萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

第58話 双壁act.2―side story「陽はまた昇る」

2012-11-05 18:50:09 | 陽はまた昇るside story
空、遥かな想いに



第58話 双壁act.2―side story「陽はまた昇る」

車窓の景色はコンクリートの森。
それでも空は青くまぶしくて、強い光線に英二は目を細めた。

―もうじき逢える、

ほんの3時間だけ、それでも今から周太に逢える。
この3時間の後はいつ逢えるのか解らない、だから3時間でも逢えることが嬉しい。
そんな想いに視界は鉄塔が目に映りだし、駅の景色にと移り変わって停車した。

「新宿、お降りの方は足元に…」

アナウンスと開いていく扉の向こう、顔ふれた空気が暑い。
平日昼でも混みあうホームを足早に歩いて、エスカレーターへ向かっていく。
久しぶり歩く景色にふっと、去年の記憶を見つめて英二は微笑んだ。

―卒配のとき俺、このホームから周太を電車に連れ込んだな

初任科教養卒業式の翌々日、卒業配置先に戻る時だった。
この新宿署に卒配された周太は青梅署に向かう英二を、このホームまで見送ってくれた。
その別れ際、周太の唇が告げた言葉と手首の赤い痕に、離れ難いまま車内に周太を引き込んだ。

―…さびしくなる

あのとき唇がそう動いたのを、喧噪のなか見てしまった。
優しい手が小さく振られて、その手首に刻んだキスの痕に心掴まれてしまった。
そうして周太の腕を掴んで引き込んで、特急列車に閉じこめ立川まで連れ去った。
新宿から立川まで30分、たった30分でも一緒に居られる時間が延びたことが嬉しかった。

―…宮田やっぱり馬鹿なんだな

連れ込まれた車内、素っ気なかった口調が懐かしい。
あの頃の周太は堅い話し方をしていた、けれど今はゆるやかなトーンで優しく話してくれる。
この声と口調の変化を、周太の母は「昔の素直な話し方に戻った」のだと教えてくれた。
あの頃の話し方も自分は好きだった、でも今の自然体で居てくれるトーンが嬉しい。
あの穏やかな独特の話し方に今、もうすぐ逢える。

―周太、先に居るかな?

なんとなく予想しながらエスカレーターを歩いて昇りきる。
往来の交錯するコンコースを横切り、改札口の向こうを視線は探す。
その視線の先に大好きな空気を見つけて、英二は綺麗に笑って呼びかけた。

「周太!」

思わず出た透る声に、道行く人が振向く。
そんな衆目の中心を通り抜け、改札を出ると英二は恋する人に笑いかけた。

「おはよう、周太。待たせてごめん、でも周太が待っててくれる姿、嬉しかったよ?」

話しかけながら、つい掌を掴もうとしてしまう。
ふれそうになる指先、けれど慌ててひっこめると周太は困ったよう微笑んだ。

「うれしいって言ってくれるの嬉しいんだけど、大声でよばれるのはずかしいよ…あとてをつなぐのいまはだめです」

そんな言い方されたら、こっちこそダメですよ?

恥ずかしそうな笑顔が可愛い、赤くなる首筋がきれいでキスしたい。
こういう貌と肌の紅潮は夜を想いださせて、つい色々したくなってくる。
こんな真昼の駅でこんなこと考え出す自分に、自分がいちばん困って英二は恋人にねだった。

「ね、周太?やっぱり英二は馬鹿なんだ、って言ってみて?」
「え?」

ねだった言葉に黒目がちの瞳ひとつ瞬いて、驚いたよう首傾げてくれる。
こんな変なお願いされたら途惑うだろう、でも記憶をなぞってみたくて言ってみた。
言うこと聴いてくれるかな?そんな想いと歩き出すと、恥ずかしそうに周太は言ってくれた。

「…やっぱりえいじはばかなんだ、…これでいい?」

どうしてそんな可愛い言い方するの?

