バリエル神父がくれた宝
霊魂が有する諸能力の区別、原罪によって人間本性が受けた4つの傷、対神徳や倫理徳の成長、並びに聖霊の七つの賜物などを土台としてその上に建てられた聖トマスの堅固な霊性学は間もなく、ルフェーブル大司教が自分の神学生たちに説き聞かせることを望んだ使徒的熱意や霊的戦闘の意味と、罪の現実性とを調和させる道具の援助を受け取った。そのような援助を、エコンにてルドヴィク・マリー・バリエル神父が説き進め、説明し、さらに大衆化したロヨラの聖イグナチオの霊躁に見出すほど、ルフェーブル大司教は本当に幸せな方であった。
バリエル神父は、マルセイユ近郊のシャトー・ゴンベールで生まれ、若者として、この熱心なプロヴァンス地方の田舎者は第一次大戦で戦った。つぎに、彼はマルセイユ司教区の「善き牧者教会」の主任司祭となった。後年、シャボイユにある「王たるキリストの小教区協力者(CPCR)」の司祭になる。彼は王たるキリストの小教区協力者の創立者であるヴァレー神父の親友であり、公会議後の自由主義的傾向から距離を置く前は、シャボイユ本部の修道院長であった。聖伝の軌道に乗せて、王たるキリストの小教区協力者の再創立ことを考えながら、1971年10月のある日、エコンを訪問し、そして居続けた。最後に彼は自分の計画を放棄した。聖イグナチオによる霊躁の炎を聖ピオ十世会の会員たちに伝えながら、神学校の“霊的指導者”として、より好ましい形で、この計画を成し遂げた。
夕の“霊的講和”の中でバリエル神父は“修練者向けミルク“を提供した。彼は聖性への渇望を、典礼の黙想と聖人たちの生涯という模範を通して神学生らに植え付けることに秀でていた。バリエル神父は、イグナチオ的霊的道のりにそってこだまする聖イグナチオの“原理と基礎”にある抗しがたい論理を神学生たちに解らせた。
ルフェーブル大司教はイグナチオが用いた完璧なトマス主義(聖トマスによる哲学と神学)を賞賛した。自我の征服(克己)であれ、己の聖化の究極目的と手段である聖主の愛を悟ることであれ、人間は常に自分が頂きたいと望む恩寵を、黙想を通して天主に乞い求めなければならない。
「従って、私たちが天主を愛するにつれ、聖主は霊魂を照らし給い、またこの霊魂は己の中に天主との一致を妨げる障害を直観的に感じ取るのです(1976年エコンでの黙想会、1986年9月の司祭黙想会にて)。」
事実、この聖ピオ十世会創立者は気をつけてしばしばこう繰り返していた。
「カトリック教会の霊性でない限り、私は何か特別な霊性を皆さんに課そうなどとは望みません。 」
そういう訳で、大司教は聖トマスの神学大全の霊性の道のりの方式を好んだ。それでも大司教は、バリエル神父がほとんど毎年夏に指導し、自分も一度与った “30日 ”が、後日どれ程自分のためになったかを述べながらそれを奨励した。
バリエル神父は、イエズス・キリストの玄義のイグナチオ的な観想が、霊魂を聖性に向かって“高飛び込み”させ、また第二の回心に至らしめることを非常によく悟っていた。彼は言った。
「時には、8日間の黙想会をしただけで、参加者たちが神秘的な細道に沿って導かれているのを見たことがあります。」
バリエル神父なくして、エコンは(今日の)エコンではなかっただろう。モリロ(Morilleau)司教が神学校視察中に言ったように、足を踏み入れる者が「修練院にいるような感動」を体験することはなかったであろう。
「[彼は]救霊に対する激しくも疲れを知らない絶えざる願望を備えた司祭の驚嘆すべき模範でした。(霊魂の)永遠の救いという考えに憑りつかれ、バリエル神父は信仰によって生き、天国の現実と接触して生活していたのです。至聖三位一体や、イエズスの至聖なる聖心、聖ヨゼフ、聖なる諸天使らなど、彼はこれらの信心で養われていただけではなく、それを他人にも教え、奨励していました。」(1983年3月8日、エコンでの霊的講話で)
バリエル神父は、ピエモン(Piémont)のモンタレンゲ(Montalenge)にある黙想の家での霊躁指導に働き尽くめであり、それは自分が完全にへとへとになるまで続いた。1983年3月1日、ルドヴィク・マリー・バリエル神父はエコンにおいて、その英雄的な霊魂を天主に献上した。その日は、ちょうど聖ヨゼフの月の初金曜日で、この聖ヨゼフに対して彼は限りのない信頼を抱いていた。
自分が指導してきた霊的な子供たちが増え、彼らが世界中で一般信徒たちをはじめ、聖ピオ十世会会則で望まれているように、司祭たちにまでも霊躁の指導をしているのを見ることで、この老兵士の喜びは満たされたことであろう。実に聖ピオ十世会は、“司祭職の聖化という会本来の目的”を実現するのである(聖ピオ十世会会則 Ⅷ,3)。
【聖ピオ十世司祭兄弟会 (FSSPX) 創立者 ルフェーブル大司教 伝記 目次】
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