局の道楽日記

食道楽、着道楽、読書道楽  etc
生活色々を楽しんで暮らしている日々の記録です

さらば 歌舞伎座

2010-04-18 23:28:34 | 見る(映画 劇場 美術館など)
昨夜は歌舞伎 御名残 四月大歌舞伎の夜の部へオットと。 
今月は観劇がたて込みました。




歌舞伎座の前は一幕見のチケットを買う人でごった返し、いつもより観客の着物率が多かったような気がする。

  

本当にさよならなんですね。 この空間をよく目に焼き付けておかなければ・・・

上海蟹オジからのプレゼントチケットは 6列目の中央というとても良い席であった。

  

この日もあまりに寒くて着物に着替える気にならなかったが どうせなら着てくればよかったな~と激しく後悔している図

演目は 実録先代萩と



助六由縁の江戸桜



子別れの場面 浅岡に 子役にそれぞれ橋の助と孝太郎の子。あんまり先代萩自体は好きな話じゃありませんが芝翫さんの演技はさすがと言う他なく、子役の二人もちゃんと自分の役割ってのをわきまえていて、凛としたところを見せているのが感じられて面白かった。

実はオットも私も 子供店長みたいなCMが大嫌いである。あの子役に対してはどうこう個人的好き嫌いはないけど、不況で広告費も削らなくちゃならなかった(であろう)メーカーがたまたま子供を出したらそれが当たって 次々に柳の下の二匹目のどじょう狙いで子供ばっかりつかった昨年末から今年のCMの造り方がとっても安易に思え、しまいには子供店長の「OOは免税!補助金も!」っていう話し方もこまっちゃくれた言い方に聞こえていちいちむかっ腹がたっていたのである
子役も伝統芸能のうちの子役は許せました(ハイ 好き嫌い多いオバです、すみません)

そして 助六です。
やっぱり the 歌舞伎だね、この演目は。

花の吉原、三浦屋の赤い塀 上から枝垂れた桜が垂れ下がり その前に色とりどりのおいらんが並ぶ それだけで目の悦び

配役がまたすごかったんですよ ↓



           花川戸助六  團十郎
           三浦屋揚巻  玉三郎
            通人里暁  勘三郎
         福山かつぎ寿吉  三津五郎
           三浦屋白玉  福 助
        男伊達 山谷弥吉  権十郎
        同   田甫富松  松 江
        同   竹門虎蔵  男女蔵
        同  砂利場石造  亀三郎
        同   石浜浪七  亀 寿
           傾城八重衣  松 也
           同  浮橋  梅 枝
           同  胡蝶  巳之助
           同  愛染  新 悟
             金棒引  種太郎
               同  萬太郎
               同  廣太郎
               同  廣 松
            禿たより  玉太郎
        白玉付番新梅ヶ香  歌 江
            奴奈良平  亀 蔵
           国侍利金太  市 蔵
            遣手お辰  右之助
          番頭新造白菊  家 橘
            朝顔仙平  歌 六
            曽我満江  東 蔵
         三浦屋女房お松  秀太郎
            髭の意休  左團次
        くわんぺら門兵衛  仁左衛門
          白酒売新兵衛  菊五郎

              口上  海老蔵

歌舞伎座、最後を飾るオールスターであった。

それにしても揚巻役の玉三郎さんの衰えないこと。首のあたりに確かに年を感じたが、あの艶っぽさ、あの品のよさ、あの貫禄。あの美しさは妖怪の域に達していると思った。
席は前の方だったがじっくりとオペラグラスでうちかけまで観察。ため息の出るくらい衣装も豪華だった。

助六の団十郎さんも粋でよかった。紫鉢巻に尺八を腰にさし 傘を広げて登場する助六の男伊達姿、私も ナリタヤっ!って叫びたかったわw

ワキを固める人たちも普段なら看板役者陣の面々なんだからそれはもう豪華な舞台。

中でも勘三郎さんの通人里暁がすごく面白かった。
通人ってのは何をやってるわけじゃなくいわゆるお金持ちの若旦那だけど、良い趣味をもって教養がある 吉原の上客の部類の人なんだろう。この役はごちそう役と言われるらしいけど、勘三郎さんの洒脱なアドリブがそれを体現していた。

「おや 助六さん。いいねえお宅のタカトシもやっと落ち着いて」とか 白酒売新兵衛役の菊五郎さんには 「お宅のしのぶちゃんこの度はおめでとうございます。いや~世界にはばたくねえ 」とか そして歌舞伎座への惜別の感もさらりと入れてついでに他の歌舞伎公演や自分のところのコクーン歌舞伎の宣伝までさらりと入れて、それが楽屋落ちにならなくて観客を大笑いさせるのは さすがの芸だった。生真面目そうな団十郎さんは顔を崩さなかったが菊五郎さんは笑ってたものね、それも一興。

もう 最後まで目が離せず 集中できた舞台だった。あ~ もう一度見たい(けどチケットとれないね)


オットも楽しんでいた。
この手の舞台に一緒に行き始めたのはここ5,6年だけど、オットのすごい所は見た舞台の一つ一つをよく覚えているところ。浄瑠璃のOOO太夫さん この前の演目もこの人だったとか覚えているのである。
私と見る数は違うこともあるが、はまるとはまる人で深く突っ込む人なので 将来もう少し仕事がひまになったら 大向こうに席をとって「OO屋っ!」などと声をかけるジイサマになるかもしれない。



演目が終わり、みんながぞろぞろと出口に向かっている時、どうしてもここをくぐってみたいと言って花道の下を通って外にでようと言ったのもオットである。(変なの)



この電光掲示板の前でみんな写真を撮っていた。
やっぱりこの建物がなくなるのは淋しいのよね。

昨日の公演はこの歌舞伎座の姿とともにずっと胸に刻んでおこうと思う。










コメント (8)
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