去年の素っ気ない言い方とは全然違う、けど可愛い。
羞んだ容子が可愛くて、去年と今との差に互いの関係の変化が見えて、それが嬉しい。
嬉しくて英二は綺麗に笑って、去年よりずっと想い深い恋人へと懐かしい質問をした。

「うん、それで良いよ?周太、昼飯は何が食いたい?」

初任科教養の外泊日、いつも訊いていた質問。
この質問に周太はなんて答えてくれるかな?そう笑いかけた先で黒目がちの瞳が嬉しそうに笑ってくれた。

「ん、ラーメン…」

ほら、あの頃と同じ答えで笑ってくれる。
けれどあの頃より明るい綺麗な笑顔が嬉しくて、幸せを見つめて英二は決まった答に微笑んだ。

「またかよ?」
「ん、まただよ?…あのね、いつものお店に行きたいな、」

素直に答えて、ねだってくれる。
その貌は幸せに笑って、去年と別人のよう美しくなった。
生来の童顔と小柄で推ない雰囲気、けれど清楚な艶が長い睫の陰翳にある。
ブルーの半袖シャツ伸びやかな腕も、引締っているけれど華奢な骨格が可憐に優しい。

―まるっきり美少年だよな?

こんな周太が自分と同じ警察官で、もうすぐ機動隊を務めることが嘘のように思えてしまう。
けれど運動神経の卓越する周太は見た目より強健で心も強い、この秘めた強さが自分は好きだ。
この強さを支えに無事でいてほしい、そんな願い見つめながら英二は微笑んだ。

「うん、いいよ。周太、また綺麗になったな?」
「そうなの?…そういうのはずかしいけど、でもありがとう…」

気恥ずかしげに微笑んだ唇が素直で、キスしたくなる。
いつも逢う度ごと綺麗になっていく、そんな恋人がまぶしい。
特にふたり過ごした夜のあと、目覚めた朝の変貌には心掴まれてしまう。
こんなにも人は心の変化で容貌も変わっていく、それを自分はこの最愛の恋人に贈れている?

―俺のことで周太がきれいになってくれるんなら、うれしいな

こんなふうに自分が誰かを想うことを、一年前でも自分は想像出来なかった。
そんな想いと見あげる空は青い、この青い空はるか彼方の岩壁へと自分はもうじき登りに行く。
今回の登攀は8,000峰登頂への訓練と試金石を兼ねる、その現実には自分の夢と光一の夢、そして周太の運命が懸かっている。

―今、無謀って言われても構わない。結果を出せば認められて、発言権も立場も手に入る

力が欲しい、この隣を護るために必要なだけ。
この隣を歩いてくれる恋人の笑顔を護りたい、それが自分の幸せだから。
その為にも自分は今日も適性テストを受けて、良い結果が出ることを祈ってしまう。
そんな想いと一緒に歩いて英二は、いつもの店の暖簾を潜った。



久しぶりのベンチは、相変わらず木洩陽がやさしい。
光ふる緑の翳に、やわらかな黒髪のした肌の輪郭も淡い。
長い睫にけぶる陰翳が美しい、その笑顔は穏やかな空気に充ちている。

―こんなふうに見つめていつも、きれいだって想ってたな

まだ友達だったころの記憶が今、見つめる笑顔に重なってしまう。
あの頃より明るく笑ってくれる綺麗な笑顔、その記憶を今は正確に刻みたくて見惚れてしまう。

「それでね、奥多摩のブナよりも丹沢の方が、肌が黒っぽくって…やっぱり標高とか寒さが違うんだねって、美代さんと言ってたんだ、」

この間のフィールドワークの事を周太は楽しそうに話してくれる。
あの山行は周太にとって夢の時間だった、それが今の笑顔からも解かってしまう。
この笑顔を大切にしたい、そんな願い見つめてスポーツドリンクを飲みながら英二は微笑んだ。

