小学校からの友人のお父様が亡くなった。10月に体調を崩して病院に行ったら末期癌だったらしく、それからわずか二か月で亡くなってしまったらしい。
友人は同窓会メンバーの飲み仲間でよく会う友達の一人だし、お父様は実家の母と私がお世話になっている呉服屋さんである。
着物なんて私の家計で早々買えるものじゃないけど、祖母の頃から実家には出入りしてもらっていたので、もう40年以上のおつきあいになる。
私の成人式の帯や嫁入り道具の大半もここで作ったし、娘が私の着物と母の帯を仕立て直して成人式に出ると言った時に 別に買うわけじゃないのに快く仕立て直しを引き受けて、比翼をつけたりの工夫もしてくれた。
それに、10年くらい前から 私が着物を着始めたことをとても喜んでくれて、「OO子ちゃんが着てくれるのなら」と信じられない値段で出物の小紋の反物を仕立ててくれたり、誰かが注文してキャンセルになったという龍村の帯を9割引きくらいで譲ってくれたりもした。
また 見るだけで、私の体つきで寸法を割り出していたし、好みの柄や似合う色もわかってくれていた。
そして 母と私の手持ちの着物も驚くほど把握していて、「奥さんのあの訪問着だったらそろそろOO子ちゃんに着られるでしょう。譲ってあげたらいかがですか? あれにだったらこの前の帯も合わせられますよね~」などのアドバイスも貴重だった。まあそれに付随して 「じゃあ奥様は 訪問着新調したらいかがですか?」っていう展開にもなるのだけど・・
また仕立て直しや色かけやシミ抜きなどの相談も乗ってくれた。困った時はOO屋さんと、とにかく 着物の事は彼に頼っていた私たち母娘だった。
なじみの呉服屋さんが亡くなるってことは なじみのブティックがつぶれるってものとは比べ物にならないくらいダメージがきそうである。
訃報を聞いた時に、まずびっくりしたし、友人の喪失感が想像されて切ない気分になったし、私も長い付き合いのお父様の様子が思い出されて悲しかったが、次に「困っちゃうな~」という気分にもなった。
前に書いた通りにお世話になっていたことを これからどうしたらいいのだろうかってことで。
母も 長い付き合いで悲しいけど ホントこれからどうしようかしらね~ と困惑もしていた。
私の友人は二人姉妹でどちらも呉服屋さんを継ぐ準備はしていないはずである。
私たち親子の心配は まあ現実的すぎて利己的かな~と最初は思ったが、考えてみれば 呉服屋さんとして一生を全うして、亡くなった時に周りが困惑する。いってみればそれは商売人冥利につきるのじゃないだろうか?
これから多分私たち親子は 「こんな時にOO屋さんがいてくれたらね~」と思うだろうし、OO屋で買った着物に袖を通す時や帯を結ぶ時には それを勧めてくれた彼を必ず思い出すだろう。
一生で成した仕事で惜しまれるのは尊いことだと思う。
ワタシが死んだら、飲み仲間が一人減ったと惜しんでくれる人はいるかもしれないが、仕事関係ではまず惜しまれずに チャマが喜ぶくらいであろう(笑)
ただ、病床の様子を聞いて切なかったのは 友人の娘(彼にとっては初めての女の孫)が再来年成人式で おじいちゃんとしてとっておきの振袖を作ってやりたかったのができなかったのをとても残念がっていたと言う話だった。
神様がそのくらいの時間が残してあげてもよかったのに・・・
友人は同窓会メンバーの飲み仲間でよく会う友達の一人だし、お父様は実家の母と私がお世話になっている呉服屋さんである。
着物なんて私の家計で早々買えるものじゃないけど、祖母の頃から実家には出入りしてもらっていたので、もう40年以上のおつきあいになる。
私の成人式の帯や嫁入り道具の大半もここで作ったし、娘が私の着物と母の帯を仕立て直して成人式に出ると言った時に 別に買うわけじゃないのに快く仕立て直しを引き受けて、比翼をつけたりの工夫もしてくれた。
それに、10年くらい前から 私が着物を着始めたことをとても喜んでくれて、「OO子ちゃんが着てくれるのなら」と信じられない値段で出物の小紋の反物を仕立ててくれたり、誰かが注文してキャンセルになったという龍村の帯を9割引きくらいで譲ってくれたりもした。
また 見るだけで、私の体つきで寸法を割り出していたし、好みの柄や似合う色もわかってくれていた。
そして 母と私の手持ちの着物も驚くほど把握していて、「奥さんのあの訪問着だったらそろそろOO子ちゃんに着られるでしょう。譲ってあげたらいかがですか? あれにだったらこの前の帯も合わせられますよね~」などのアドバイスも貴重だった。まあそれに付随して 「じゃあ奥様は 訪問着新調したらいかがですか?」っていう展開にもなるのだけど・・
また仕立て直しや色かけやシミ抜きなどの相談も乗ってくれた。困った時はOO屋さんと、とにかく 着物の事は彼に頼っていた私たち母娘だった。
なじみの呉服屋さんが亡くなるってことは なじみのブティックがつぶれるってものとは比べ物にならないくらいダメージがきそうである。
訃報を聞いた時に、まずびっくりしたし、友人の喪失感が想像されて切ない気分になったし、私も長い付き合いのお父様の様子が思い出されて悲しかったが、次に「困っちゃうな~」という気分にもなった。
前に書いた通りにお世話になっていたことを これからどうしたらいいのだろうかってことで。
母も 長い付き合いで悲しいけど ホントこれからどうしようかしらね~ と困惑もしていた。
私の友人は二人姉妹でどちらも呉服屋さんを継ぐ準備はしていないはずである。
私たち親子の心配は まあ現実的すぎて利己的かな~と最初は思ったが、考えてみれば 呉服屋さんとして一生を全うして、亡くなった時に周りが困惑する。いってみればそれは商売人冥利につきるのじゃないだろうか?
これから多分私たち親子は 「こんな時にOO屋さんがいてくれたらね~」と思うだろうし、OO屋で買った着物に袖を通す時や帯を結ぶ時には それを勧めてくれた彼を必ず思い出すだろう。
一生で成した仕事で惜しまれるのは尊いことだと思う。
ワタシが死んだら、飲み仲間が一人減ったと惜しんでくれる人はいるかもしれないが、仕事関係ではまず惜しまれずに チャマが喜ぶくらいであろう(笑)
ただ、病床の様子を聞いて切なかったのは 友人の娘(彼にとっては初めての女の孫)が再来年成人式で おじいちゃんとしてとっておきの振袖を作ってやりたかったのができなかったのをとても残念がっていたと言う話だった。
神様がそのくらいの時間が残してあげてもよかったのに・・・