水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

貯金

2010年05月09日 | 日々のあれこれ
 1年生もふくめて「ハンティンドン」の合奏をしてみる。
 先輩達は、さすがにそれなりに吹けるようだが、午後の課題曲になると、てきめんに吹けなくなる。
 課題曲というのは、ほんとに難しい。
 並行して、Perc、Sax、Hrのレッスン。
 昇降口のゴミ分別と学年だより。

~ 今しかできないことをやりたい、今の自分に正直に生きたい、今を楽しみたい … 。
 かっこいいいよね、こういうセリフって。
 なんか自分のやっていることにポリシーをもっているようで。
 ただ、実際にこういうセリフを発している若者を思い浮かべたとき、「この子たちは、たんに好き勝手してるだけなんじゃないのか?」と疑問を抱くことも、大人としてはある。
 人生は何が起きるかわからない。今日を一日無事過ごせたからといって、明日もそうなるとはかぎらない。予想もしなかった災厄にまきこまれる危険は誰にもある。
 だから、明日のことなど考えず、今を精一杯生きるべきだという考え方は一理はある。
 しかし、だからといって、何も考えずに目の前の楽しいことに没頭する姿勢というのは、人として未熟だと言わざるを得ない。
 人生は何がおきるかわからない(虎になることさえあるのだから)とはいえ、平均的に考えたなら、みんなは今後数十年の時間を持っている。
 今は茫漠として何が何やら想像もつかない未来が、突然その形を表してくるかもしれない。
 そのときになってはじめて、やり方を身につけようとするのは、効率が非常に悪い。
 やりたいことを無理に見つける必要はない。
 みんながやるべきことは、向こうからやってくる。
 それがやるべきことかどうかを判断するための基礎体力が、まだみんなには足りない。
 なんか抽象的になってしまったが、未来の自分のためにとにかく今は蓄積だ。  …

と書いてて、今もまだ自分は貯金し続けてるなと思う。
 コンサートに行き、いつかこんな曲が演奏してみたいと思ってみたり、映画を観て、こんなセリフを書いてみたいと思ったり、本を読んで、これ明日の授業で昔から知ってたことのように話してみようと思ったり。
 そのこと自体が楽しいから、自然と貯金になっているのかもしれない(と信じたい)。
 
 
コメント
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