「奥多摩の方が寒いから、白っぽいんだ?」
「ん、そうだよ。長野出身のひともね、地元の方が白いって言ってた…木曽の出身で、雪とか多いって教えてくれたよ」

嬉しそうに笑って教えてくれる、その言葉にふと心留められる。
そうだと良いな?明るい予想に英二は、年齢より推ない婚約者に訊いてみた。

「周太、友達が出来たんだ?」
「ん、そうなる、かな…?」

気恥ずかしそうに笑ってくれる、その瞳が嬉しそうに明るい。
どんな友達だろう?聴いてみたくて見つめた英二に、周太は素直なまま口を開いてくれた。

「手塚って言うんだ、学部の3年生で青木先生のゼミ生…土曜日の講座にも出ているらしくて、俺と美代さんのこと知ってたの。
俺のノート見て褒めてくれてね、奥多摩との比較が面白いから、手塚も木曽との比較をまとめてみるって…今度、ノート借りるんだ、」

同じ夢に懸ける友達が出来る、その予兆に笑顔が明るい。
こんなふうに周太が本来の夢に戻ってくれたらいい、そんな願い微笑んだ英二に穏やかな声が告げた。

「あのね、英二。俺、想いだしたんだ…朝のブナ林を散歩していた時、俺の夢のこと、」

―記憶が戻った?

周太の言葉に、期待が起きあがる。
14年前の周太が大切にしていた夢、その記憶を周太は取り戻したのだろうか?
あの春の夜、通夜の晩に忘れさせられた周太の夢の記憶。それを自力で周太は取り戻した?

「どんな夢?」

期待と不安、ふたつながら見つめて訊いてみる。
どうか正しく想いだしていてほしい、そんな願いの向こうで周太は幸せに微笑んだ。

「俺ね、樹医になりたかったんだ…お父さんと、お母さんと、新聞で樹医のこと読んだときに決めたんだ…樹医になろうって。
いつも俺、大きな木を見ると触るでしょ?あれをすると俺ね、いつも元気でるんだ…だから木に恩返ししたいって想ったんだ。
木が元気に生きるお手伝いが、樹医なら出来るでしょ?そうして俺が手伝った木が、他の誰かを元気にしてくれるかもしれない、」

馨の日記に記された、周太の夢。
ブルーブラックの筆跡に記された通りに周太は、夢の記憶を取り戻せた。

―良かった、

心から嬉しい、馨の祈りが叶えられる可能性が温かい。
この明るい兆しが嬉しくて、英二は綺麗に笑いかけた。

「周太らしい、良い夢だな。じゃあ周太は今、その夢を叶える為の努力が出来てるんだ、」
「そうかな?…英二、そう想う?」

黒目がちの瞳が真直ぐ見つめて、意見を訊いてくれる。
明るく真摯な眼差しに周太の夢へ想いが見える、この夢に周太が生きる日を信じたい。
そんな祈り深く見つめながら英二は、綺麗な笑顔で婚約者に約束をした。

「そう想うよ。周太は今、植物学の勉強をしているだろ?大学で樹医の先生の講義も受けて、自分でも本を読んだりして。
いつも大学のこと話す時とか、本を読んでいる時の周太って幸せそうでさ。きっと周太の向いている道なんだろうって俺は思うよ?
お父さんのことが終ったら、周太は大学院に入ったら良いって俺は考えてる。学費とか俺が出すから、周太、考えてみたらどうかな?」

周太には学者になってほしい。
それは周太の父も母も、祖父の晉も、祖母の斗貴子も願うことだろう。
英二の祖母も同じように願うだろう、そして英二自身も心からそう願っている。

―この願いを叶えてほしい、今だからこそ夢を見てほしいんだ

もうじき周太は第七機動隊の銃器レンジャーに異動する、そんな今だからこそ夢を見てほしい。
これから始まる狙撃手としての世界は「死線」、当然のよう周太には辛い瞬間が多くなっていく。
そういう時こそ夢への希望は強靭な支えになる、だから今この約束を贈りたい。
その想いに英二は婚約者へと、約束で綺麗に笑った。

「周太、周太が警察を辞めたら、入籍しよう?俺の名字になってから大学院に行ってよ、俺の嫁さんとして夢を叶えてほしいんだ、」

言葉に、黒目がちの瞳が大きくなる。
いつか結婚する約束のために婚約をした、けれど結婚の時期をきちんと話すのは初めてになる。

―この今だからこそ、将来の約束をしたい

この「今」が過ぎれば周太は死線へ向かう、そして英二自身もより高難度の山に行くだろう。
ふたりとも危険な場所へと立ち続ける日々が始まる、だからこそ約束で互いを支えたい。

