水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

ハロー!純一

2014年02月23日 | 演奏会・映画など

 練習はお休み。7時に登校し、ソフトボール審判講習会で使用する小講堂の準備、そして本校OBが中心になっているバンドに打楽器の貸し出しをする。
 ふじみ野のプロントでモーニングセットを摂る。ハムチーズトースト、サラダ、ゆで卵、コーヒーで430円は名古屋級に充実している。そしてイオン大井で「ハロー!純一」を鑑賞。

 主人公は、小学校3年生の純一くんで、身の回りに起こるちょっとした事件や、はたから見れば取るに足りない、しかし本人にとってが大きな出来事を経験して成長していく一人の小学生を描いた作品だ。
 小学校3年生の自分がどんなだったかなんて、さすがに覚えていない。
 仲良しグループの女子が不良にからまれているのに何もできない自分、好きな子に告白どころかまともに声もかけられない自分、それに比べて他の友達が自分よりも度胸があり、堂々としてて、運動も勉強も人付き合いもうまくやっているように見えて、自己嫌悪に陥る。
 小3でもこんなふうに悩んだのかな。
 きっと思春期になればもっと本格的に自分て何? と思うようになり、大人になったらなったで、「友が皆 我より偉く 見ゆる日よ」と嘆く日がくるのだ。
 そう思うと、小3の純一の悩みが他人事(ひとごと)と思えず、せつなくなってきた。
 事件の一つは、純一のクラスの教育実習生が来たこと、それが満島ひかりだったことだ。
 キャバのおねえさん風のメイク、髪型にミニスカで教室に登場するアンナ先生(満島ひかり)。
 自己紹介の後、「さっそく一時間目お願いします」と言われて担任が教室を出て行くと、ふわーっとあくびをして、自習でいい? とはすっぱな口調で言う。 
 先生、算数やらなくていいんですか? とまじめな女子に問われると、「あたし、ゆうべ夜中ドライブしてて、ちょーおそかったんだよね、だいたいさ、こっちに車出せってどういうことよ … 」と語り始める。
 このキャラ設定を満島ひかり様が演じるなら、ほかは全部だめでも、作品が魅力的になるのは間違いないではないか。
 体育館の裏で、教育実習ってやっぱかったるいわ、という風情でタバコを吸う姿。
 自分の車に落書きした男をみつけて容赦なくひっぱたく姿。萌えぇ。一度でいいからひっぱたかれたい。
 それでいて、クラスのこどもたちの面倒をいろいろ見てくれる好青年の前ではちょっとおしとやかな感じで話し、それが装いであることを観客に意識させる、そのさせかたのバランスが絶妙だ。
 女優さんとしてのキャパシティーは、ひょっとしたらだんなさんはじめ、どの監督さんもまだまだ出し切ってないのではないかと思えるぐらい上手だ。
 ストーリーはお約束的といってしまえば、その通りなのだが、彼女をはじめ力のある役者さんたちに支えられ、子役のみんながいきいきとしてて、愛おしい作品に仕上がっていた。
 生田斗真くんが素っ裸になった話で番宣しまくって、おそらくそれなりにお客さんも入る作品に比べたら、あまりにも公開規模が少なくてかわいそうだけど、こういう作品こそ、もっと大事にされたらいいのにと思う。

コメント
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