自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

ホツマ伝え5綾

2021年11月13日 | 超古代日本の精神(ホツマツタヱ)

和歌の持つ、精神的意味~黄泉平坂(よもつひらさか)の巻     2021/11/13

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俳句や短歌は、いまだに日本人に愛されている、
日本文化の一つだろう。

5・7調の限られた文字数の中の行間に込められた、
深い情感を季節感とともに味わうその繊細で、優雅な
感覚は、日本精神の美学に通じるものかもしれない。

秀真伝え5綾の中に、和歌の持つ意味が語られている
ので、ご紹介したい。
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5紋(あや)には、は大物主(奇杵命=くしきねのみこと)
思兼命(おもいかねのみこと)、花杵尊(はなきねの
みこと)(*1)、そして
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)
が登場する。

この5綾の秀真伝えの中でのタイトルは、
”和歌の枕詞(まくらことば)の紋”となっている。

どうして、枕詞が発生したか?という疑問を、
奇杵命が、思兼命に尋ねるシーンから始まる。

この謂れ(いわれ)は、その昔、伊弉諾・伊弉冉尊
の両ニ神の時代に遡る(さかのぼる)と、思兼命は話
を始めた:(以下そのお話し)(傍線部分は、
神のお名前:便宜上カタカナで記す)

”その昔、近江の国で、国造りを始められた、
イザナギ・イザナミの尊は、民の言葉を整えようと、
アワの歌48音(*2)を造られました。

上半分の24音を、イザナギ尊が、下24音を、
イザナミ尊が詠い連ねて、民に教えていくうち、
そのアワ歌の持つ言霊の力で、人々の音声の路が開き、
言葉も正しく整わせることができました。

それから、二神は、筑紫に行幸されて、そこで
常世の国の象徴である、橘(たちばな)の木を
植樹され、御子を産みました。


 
生まれた御子が、ツキヨミの尊(*3)です。

それから、熊野に行幸されて、そこでも、橘の木を
植樹され、そこで再び皇子を御生みになりました。


 
ハナキネノ尊(花杵尊=スサノオ)と名付けられ
ましたが、この皇子の気性は荒々しく、成長するにつれ、
その悪戯も度を超えていき、ついに、母君である、
イザナミ尊は、自ら息子の汚れ(隈)を我が身に
受けようとして、隈の宮(くまのみや)
(現在の熊野神社)を御建てになりました。

しかし、母君の痛むお心を傍らに、ハナキネノ尊は、
その周辺の民の大切な生活のよりどころであった、
御山木(みやまぎ)まで、焼いてしまわれたのです。


 
その時、母君(イザナミ)は、大きな山火事になりそう
になるのを恐れ、発火を抑えるため、火の神である、
カグツチの神を召喚しました。


 
しかし、その火の神の勢いは余りあるものがあり、
母君の御身が焼かれてしまい、
瀕死(ひんし)のお体になりました。

その時に、イザナミ尊は、最後の力を振り絞って、
召喚された神々がいました。
土の神である、ハニヤスメの神(4)、
水の神である、ミズハメの神(5)でした。

さらに、この時、ハニヤスメの神は、ワカムスビの神(6)
を呼ばれました。


 
こうして、これらの神々は、うけの御霊(みたま)
と呼ばれる、神々となり、ワカムスビの神は養蚕、
農耕を司る神として、世の人達に、それらの技術を
お広めになりました。

そして、イザナミ尊はこれらの神々を召喚されて、
ついに命が絶えました。


 
(須田注;現在の稲荷神社に祀られている神でも
あります。ほかに、荷田神も、祀られています


 
さて、妻の死の知らせを受け取った、夫君のイザナギ尊
は、イザナミ尊の亡きがらを一目見ようと、遺体の
置かれた山の洞に、向かったのです。


 
向かう前に、”お兄様、イザナミ様のご遺体は、決して、
ご覧になってはいけません”と、妹のココリ姫に
箴言されたのですが、それに耳を貸しませんでした。

妻の亡きがらが安置されているところに、到着しました。
遺体をご覧になると、そのお体には、蛆(うじ)が
たかり、腐敗が始まってました。


 
あまりの変容に悲嘆にくれて、御帰りになったものの、
まだ、未練が残り、その夜再び、遺体が安置されている
洞窟に行かれたイザナギ尊でした。

ところが、その時、亡くなったはずのイザナミ尊が、
面前に顕れて、夫のイザナギ尊に言いました。

’あなた様は、わたしの醜い姿をご覧になって驚かれ、
その上に、またいらして、私に恥をかかせるのですね。
あなた様を恨みます’

と、えらくお怒りになり、仕えていた醜女(しこめ)
8人に、イザナギ尊の後を追わせて、その場から
追い払おうとなさりました。(*7)


