自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

想念が創りだした幻の病~夏木静子氏が認める

2020年03月08日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

絶食療法の効用で~      2020 3月8日

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今日で三回目の、“理想の自分に届くため”の“想念の効用”シリーズでは、

自然治癒力やセラピーの本軸が色濃く表現されているが、比較的ストレートに

表現できるようになったことに感慨をもつ。

 

このブログを読んでくださる方たちの理解や興味がそれだけ深まりサポート

していただいている背景があるからこそだと思う。

 

さて、このシリーズでは、想念や思考はエネルギーとなり、体の細胞組織を

変化させるだけの力があるという内容になっている。 言い変えれば、健康とは、

単に症状が出ていない身体をさすのではなく、内面の“想い”も健康的である

ときの状態だ。 

 

想念、心の持ち方は、意識して変えていくことができること。 

そして、それがツボに入ったとき、つまり、アートマ意識に触れたとき、すでに

その人は、寿命をまっとうするまでは、常識を超えた(第三次元の)、半永久的に

有効な健康保持の秘訣を得たことになるだろう。

 

そこで、先回から夏木静子氏の著書(*1)から、ご本人の体験に基づくお話しを

挙げさせていただいている。先回、夏木静子氏が心身症と診断され、入院して

絶食療法をすることがきっかけとなり、次第に回復に向かって行ったところで

話が終わっていた。

 

なぜ、3年近く、部屋の中を四つん這いで這って移動しなければならないほどの

激痛と怠さ(だるさ)が、絶食療法で好転していったのだろう? 

彼女の自筆から引用してみたい。

 

“私の気がつかない潜在意識は、もはや疲れ切って休息を求めていた。

意識と潜在意識が乖離(かいり)したあげく、潜在意識が幻のような病気を

創りだして、そこへ逃げ込んだ”疾病逃避(しっぺいとうひ)が

私の発祥のカラクリなのだ~と(医師に)説明された。“(引用終わり)

 

この医師の説明に注目したい。 

医師は、“幻のような病気”、つまり、心身症の病気は砂漠の蜃気楼のように

実態のないものと表現する。 その原因は “潜在意識”。 潜在意識は、幻の病を

作り出す意識=エネルギーであるということが示されている。 

 

科学的に意識がエネルギーであることを表している公式にアインシュタインの

公式がある。それは、“E=M x Cの二乗” だ。 

 

はエネルギー、は質量、は光の速度を示している。

質量というのは物質化したものを測った量なので、は言い換えれば‘物質’と

いうこと。つまり、この公式から、物資とエネルギーは形が違うだけで実は

同じものだということがいえる。

 

では、幻の病がなぜ、実際に、重篤に悪化したのか? それは夏木氏自身が

答えを出している。

 

“症状は最初は軽度であったかもしれないが、私の気持ちが強くそれに

こだわったため、症状はみるみる肥大化し、三年の間にはのっぴきならない

重症患者になった。”(引用終わり)

 

“わたしの気持ちがこだわった”、つまり、夏木氏の“強い想い”である。 

”こだわりの想い”は、大きなエネルギーとなって、夏木氏の経度の幻の病を悪化させた

“想い=エネルギー”が “実態” を作っていくからだ。

 

しかし、よくなるきっかけは、心療内科に入院してまず、行われた絶食療法だった。

なぜ、絶食療法をすることで、その前まではかたくなに、自分の病気が心身症、

つまり、自分の心が病に関連していることを認めなかった夏木氏が、医師の見解を

受け入れることになったのだろう?

