精神の持ち方と心臓病の関係:”薬で早く治せ’ は体にとっての
”冒とく行為”・・・・ 2019-4/12
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前回にお約束したように、内田医師の言葉を、ご紹介させて
いただきたい。
これらの言葉は”生命医療を求めて”日本経文社刊(平成7年)
からの引用させていただく。
①病は自壊減少を経た後には新しい細胞・組織が生え変わって、
傷が完全に治るように働いているのです。
一度に、すっと治ることもあれば、自壊現象が何度か繰り返した
末に完成されることがあります。
ですから、発熱や痛みは治る過程であって、決して悪化したのでは
ないということをよく理解されることが大切です。
(83頁)
②病人は特に目先の症状が気になるもので、病状の変化に
驚いたり、悲観恐怖したり、短気を起こしたりすると、
せっかくよくなりかけている途中で、またしても振り出しに
戻り慢性化させてしまうことになります。
自分の誤った生活の反省もせずに、薬で早く治せ、と
強要するのは体に対する冒とくとも思えるのです。
①と②は一般的な内田医師の病に対する観方であるが、
具体的な症状や病気に関しての、内田医師の意見を見てみたい。
ここでも自然治癒力を発揮するため、もしくは、自らストレス
などで病になっている原因などに言及している。
①肝炎(58頁~60頁))肝臓には解毒作用があるので、
いたずらに薬を服用することは避けた方がよく、安静、
食生活の是正という基本的な養生をおろそかにして、
薬のみに依存するとかえって効果がないばかりか
肝臓を傷めることになりかねません。
肝硬変は’硬い心’の現れです。
肝臓を支配している神経は自律神経ですから、感情の
影響を無視するわけにはいきません。
心因的に解釈すれば、カチカチの心、つまり、’律儀(りちぎ)
で融通の利かない、真正直な心’ いわゆる、’善人が病気する’
たぐいで、自分が正しいために相手の非が、とても腹立たしく
感じられるのです。
私も(注:内田医師)過去に肝臓を患ったことがあるので、
つくづく、自分の習慣の誤った心を反省し、’素直に人と調和し、
相手の立場にたって考える’といった練習をしていますと、
堅苦しい気持ちがほぐれるとともに、楽しくこころの底から
笑えるようになり、物事にこだわらなくなりました
こうして精神的ストレスがとれると、自立神経作用が順調
になり、血管収縮が去り、肝臓の化学工場は本来の姿に
戻って快調に回転を始めるので、老廃物は排斥され、
肝細胞の新生が起こって、完全治癒となるのです。
②心臓狭心症、心筋梗塞:冠状動脈、
つまり、心臓の大動脈の付け根から、心臓の外側を冠状
におおって、心臓の筋肉を養っている血管に故障が起こった
状態をいう。(38頁~41頁)
私も(注:内田医師)かつて、狭心症で緊急入院したことが
ありますが、自覚症状としては心臓部の圧迫感や痛み、
息切れ、動悸、胸苦しさ、などで心電図検査をしますと、
’冠不全’という状態になっています。
冠不全とは、冠状動脈の貧血状態、酸素欠乏のことです。
だから、管不全を治すのには、酸素欠乏に対して酸素吸入
をすること、簡単にいえば、深呼吸をすれば狭心症は
広心症になるわけです。
深呼吸というと簡単なことですが、心のゆとりがないと、
意外に忘れていることが多いようです。
だから、心のゆとりがない時に、狭心症の発作が起きる
ともいえるのです。
実際、ある婦人の冠不全は、食前食後とトイレに行った
ときに一回ずつ、一日合計11回の深呼吸をしてもらった
ところ、服薬してもよくならなかった心電図の異常は
まもなく改善されたことがあります。
狭心症の原因としては、
㋐冠状動脈硬化症
㋑心臓の弁膜・心筋の障害
㋒ほかの疾患
から二次的に冠状循環不全を起こすなどがあります。
しかし、これらも心配や恐怖心、疲労などの
精神的ストレスが、心臓を支配している自律神経作用に
影響を与えたのと、食生活の偏食が重なって、長い年月
かかって心臓の筋肉、血管壁に病理変化を起こして
きたのです。
精神分析によりますと、心臓は愛情の表現場所といわれ、
愛する家族、肉親のことで心を痛めるといったストレス
(ショック)が引き金となって心臓発作を起こしている
場合によく遭遇します。
このような時には、心配事で悩まれるのは無理がない
のですが、悩むほど自分の体を悪くするだけではなく、
家族にも良い影響を与えませんから深呼吸
(溜息でもよい)をしながら、しばらく時期を待つこと。
心筋梗塞は、この冠状動脈の一部が血の塊でつまって
それより先が壊死を起こす状態をいいます。
これも動脈硬化の経過中に起きるもので、今まで
高年の男子や精神過労の人に多くみられたのですが、
近年は食生活の欧米化によって、2,30代の若者に
すでに動脈硬化が起こってきているといわれています。
肉食や油っこい食べ物、濃厚な味付けなどが習慣となって、
体液に異常を期しているところへ夜更かし、精神的ストレス
が引き金となって、発作を誘導しており、心臓病医学講演会
などで最近特に話題になっているところです。
心臓の自然治癒の働き(42頁):私(注:内田医師)は
以前、大阪大学で病死後の心臓を見せてもらったとき、
たまたま10年前に患った心筋梗塞の跡が、’やけどのたこ’
のようになって治っていて、その先もケロイド状に
なっていますが、その傍らに新しい別の血管が、根元の
血管が枝分かれしてつくられ、先でほかの血管
につながっている’バイパス血管の新生’を目の当たりにして、
非常に驚きました。
このように、人間の体は、道具類を壊した場合とは
全く異なっていて、自らの力でその臓器に最も適当な
形や長さに修復するといった不可思議な働きがある
ことを体験したのでした。
これは脳の故障でも、胃でも、指の傷、骨折などでも
同じことが言えます。
実際の自然治癒力~心臓~の実例(43頁):
ある心筋梗塞患者の入院に際して、患者さんに救急治療を
行うと同時に家族の方にも病状を説明したうえ、協力を
お願いしたのです。
このような病気は決して偶然に起こったのではなく、
食生活や日常生活に、それ相当の原因があること、また、
人間の体には’神秘な自然治癒力’があるので、しばらく
心静かに回復の時期を待たれるようにと、よく、
説明しますと、納得され、余計な心配や恐怖心が除かれ、
落ち着いて看護にあたられるようになります。
このことは、病人にも医療に携わるものにも、とてもプラス
になる大切なことです。
(内田医師の引用以上)
特に、私からコメントを差し込む余地はないほど、シンプルで
わかりやすい説明だと思う。
次回は、引き続いてほかの病に関しての内田医師の所見を
ご紹介させていただく。
* ”生命医療を求めて~心とからだの不思議なしくみ~
著者 内田久子 発行所)日本教文社(株)、平成7年18版
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