 
イザナギ尊は、這う這う(ほうほう)の体で、
ご自身の宮に戻られると、その穢れをとるために、
熊野宮の傍を流れる、音無川で禊(みそぎ)を
されました。

そして、自ら、ヤソマカツヒの神、カンナオヒの神、
オオナホヒの神、を召喚なさり、加護をお祈りされました。

次に、筑紫のあわきに行かれて中川で禊されると、
ソコツツヲ命(みこと)、
ナカツツヲ命、
ウハツツヲ命を招き、
この三神は、カナサキ命に祀らせることにして、
自らは、アツ川に向かわれました。

そこで禊をしたのちに召喚した、ソコ、ナカ、ウハ
の海神(わたつみ)命は、ムナカタ命(宗像命)に
祀らせました。

これらの神々を招来されてからは、国(やまと)
は栄え、葦原(あしはら)に生えていて葦(あし)
を引き抜いて、イザナギ尊は1500以上の田
を増やし、秋になれば、稲が生育して穂が成り下がる、
明るい国造りを為し得たのでした。”

と、思兼尊(おもいかねのみこと)は語ると、さらに
話を、本題である和歌の本髄、枕詞の話へと続けました。

”さて、枕詞(まくらことば)の最初の質問に戻ると、
こうした古き神代の時代で起こった背景を知った
うえで、お答えできます。


 
’足引きの’という枕詞は、’山’にかかります。
それは、イザナギ尊が、黄泉平坂の山から、
醜女(しこめ)達に後を追いかけられ、一目散で逃げて、
足を引き引き帰ったことに由来します。

そして、もう一つの ’あしびき’ つまり、
’葦引き’ は、’やまと’ にかかります。
これは、葦を引き引き、沼地を開墾して田んぼをつくり、
大和の国をつくったからです。”

と思兼命が”足引きの”の枕詞について語ったあと、次の
枕詞の話に、進みました。

”’仄々(ほのぼの)’という枕詞は、’明け’にかかり、
’鳥羽玉(ぬばたま)’という枕詞は、’夜’にかかります。


 
これは、ワカ姫が、きしいの国で、オシ草を振って、
害虫を掃った話(*8)から来ています。


 
仄々(ほのぼの)という枕詞は、オシ草の
’黄色の花’を意味します。


 
漆黒(しっこく)の、鳥羽玉(ぬばたま)の花は、
赤い斑点をもつことから、害虫被害で、闇夜と化した、
きしいの国に、再び、稲をよみがえらせたという、
ワカ姫の功績をも、象徴しています。

’島つ鳥’という枕詞は、’鵜(う)’にかかります、
これは、川の流れの中、朽木(くちき)に止まる
鵜を見て、筏(いかだ)を発明した、シマズヒコの命
(*9)の’鳥’を意味しているのです。

又、’沖つ鳥’という枕詞は、’鴨’と'舟’にかかります。
これも、シマズヒコ命の子、オキツヒコ命が、
鴨の泳ぐ風情をみて、櫓(ろ)の舟を考案した事績
からきているのです。(*10)


 
このようにしてみると、この綾に書かれている
神の歌(*11)の背景にある教えを、真摯に学べば、
鳥羽玉(ぬばたま)のような夜のように暗い心でも、
悟りに目覚めて、心が明るくなることがわかります。

心を清めるためには、歌にしたがって浄め、身を
清めるためには、禊(みそぎ)を行って、清めるのです。
これが、’やまとの道’といわれる、’歌の道’でもあるのです。”
(以上オモイカネ命の言葉)

黄泉平坂(よもつひらさか)は、生と死を隔てる
幽界の境界線でもある。
死が忌むものという発想は、遺体に蛆がたかり腐敗している、
イザナミ尊の姿をここで登場させることで古代から存在
していたのだろう。

そこで、その境界線から、這う這うの体(ほうほうのてい)
で生還したイザナギ尊は、禊(みそぎ)を三度、毎回、
異なる川で行い、天から守護の神々を呼び、身を清め、
やまとの国を、もっと、栄えさせたことがわかる。

歌の道の中で、こうした、超古代に残されている
神の話に因み、”枕詞”が生まれたことも、興味深い。


 
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(*1)素戔嗚尊(スサノオノミコト)の幼少の名前
(*2)”あかはなま いきひにみうく ふぬむえけ へねもおこほの 
もとろそよ をてれせえつる すゆんちり しいたらさやわ” の歌
(*3)ツキヨミ尊は天照大神の弟君にあたる
(*4・*5.*6)人型を持った神ではなく、精霊としての
神体を持つ
(*7)このあたりが、黄泉平坂(よもつひらさか)の
下りとして、古事記でも有名はお話しになっている
(*8)詳細は、秀真伝え1綾-10
(*9)詳細は、秀真伝え27綾-12
(*10)詳細は、秀真伝え27綾-12
(*11)5・7調で、秀真伝え原文は、歌形式として
書かれているので、このような表現をする

 

 

 

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