自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

コナン・ドイル(シャーロック・ホームズの作家)のスピリチュアリズム(2)

2018年09月29日 | 健康と”悟り”・スピリチュアリズム

生粋の唯物論者が心霊学に興味を持った背景 2018.9/29

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ドイルは、名探偵を生み出して一躍世の中に

名前を知られるようになったが、

有名になった後、自分の財産をつぎ込んでまで、

心霊学に従事していたということはあまり

知られていないようだ。

 

ドイルと、心霊学とはなかなか、結びつかない人

が多いと思う。

彼が生み出した、名探偵、シャーロック・ホームズは、

論理的な筋道と証拠、誰にも有無を言わさない緻密な

観察に基づいた情報と推理で、難事件を解決していき、

その生みの親であるドイルは、理性的で理論的推移を

する頭の持ち主であったと誰もが考えることだろう。

 

確かに、ホームズにとって、霊能力や、死後の世界

というのは、全く無縁であったようだ。

少なくても、ある時期までは・・彼は、医学大学を

出て眼科医として働くようになる。

 

彼が活躍した当時、19世紀から20世紀にかけて一躍、

心霊学は脚光を浴びるようになる。

学術的に世の中に認められている学者やダーヴィン

の進化論の擁護者までが、心霊学的フィールドに

興味を持ち、1つの流行のような現象を呈して

いたように思われる。

 

その影響化、ホームズは霊的実験会に参加するよう

になり、次第に摩訶不思議な世界、心霊の世界に、

半信半疑から、実在を信じるようになるまで、

のめりこんでいった。

 

当時、心霊学に触れ、研究をすすめた、著名な多く

の文化人たちは、次のようなコメントを発表している。

 

① 世界的なフランス天文学者、

Camille Flamimarion (1842 ~ 1925 )

は、1923年の講演で、霊魂説を認め、次のように述べている。

 

”人間は’霊’の属性である未知の能力を持っており、

ダブル~複体~(肉体と霊体とをつなぐ、接着剤のようなもの)

を持っている。

思念は、肉体を離れて存在することができるし、

霊的波動が大気を伝わり我々はいわば、見えざる世界の

真っただ中に生きているようなものだ。

肉体の崩壊後も、霊的能力は存続する。”

 

② The Earl of Dunraven(生没年不明)

は、英国の貴族でカトリック信者であったが、

息子アデア卿とともに、心霊現象に関心を示し、

自宅で心霊現象を試み、2年間にわたる結果を、

"Experiences in Spiritualism with D.D.Home"

題した著書にまとめ、世に発表した。

 

③ Judge Edmunds(1816 ~ 1874 ) は 

行政人として、司法官として名をはせた。

ニューヨーク州議会の議長を務め、ニューヨーク州

最高裁判所判事も務めた司法官でもある。

心霊現象の解明に尽力を注ぎ、米国スピリチュアリズム

の新時代を画した人物といわれる。

 

しかし、御多分にもれず、判事という職業柄、

彼の行為は批判され、それに対し、”世に訴える”

Appearl to the Public)という釈明文を新聞に

掲げ対抗したが、結局、法曹界から身をひいた。

 

④ William Crookes(1832~1919)は、1863年に

英国学士院会員に選出され、1897年にはナイト爵

叙せられた。

1910年にメリット勲位を受け、英国学士院のか、

英国学術協会、化学協会、電気技師協会等の会長

まで歴任した人物である。

 

科学者としても高名で、タリウム元素発券、

クルックス放電管の発明など、

世界的科学畑での貢献は少なくない。

そのクルックス自身、1869年に心霊現象を

目の当たりにして、1871年に

本格的研究調査に踏み切ると、公言した。

 

タイトルは、”近代科学の光に照らして、

スピリチュアリズムを検証する”

というもので、次のように述べている。

 

”科学的手段を次々を採用していけば、

スピリチュアリズムの愚にもつかない、

現象を魔術と魔法の掃き溜めに放り込んで

しまう学者が続出するだろう”

 

一見、心霊現象に対し懐疑的な立場を表明

していながら、実際は、違っていた。 

彼の研究の結論として、実験報告の内容が、

100パーセント心霊現象を肯定する

という皮肉な結果になった。

 

この内容は、"Quaterly Journal of Science"

に連載され、のちに、

Reserches in the Phenomena of Spiritualism"という

単行本になる。

この本は大反響を呼び、心霊現象の科学的研究

はクルックスに始まると言って過言でないと

いわれる。

 

⓹ Alfred Russel Wallace(1823~1913)

ダーヴィンとともに、自然淘汰説

の共同発見者として知られる英国の博物学者だ。

次のように述べている。

 

”私は14歳の時から、進歩的思想をもつ兄と

起居を共にするようになり、

その兄の感化を受けて、科学に対する

宗教的偏見や教派的ドグマに

影響されないだけの、確固たるものの

考え方を身に着けることになった。

 

したがって、初めて心霊現象の話を

耳にしたときも、唯物論で埋め尽く

されていた私の思想構造の中には、

霊とか神といった、物質以外の存在を

認める余地はまるでなかったと言ってよい。”

 

”が、事実というのは、頑固なものである。

知人宅で起きた原因不明の小さな心霊現象が

きっかけとなって、生来の真理探究心が

頭をもたげ、どうしても研究して

みずにはいられなかった。

 

そして、研究すればするほど、現象の実在

を確信すると同時に、その種類も、多種多様

であることがわかり、その示唆するところが、

近代科学のおしえることや、近代哲学が

思索しているものから、ますます、

私は遠ざかっていったのである。”(*1) 

 

そのような社会的現象下において、当然、

唯物論者であった、ドイルは

心霊現象に興味を持たざる得なかった。

 

様々な交霊会に出席し、その真偽のほどを

確かめながら、のめりこんでいくのだ。

当時の交霊会は、霊界から地上界に届く

通信をキャッチするのが目的だが、

以下のような方法があるとされる。

 

① 霊が語る~霊媒を通して、あるいは直接、

霊媒から出るエクトプラズムという特殊物質

を霊が利用して、霊媒から離れた空間(中)

から直接、霊が話す場合とある。

 

② 霊が文字にして伝える~自動書記現象

といわれるもの。

霊媒に乗り移って書く場合。

”お筆書き”と日本語でいわれる例がある。

あるいは、高級霊が思想波を送り、

それをキャッチしたものが、文字で

あらわす場合がある。

 

③ 幽体離脱~霊的身体として肉体から

遊離して、その間、体験したことを、

肉体に戻った意識が書き留めるもの。

 

さて、自然治癒力協会(正式登録名称:Spontaneous healing therapy Japan)

の立場として、次のことを、一言申し上げておきたい。

 

こうした霊的な事柄は、自然治癒力とは

あまり関係があるとは考えていないし、

協会の主旨とは、むしろ、離れている

認識している。

 

しかし、ドイルが生きていた時代の心霊学へ

の興味の盛り上がりの背景を

踏まえて、ドイルがどのような独自な

考えを展開していくのか? 

 

それが、スピリチュアリズムの定義に

どのような色付けを行っていったの

だろうか?

そのことは、”人間の本質”への洞察と

被さり、私たちの本質が明らかに

なることで、自然治癒力への理解が

深まるという事においては、意味があると思う。

 


 

 

参考:

“The New Revelation by Arthur Conan Doyle” (1918 ) 

Psychic `Press Limited, 23 Great Queen Street, London, 

WC2B5BB, England

注1 ~ 以上”~”の引用部分 

= ”コナン・ドイルの心霊学” 

新潮選書、コナン・ドイル著、近藤千雄翻訳 1992

 

 

 

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