自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

心身症は潜在意識が造った病

2020年03月16日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

顕在意識/潜在意識/量子的エネルギーの意識/を持つ私たち           2020・3月16日

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前回は夏木静子氏の体験、3年近く心身症を患い、作家としてペンを棄てるところまで

ダメージを受けながら、“心身症”であることを認め、症状として現れていた病の原因が、

実は、自らの心が招いた、蜃気楼のような潜在意識が作り上げた錯覚だと自覚した頃から、

回復が始まった~というお話しだった。

 

その最後にご紹介した言葉が、

“自分の中には自分の知らない自分がいる。 

意識の陰に潜在意識という生き物が潜んでいてこれは何を考えているかわからない

どうやら人間の本音は潜在意識のほうに多く遍在しているのではあるまいか。

だから、その声は聞こえにくい。意識の抱く、‘かくあるべき’とか、‘かくありたい’という

威勢のいい理想や願望に反して‘かくある’という認めたくない現実を告げているからだ。

しかし、時には人は立ち止まって、潜在意識のかそけき声に耳をかたむけなければ

いけないのかもしれない。”

という夏木氏の述懐(*1)だった。

 

”痛い”と意識するのは顕在意識、 その痛みを造る原因が潜んでいるところは、潜在意識。 

そして、今日は”執着のない自由な境地”にいたるための、超意識について考えてみたい。

 

夏木氏の心身症の初期の兆候、それは、体のだるさだったり、痛みだったり、現実に物理的な力として

自覚された。 “現実に”、実際 〝知覚”されている以上、その原因となっている病は、”存在”していると

夏木氏は、顕在意識で、受け止めた。

存在している以上”顕在意識”が要求したのは その原因を探ること、だから多くの病院で違った科に行き、

検査を受けた。 しかし、これと言った原因にあたる病は、わからなかった。 

この原因と結果、当たり前の法則の支配する世界が、顕在意識の世界といえるだろう。

 

顕在意識の世界は、私たちの日常の”現実の生活”にあり、五感で理解できる対象で成り立っている。

物理学的に言えば、作用と反作用の法則が主軸の世界といえるだろう。

 

一方、夏木氏を診断した心療内科の医師は、検査後に、“典型的な心身症”と 判断した。 

これには全く納得がいかなかった夏木氏だったが、それも当然だっただろう。 何故って、心に原因がある

とは到底認めがたかったからだった。

心療内科の医師は、夏木氏の症状を、夏木氏の潜在意識に掘り下げて、”典型的な心身症”と言ったのだが、

夏木氏は、顕在意識でしか病を捉えられなかったので、この医師の診断に納得がいかなかった。 

潜在意識というものは 顕在意識が最も頼りとするところの、”五感”では、全く知覚できない領域で

あったからだ。

 

言い変えれば、顕在意識(自分で知覚できる意識)が、物理的な現実レベルするのなら、潜在意識

は、五感ではとらえられないエネルギーのレベル ということができる。 

 

心療内科の療法で回復に向かった夏木氏は後日、こう感慨をまとめている。(*1)

“人間の本音は潜在意識のほうに多く遍在しているのではあるまいか。

だから、その声は聞こえにくい”と先に挙げた述懐のなかで書いているように、捉えがたいエネルギー

のレベルにも広がっているわけだ。”(引用終わり)

 

さて、人が、’私’と言うとき、人は、自分という存在を客観的に’思考’の中でとらえている。

さらに、“私の精神” というときは、自分というエゴの”エネルギーレベルでの実態”を意識している。

そのエゴの意識をさらにさらに奥深く内奥に進めていくと、”エネルギーの量子的レベル”に行きつく。

これは、先回(令和2年2月16日ブログ参照)にご紹介したジョー・スペンサー博士の表現でも同様だ。

その理由は、このレベルになると、いわゆる、波動になったり、固体になったり、時と場合で姿を替えながら

存在している究極の物質体、分子の量子レベルのように微妙な波動体ともいえるからだ。 

量子とは、純粋な物質ではないが、物質にいつでも変換し得るエネルギー体であることは証明されている。

それと同様、私たちの思考も、量子レベルになると、その波動が、結果的に物を生み出すといえる。 

 

