オペラ歌手:フィオレンツァ・コッソット
2007年8月18日(土)
今年だったと思うが、NHKのTV番組に、フィオレンツァ・コッソットが出たので、びなっくりした。
(注) びなっくり:「びっくり」と「なつかしい」とを併せた私の造語。
コッソットは、イタリアのオペラ歌手(メゾ・ソプラノ)で、1935年4月生まれだから72歳になんなんとする。
私が彼女を知ったのは、1971年のイタリアオペラの来日公演だ。といっても、NHKのFM放送で聞いたのだが。4トラックのオープンリールテープに録音し、ベルリーニの「ノルマ」を何度も聞いた。
一緒に来たプリマドンナのエレナ・スリオティスは、あまりに調子が良くなかった。
一方、コッソット(当時36歳)の方は、その艶やかでハリがあり、ビンビンと響く声で、プリマを圧倒していた。
それまで、オペラなどというものには、縁もなく、興味もなかったが、彼女の美声を通して、初めてオペラというものに関心を抱きだした。
こっそっと言う。いわば、フィオレンツァの声に恋をしたのだ。
その後、数多の女性歌手の声を聞いたが、今にいたるも、彼女の声ほど魅せられたものはない。
初恋の人が一番よかったというようなものか。
その彼女も、さすがに、加齢による衰えは隠せなかった。先のNHKの番組では、往時の美声を知る者にとっては、気の毒な感じさえした。
しかし、私は、彼女の現在の声に、36年前に聞いた時には感じることのなかった、愛おしさを感じた。
コッソットの美声を初めて聞いたのは、1971年9月のことでした。
人生時計「12時53分頃」 チン