団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

特牛

2008-06-02 17:56:46 | 
                    特牛

                          2008年6月2日(月)作成

 「特牛」を「こっとい」と読む。特牛港近くの宿の従業員の話しでは、日本で2番目に読みにくい地名ということだ。(山口県下関市の北部にあります。)

 特牛港の雑貨屋で、悲しくも温かい話を聞いた。

 この特牛港に、イカ釣り漁船が停泊しており、そのデッキに燕が巣を作った。
 燕は卵を産み、温めていた。船長さんは、その燕のため、漁を3時間で終えて寄港していた。(普通であれば、出港から寄港まで8時間はかかるのではないでしょうか。)

 数日後、カラスが卵を落とし、雛になるであろう命は絶たれた。

 雑貨屋の主人の話によると、この船長さんは、巣があるおかげで漁ができず困っていたという。結果的には、解決したわけだが、きっと悲しんだのではなかろうか。

 そういった話をしている最中に、この雑貨屋にツガイの燕が巣を作らんと活発に飛び回っていた。主人は、店を閉めれば入るところがないから巣は作らないと言っていたが、作ってしまったら、小さな入口を開けておくのではなかろうか。
 そういう人情を感じさせる特牛の人たちだ。

 冒頭の特牛の読み方であるが、先の従業員の話では、宿泊客はしばらくすると、どうしても「とっこい」と言ってしまうんだそうだ。
 私も妻も、つい「とっこい」と言ってしまった。
 
 おっと「どっこい」、「とっこい」ではなく「こっとい」だ。

(写真)黄昏時、特牛港のイカ釣り漁船。2008年5月31日撮影しました。
コメント
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