「周太、約束して?辞職したらすぐ、俺の嫁さんになって下さい。そして大学院に入って樹医になってください、」

この約束に頷いてほしい、素直に約束して笑ってほしい。
その願いに見つめた黒目がちの瞳は、ゆっくり1つ瞬いて幸せに微笑んだ。

「はい、…約束するね?」
「ありがとう、周太、」

約束の承諾に笑った唇に、英二はキスをした。
心からの想いと祈りをこめたキス、この唇を記憶に真直ぐ刻みたい。

―どうか願いを叶えて、夢を叶えて

祈りを唇に残し合って、そっと離れて見つめ合う。
やさしい木洩陽ふる光のなか、なめらかな素肌の貌は輪郭があわい。
綺麗な笑顔で見つめてくれる恋人が愛しい、愛しくて笑いかけた先で黒目がちの瞳が羞んだ。

「ありがとう、英二…いますごくうれしい、」
「周太が嬉しいなら、俺もすごく嬉しいよ?」

嬉しくて笑いかけた先、幸せに周太が笑ってくれる。
ゆるやかな風の涼しい木蔭、周太はオレンジのペットボトルを傾けて、ひとくち飲みこむと微笑んだ。

「ん…おいし。冷たいものが今日はおいしいね、」
「うん、今日はすこし蒸し暑いからな、」

ワイシャツの袖を捲り直しながら、恋人に笑いかける。
その視線に、ブルーの半袖シャツから伸びた腕の、赤い花のような痣が映りこんだ。
いつも英二がキスで刻んでしまう痣、こうして消えないでいることが嬉しくて切なくなる。
けれど恥ずかしがりの周太が露わにしているのは意外で、その想い素直に英二は笑いかけた。

「周太、その痣を出してくれるんだ?恥ずかしがらないの?」
「ん…ちょっとはずかしいけど、でもいいんだ、」

答えてくれる首筋にゆるやかな紅潮が染めあがる。
まぶしい肌の変貌へと見惚れてしまう、その隣で黒目がちの瞳が微笑んだ。

「だってこの痣、俺が英二のだってしるしなんでしょ?…いつもみえるとなんか安心だし」

そんなこと言ってくれるの?
そんなふうに言われたら嬉しくて、嬉しいまま英二は肩を近寄せた。

「周太、」

名前を呼んで、こちら見上げてくれる瞳と見つめ合う。
その視線を絡めたままで、そっと唇を重ねた。

―好きだ、

心想う本音に、オレンジの香ふれていく。
ふれあう唇の温もり、やわらかな感触、かすかな吐息のあまい香。
このどれもを記憶したい、この次に逢える時まで忘れないように全て憶えていたい。

「周太のキス、甘いな」

笑って離れた唇に、もういちどキスふれて抱きしめる。
いつもなら真昼のこの場所で、こんなことはしない。けれど今は許してほしい。
この今のベンチの時間が終わったら、次いつ逢えるのか解らないまま自分は海の向こうへ行く。
そうして帰ってきたらすぐに周太は異動する、その先はまだ、何も予定が出来ない。

―逢える約束なんか今、何も出来ない。だから将来の約束をしたかった

心つぶやく現実が、痛い。
この傷みに耐えられなくて自分は、初任総合の時に何度も泣いた。
あのときと同じよう今だって本当は、心のなかでは泣き叫んでいるのに?
それでも泣かないと自分はもう決めている、その覚悟のまま英二は最愛の恋人に笑いかけた。

「周太、こんどは周太からキスして?」

ほら、心の本音がこんなふう零れだす。
言うこと聴いてほしいな?そう見つめた想いの真中で、黒目がちの瞳が真直ぐ見つめてくれる。
その長い睫がゆっくり1つ瞬いて、周太は綺麗に笑ってくれた。

「ん…あのね、英二が無事に帰ってくるって約束してくれるならきすしてあげます…マッターホルンからもアイガーからも、ね?」

きれいな笑顔の言葉に、想いが見えて心引っ叩かれる。
今回の海外遠征訓練は英二にとって、初めての標高4,000m超えた世界への登攀になる。
この高度にも、初の海外登山である事にも、英二以上に周太の方が心配しているだろう。

―待たされる方が、きっと

待たされる方が、心は煩悶する。
そのことを英二も先週末、周太のフィールドワーク山行のとき初めて知った。
あの想いの何倍も周太の方が不安で当たり前、丹沢山と自分が登る北壁では条件が違い過ぎるのだから。
いま改めて気づかされる周太の想いに申し訳なくて、少しでも不安を除いてあげたくて英二は綺麗に笑った。

「うん、絶対の約束だよ、周太?どんな時でも、どんな場所からも俺は必ず周太の隣に帰る。約束する、だからキスして?」

必ず周太の隣に帰ると、この約束を幾度ふたり交わしてきただろう?
この約束を生涯ずっと交わし続けたい、もっと何十年もふたり見つめ合って約束したい。
その想いに瞳の奥が熱くなる、この願いが自分たちには本当は、難しい現実があると解かっているから。

―それでも約束したい、俺は

今、自分の鞄にはいつものように、救命救急用具のケースが入っている。
そこに納められている金属たちが現実の重さを知らす、この現実に自分は罪も犯すだろう。
そう解っている、それでも自分は全て呑みこんで尚、この恋人に約束を結びたい。

「周太、絶対の約束のキスして?」

この恋人に幸せの全て見つめて、笑いかける。
その笑顔の先で黒目がちの瞳は温かに微笑んで、そっと唇キスふれた。
ふれる温もりと香と感触、この全てが幸せで護りたくて、自分は何をしても惜しくは無い。

この自分の胸には、馨の合鍵が温められている。
この自分の鞄のなかには医療器に紛れ、晉の拳銃が隠されている。
周太の父と祖父、その2人の祈りと罪すら自分が抱いて、唯ひとりを護りたい。
そのために自分は無謀と言われても、北壁を続けて2つ踏破する。そうして実績と名声を得て護る力を手に入れたい。
そのためなら何だって出来る、唯ひとりのアンザイレンパートナーを巻き込んですら自分は後悔もしていない。

―愛してる、ずっと一緒に居たいんだ…

唯ひとつの想い全てを今、ふれるキスに見つめて記憶に刻む。
この想いと祈りを叶える為に今は離れる、そう納得を自分に言い聞かせながらキスが離れていく。
本当はこのまま抱きしめて攫ってしまいたい、けれど逃げれば本物の穏かな日々には辿り着けないと知っている。
だから今は離れて、必ず約束を果たしたい。いま再び覚悟を想いながら、英二は黒目がちの瞳に幸せを見つめ微笑んだ。

「周太、必ず俺は、周太の隣に帰ってくるよ?」

必ず自分は帰ってくる、幸せは、君の隣でしか見つからないのだから。



午後16時50分、心肺運動負荷試験の結果を英二は告げられた。
結果は「優良」、これで高地における身体の適性検査は、全てクリアとなる。
この結果を以て英二の、国村とアンザイレンパートナーを組む適性が身体面でも証明された。

この証明の向こうにあるのは8,000m峰14座登頂の挑戦権と、恋人を攫う「50年の束縛」を絶ち切る可能性。







(to be continued)

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早朝日記:秋、山彩

2012-11-05 09:18:08 | 雑談
彩変、時うつろう瞬間



おはようございます、曇りの寒い神奈川です。

昨夜は一本UPの予定が、オチました…想定外なことに。
もし楽しみに閲覧くださった方、いらしたら申し訳ありませんでした。
さっき第58話「双壁1」加筆校正が終わった所です、当初の1.5倍くらいになっています。
この続篇を出来れば昼休みでも草稿UPする予定です。

写真は昨日の三頭山にて。
ぶどうの蔓かな?って雰囲気です。実は解からんかったのですが、葉の色彩に惹かれます。
あわい金いろの清雅、黄緑に赤紫さした襲ね色やさしい、秋の光に透ける色彩たち。

秋の光も色も、どこか切ない。





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