水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

つかむ

2010年06月13日 | 日々のあれこれ
 昨日のレッスンでおちこんでいた3年生のひとりが、今日の合奏でいい音を出していた。
 つかんだのだろうか。
 そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
 自覚があるかどうかわからないが、いい音だった。
 自分でこれかなと気づいたとき、それをくりかえせるように、自分のものにできるようにするのが練習というものなのだろう。
 午前中、指揮法のレッスンの際に、ちょっとつかんだと思える瞬間があった。
 「pのとき小さくする」という開眼だ。
 何をそれ? と思われた方もいるであろう。
 そんなのレッスン受けなくてもみんな知っいるでしょ、というように。
 そうなのである。でもなぜか腑に落ちた瞬間があった。
 その昔、出口汪先生の『入試評論文超読解法』を読んでて、「現代文とは現代を論じた文章である」という一行に、目からうろこが28枚落ちたときの感覚に似ていた。
 その一瞬のつかみがあっただけで、はるばる幸手高校にでかけたかいがあった。
 つかむときというのは、一瞬だ。
 練習してて、なんかうまくいかないなあというもどかしい思いがあって、それでレッスンの先生にみてもらったとき、「これか!」というのがあると、そのあと変われる。
 昨日おちこんで相談にきた3年生も、その落ち込みがあるなら、きっとつかめる。
 レッスンというのは30分何千円とかの単位でとりあえずおこなわれるけれど、つかむのは一瞬だから、60分5000円も、3分5万円も、じつはそんなにちがわないのだ。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする