引用する。

(引用部分)不平とか不満とか、反抗とかそういう心の
状況で、風邪になることがあるが、だからといって、
それを除かなければ、風邪が治らないかというと
そうではない。 

周りの人達が、相手の心理状態とか、相手の風邪を
ひくような心に同調して、相手が嫉妬しているから
その嫉妬を除かなければならないとか、甘えたがって
いるから十分甘えさせてやろうというように、
同調する必要はない。

それに同調して 相手の風邪の原因を何とか除去しよう
と努力しても、それは風邪の治療にならない。

もし、その不平を満たしても、又、次の不平が出てくる。

それが叶えば、また、次の不満がでてくるというように
きりがない。

だから、それを除かなくては、風邪が治らないと
考えてはいけない。

むしろ、風邪によって、そういう不平や不満も治って
しまう、自分から気落ちしてしまうような心持ちまで、
治ってしまう、というように、空想の方向付けを
行うことが大切です。
(引用終わり)

”空想の方向付けを行う” とはどういうこと
だろうか? これは、風邪は自然治癒力の発動で、心身
がより、健康になるための調整症状だと、納得させて、
これによって、もっと、元気になるのだという、想いの
方向を持っていくことだと思う。

他に、野口氏は、心の出すエネルギーと脳との関係を
次のようにまとめている。

引用部分)疑似感冒がある。
心理的因子による。
風邪の人と接触したから、伝染したと訴える
人々の風邪がそれである。

人間には、こういう心理的因子が誰にでもあるのだ。
こういう心理的因子が働く背後には、過剰エネルギー
鬱散要求がある。

過剰エネルギーが性エネルギーになるのが、自然で
あるが、他のエネルギーに昇華することもある。

多いのは、感情、又大脳に昇華することで、
他人が転んでも笑い出し、花が散っても涙を出す
ようなのは明らかに感情昇華。

後から空想や妄想が湧きおこったり、頭の方が行動を
無視してはたらいて、前へいってしまうようなのが、
大脳昇華。

この他に過剰エネルギーが行動に昇華すれば、行き
過ぎ、やりすぎ、言い過ぎが生ずる。

こういう過剰エネルギーが、風邪となる心理因子
の製造に回ることもある。
一種の鬱散要求です。
心理的な抑制風邪というのがあって、癇癪でも、
不平でも、行動でも、抑制してしまって風邪になる。

いずれにしてもエネルギー調整の平衡現象と
みるべきで、風邪を病気扱いにする前に体の観察
心観観察が必要だということです。(引用終わり)

特に、心の持つ過剰energyを分類して、それが
結果的に風邪をひく原因と関係していると見た
野口氏の次の意見は、奥深く、興味深い。


**************
 (*1) "風邪の効用” 昭和53年 野口晴哉  
発行所:株式会社 全生


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