 

“心身症の最近の治療方法”~鈴木仁一著、“心身医学”(1987) によると、

“(絶食療法により)身体変化と並行して、依存性、被暗示性が高まると経験的

にいわれている、微妙な意識の変容状態が生じ、これまで病態に半ば固着され、

融通性を欠いていた意識は、微妙に柔軟性のある視点を抱くことが可能と

なるのである”(引用終わり)とある。

 

簡単に言えば、

“脳細胞組織もまた、代謝過程の変調を生じ、脳波にも変化が起こる”ことが

あったと言えるのかもしれない。

 

夏木氏の言葉によれば、

“わたしの脳もそうやって、被暗示的で素直になったものか、それまで頑強に心因や

心身症を拒否してきた私も、ようやく、先生の話に耳を傾けるようになった。”

(引用終わり)

 

すると、“徐々に回復が始まった。或る一瞬奇跡のように、というのではない。

が、短い間に確実に目に見えて軽快していたった” 

 

そして絶食療法が終わって、2週間後には

最後まで残っていた椅子に掛けることへの抵抗も、ほぼ解消した。” 

ほどの効果を見せたのであった。

 

振返って夏木氏は回想する。

“あれほどさまざまの治療を求めて放浪しながら、すべての原因は己の中に潜んでいた。

私は絵に描いたような心身症患者だった。そして、私は奇跡や僥倖(ぎょうこう)

ではなく、精神の科学によって、治癒をもたらされたのだと納得した。

 

この体験から学んだことは言い尽くせないほど大きかった。

人を描く小説書きの末席を汚しながら、人について自分がどれほど無知であったか、

その反省とともに、人間と自分に対する見方が変わった。

 

自分の中には自分の知らない自分がいる。 

意識の陰に潜在意識という生き物が潜んでいてこれは何を考えているかわからない

 

どうやら人間の本音は潜在意識のほうに多く遍在しているのではあるまいか。

だから、その声は聞こえにくい。意識の抱く、‘かくあるべき’とか、‘かくありたい’と

いう威勢のいい理想や願望に反して‘かくある’という認めたくない現実を告げて

いるからだ。

 

しかし、時には人は立ち止まって、潜在意識のかそけき声に耳をかたむけなければ

いけないのかもしれない。”(引用終わり)

 

"潜在意識という生き物が潜んでいてこれは何を考えているかわからない" 

と表現されている、潜在意識の働き、無意識は、毎分毎秒、エネルギーを

発信し続けている。

 

と同時に、毎分毎秒、そのエネルギーに相応しい’何か’を引き寄せているとしたら?

想念がエネルギーであるということ、エネルギーである以上、物質化して何かを

作り出していくということを、次回みてみたい。

 

 

(*1)心療内科を尋ねて  新潮文庫 平成24年5刷

 

(2)夏木静子について

東京府(現東京都)生まれ。慶應義塾大学英文学科卒

1960年、大学在学中に五十嵐静子名義で執筆した「すれ違った死」が江戸川乱歩賞候補となり、

それがきっかけでNHK総合テレビの推理クイズ番組『私だけが知っている』のレギュラーライターに抜擢され、

以後3年間で約30本の脚本を執筆する。

1962年3月、夏樹しのぶ名義で短編「赤い造花」を『女学生の友』増刊号に、同年6月に中篇「ガラスの鎖」を

『宝石』に発表。

1961年秋には仁木悦子、戸川昌子らと女流推理小説作家の会「霧の会」を結成する。

1969年、夏樹静子の名前で『天使が消えていく』を発表、第15回江戸川乱歩賞の最終候補に残る。

1970年に『天使が消えていく』が出版され、本格的な作家デビューを果たす。

1973年、『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞を受賞

『第三の女』は仏訳され、1989年、第54回フランス犯罪小説大賞(ロマン・アバンチュール大賞)を受賞。

中国語訳『蒸発』『Wの悲劇』は、北京探偵推理文芸協会賞の翻訳作品賞を受賞(1998年、2001年)。

1984年にはノンフィクション『妻たちの反乱』がベストセラーとなり、1992年に『白愁のとき』で老いの問題

を扱い、1997年には自身の体験を綴った『椅子がこわい-私の腰痛放浪記』を刊行、精神的原因から来る身体の

不調について広く知らしめ、日本で心療内科が広まるきっかけを作り、同書は今でも版を重ねている。

1999年に試験管ベビーの問題をミステリー形式で扱った『茉莉子』を刊行、女性の視点から数々の社会問題に

取り組んでいる。

2007年、ミステリー文学の発展に貢献したとして、第10回日本ミステリー文学大賞を受賞。

2016年3月19日、心不全のため福岡市内で死去。77歳没。

 

 

 

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