軽自動車市場とアクア
2011年9月29日(木)
軽自動車市場が今、熱いんです。
全自動車市場に占める販売割合は、直近(7及び8月)では、約35%の構成比になっていますが、近いうちに5割になると予想する人もいます。
徐々に軽にシフトする訳ですから、各メーカー共力を入れざるを得ません。
1 トヨタ自動車の販売参加
ダイハツからのOEM供給で、年間6万台ということになっていますが、全国5500ディーラーで扱う威力は絶大で、他メーカーは戦々恐々でしょう。トヨタブランドが付くだけで売れ行きが良くなりますから。
2 ダイハツイースの発売
燃費30㎞/ℓ(JC08モード)を達成したイースが発売されました。これまで最も良かったのに比べて約2割のアップです。
イースは実質ミラの後継ですから、あまり人気のあるボディタイプではありません。他メーカーにとってほんとに怖いのは、ムーヴといったワゴン系に展開されることです。ダイハツは1~2年かけて、この燃費技術を他車種にも展開するでしょうから、シェア構成が大きく変わる可能性があります。
3 ホンダの逆襲
日本における軽自動車の販売台数の割合を4割にする方針を出しました。そのため来年3車種新型(モデルチェンジを含む。)を出すということです。
このところ、ホンダは軽市場では、押されていましたが、元々潜在的ポテンシャルの大きいメーカーですので本気を出すと、怖い存在になります。軽のフィットのような車が出るとヒットするのではないでしょうか。
4 日産・三菱
日産は、スズキと三菱からのOEM供給に頼っていましたが、三菱と合弁生産をすることにより、やっと自前の車を出すことができるようになります。2013年にはその第1号が出る予定です。今日産はグローバル展開では絶好調です。この勢いを軽市場にも持ち込みたいところでしょう。
三菱は、日産と組むことにより、投資の分散とスケールメリットによるコスト削減を得ることができます。この合弁事業を三菱再生の切り札にしたいところでしょう。
5 スズキ
スズキは、かつて軽No1でしたが、ダイハツにその座を奪われました。しかし、他メーカーへのOEM供給台数を含めると、生産台数ではNo1の地位にあり、スケールメリットを一番享受しているメーカーです。
VWとの提携失敗により、この間もたもたしていた感がありますが、VWとの関係を精算すれば、鈴木会長の基、意思決定の素早い企業ですから、何が飛び出すか分からない魅力があります。
6 スバル
率直に言って、この会社には軽の未来はありません。ダイハツからのOEM供給に切り替えてからも売れ行きは絶不調です。挽回のためには、ダイハツから売れ筋の車(ムーヴ、タント)をOEM供給してもらえば良いのですが、ダイハツのディーラー対策として、それも中々難しいでしょう。
そのような中、トヨタのビッツ級ハイブリッドの概要が分かりました。昨日のネット情報ですが、名称は「アクア」、燃費はJC08モードで40㎞/ℓ弱、プライスは170万円前後と報道されました。
この車については、自動車雑誌などで1年以上前からいろいろと予想されていました。
燃費については、40㎞/ℓを目指して開発していたということですから、僅かに達成できなかったということになります。39~39.5㎞/ℓの間でしょうか。
プライスについて170万円というのは売れ筋グレードかもしれません。私は、廉価モデルでは150万円を切ると予想しています。
トヨタはこの車を造るために、専用の工場を岩手県に建てました。これまでの直線のラインをU字形にし、生産効率を上げコスト削減ができる工場ということです。トヨタはこのアクアをプリウス以上販売したい意向のようで、一部報道によれば、月4万台!とか・・。
私は、いつかの時点で、ダイハツとスバルにOEM供給するのではないかと予想しています。ダイハツから軽のOEM供給を受ける見返りと、スバルへもOEM供給し、大量生産によるコストダウンを狙うためです。(このアクアはプリウス以上に街に溢れかえることになるでしょう。他社へOEM供給して、少々違ったボディスタイルにしたモデルがあった方が良いです。)
先の予想のように、軽自動車の販売シェアが約5割になると、トヨタのシェアは低下することになります。
今後、トヨタは軽自動車の販売台数を伸ばさざるを得ません。(ディーラーが食べていけませんので。)
当初の6万台を10万台→15万台と伸ばす可能性は大いにあります。
かつて、ニッサンが軽に進出した時シェア5%と言っていましたが、今では約1割です。
これからのトヨタの戦略としては、グループ上げて、軽自動車市場を含めて5割のシェア確保でしょう。(現在は約4割台)