具体的に見てみよう。 

たとえば、創作する前には必ず、設計図を描く。 

設計図は思考に基づいて、計算されて形状が決まっていく。 

そして、それを工程に移して、実際の品が現実に生産される。 

本(もと)はといえば、この品物の源は、設計した人の思考の中に存在していたといえる。 

だから、まだその品物が、精神状態の中、つまり、思考 の時点に在るときは、波動体のように空中に

ひらめいていた質量がないエネルギーであったが、設計図の中で数字や形状が、しっかりと

熟考されることで、雛形ができ、物質化する第一歩となる。

そして設計図に従って、質量がある”何か”が創造される。

 

すべての存在物の最初の姿は、こうした、量子レベルでのエネルギーの存在だった。

存在物だけではなく、私たちが作り上げる環境もそうだと言えるだろう。 引っ越しする時の、

家を探すときも、癒しを求めてペットとなる犬や猫を探す時も その初めは”欲しい”とひらめいた

その瞬間、つまり、自分の”量子的思考”から始まっているはずだ。

 

少し角度を変えて、これを見てみよう。

“空気が読めない”という表現がある。

それは、周囲の空気、つまりそこに居る人たちの無意識化に流れている、”量子レベルでのエネルギー

をキャッチできずないがために、“その場の雰囲気”にふさわしい行動をとれない時に使う。

誰にでも量子レベルのエネルギー、それは、眼には見えず、耳には聞こえないが、敏感な人たちなら

”何となく”感じるとることができるはずだ。  

なじみやすい とか、温かいとか、とげとげしいとか、単純に心地良いか悪いかを、人は場所にも感じる。

心地良い”場の雰囲気”はその場を使う人たちの”量子レベルのエネルギー”が反映される。

また神社仏閣などでも、そこに行くと”元気になれる”パワースポット”は確かに存在する。

また、人と人との相性なども、この互いに持っている量子的エネルギーがマッチしているかどうか関係

するだろう。

誰かと会った瞬間3秒で、人は、相手の持つこのエネルギー情報をキャッチして、直観的に印象を決める

という。 理性で分析する前に、直観的に”分る”から、 ”一目ぼれ“も、こうして可能になる。

 

さて、本題にもどり、、次の質問にはどう答えられるだろう?

” 顕在意識、潜在意識、そして、量子的エネルギーの世界、果たして、自分の理想的状態を奇跡的に

演出するためには、どの意識のコントロールがもっとも効果的だろうか?

 

次回に話を続けたい。

 

(*1)心療内科を尋ねて  新潮文庫 平成24年5刷

 

(2)夏木静子について

東京府(現東京都)生まれ。慶應義塾大学英文学科卒

1960年、大学在学中に五十嵐静子名義で執筆した「すれ違った死」が江戸川乱歩賞候補となり、

それがきっかけでNHK総合テレビの推理クイズ番組『私だけが知っている』のレギュラーライターに抜擢され、

以後3年間で約30本の脚本を執筆する。

1962年3月、夏樹しのぶ名義で短編「赤い造花」を『女学生の友』増刊号に、同年6月に中篇

「ガラスの鎖」を『宝石』に発表。

1961年秋には仁木悦子、戸川昌子らと女流推理小説作家の会「霧の会」を結成する。

1969年、夏樹静子の名前で『天使が消えていく』を発表、第15回江戸川乱歩賞の最終候補に残る。

1970年に『天使が消えていく』が出版され、本格的な作家デビューを果たす。

1973年、『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞を受賞

『第三の女』は仏訳され、1989年、第54回フランス犯罪小説大賞(ロマン・アバンチュール大賞)を受賞。

中国語訳『蒸発』『Wの悲劇』は、北京探偵推理文芸協会賞の翻訳作品賞を受賞(1998年、2001年)。

 

1984年にはノンフィクション『妻たちの反乱』がベストセラーとなり、1992年に『白愁のとき』で老いの

問題を扱い、1997年には自身の体験を綴った『椅子がこわい-私の腰痛放浪記』を刊行、精神的原因から来る

身体の不調について広く知らしめ、日本で心療内科が広まるきっかけを作り、同書は今でも版を重ねている。

1999年に試験管ベビーの問題をミステリー形式で扱った『茉莉子』を刊行、女性の視点から数々の社会問題に

取り組んでいる。

 

2007年、ミステリー文学の発展に貢献したとして、第10回日本ミステリー文学大賞を受賞。

2016年3月19日、心不全のため福岡市内で死去。77歳没。

 

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