2011年9月29日(木)
軽自動車市場が今、熱いんです。
全自動車市場に占める販売割合は、直近(7及び8月)では、約35%の構成比になっていますが、近いうちに5割になると予想する人もいます。
徐々に軽にシフトする訳ですから、各メーカー共力を入れざるを得ません。
1 トヨタ自動車の販売参加
ダイハツからのOEM供給で、年間6万台ということになっていますが、全国5500ディーラーで扱う威力は絶大で、他メーカーは戦々恐々でしょう。トヨタブランドが付くだけで売れ行きが良くなりますから。
2 ダイハツイースの発売
燃費30㎞/ℓ(JC08モード)を達成したイースが発売されました。これまで最も良かったのに比べて約2割のアップです。
イースは実質ミラの後継ですから、あまり人気のあるボディタイプではありません。他メーカーにとってほんとに怖いのは、ムーヴといったワゴン系に展開されることです。ダイハツは1~2年かけて、この燃費技術を他車種にも展開するでしょうから、シェア構成が大きく変わる可能性があります。
3 ホンダの逆襲
日本における軽自動車の販売台数の割合を4割にする方針を出しました。そのため来年3車種新型(モデルチェンジを含む。)を出すということです。
このところ、ホンダは軽市場では、押されていましたが、元々潜在的ポテンシャルの大きいメーカーですので本気を出すと、怖い存在になります。軽のフィットのような車が出るとヒットするのではないでしょうか。
4 日産・三菱
日産は、スズキと三菱からのOEM供給に頼っていましたが、三菱と合弁生産をすることにより、やっと自前の車を出すことができるようになります。2013年にはその第1号が出る予定です。今日産はグローバル展開では絶好調です。この勢いを軽市場にも持ち込みたいところでしょう。
三菱は、日産と組むことにより、投資の分散とスケールメリットによるコスト削減を得ることができます。この合弁事業を三菱再生の切り札にしたいところでしょう。
5 スズキ
スズキは、かつて軽No1でしたが、ダイハツにその座を奪われました。しかし、他メーカーへのOEM供給台数を含めると、生産台数ではNo1の地位にあり、スケールメリットを一番享受しているメーカーです。
VWとの提携失敗により、この間もたもたしていた感がありますが、VWとの関係を精算すれば、鈴木会長の基、意思決定の素早い企業ですから、何が飛び出すか分からない魅力があります。
6 スバル
率直に言って、この会社には軽の未来はありません。ダイハツからのOEM供給に切り替えてからも売れ行きは絶不調です。挽回のためには、ダイハツから売れ筋の車(ムーヴ、タント)をOEM供給してもらえば良いのですが、ダイハツのディーラー対策として、それも中々難しいでしょう。
そのような中、トヨタのビッツ級ハイブリッドの概要が分かりました。昨日のネット情報ですが、名称は「アクア」、燃費はJC08モードで40㎞/ℓ弱、プライスは170万円前後と報道されました。
この車については、自動車雑誌などで1年以上前からいろいろと予想されていました。
燃費については、40㎞/ℓを目指して開発していたということですから、僅かに達成できなかったということになります。39~39.5㎞/ℓの間でしょうか。
プライスについて170万円というのは売れ筋グレードかもしれません。私は、廉価モデルでは150万円を切ると予想しています。
トヨタはこの車を造るために、専用の工場を岩手県に建てました。これまでの直線のラインをU字形にし、生産効率を上げコスト削減ができる工場ということです。トヨタはこのアクアをプリウス以上販売したい意向のようで、一部報道によれば、月4万台!とか・・。
私は、いつかの時点で、ダイハツとスバルにOEM供給するのではないかと予想しています。ダイハツから軽のOEM供給を受ける見返りと、スバルへもOEM供給し、大量生産によるコストダウンを狙うためです。(このアクアはプリウス以上に街に溢れかえることになるでしょう。他社へOEM供給して、少々違ったボディスタイルにしたモデルがあった方が良いです。)
先の予想のように、軽自動車の販売シェアが約5割になると、トヨタのシェアは低下することになります。
今後、トヨタは軽自動車の販売台数を伸ばさざるを得ません。(ディーラーが食べていけませんので。)
当初の6万台を10万台→15万台と伸ばす可能性は大いにあります。
かつて、ニッサンが軽に進出した時シェア5%と言っていましたが、今では約1割です。
これからのトヨタの戦略としては、グループ上げて、軽自動車市場を含めて5割のシェア確保でしょう。(現在は約4割台)