水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

3月6日

2014年03月06日 | 学年だよりなど

  学年だより「基礎」

 「学力」とは何か。実は、この言葉の定義は確立していない。来年、教育系学部に進んだり、大学で教育学系の講義をとったりすればわかるのだが、教育に関する言葉ほど、定義があいまいなまま用いられている学問分野はない。
 「基礎学力」という言葉も同様だ。
 基礎が大切だと多くの人が言うし、みんなも「基礎」をしっかり身につけたい、その上で応用力をつけたい、などと思ったり言ったりしたこともあるだろう。
 じゃ、「基礎学力」って何? その定義は?
 「学力」そのものの定義がはっきりしないから、何を目標にするかによって「基礎」の中身は変わってくると考えればよいだろう。
 みなさんの意識には、そろそろ志望大学合格に向けての力を本気でつけていきたいという気持ちがわいていることと思う。
 そのためには「基礎」を固めなければならない。
 今のみんなに必要な「基礎」とは何か。
 どうなっている状態を、「基礎が身についている」とよんでいいか。
 それを、今ここで定義してさしあげよう。
 それは、定期試験で80点とれる状態のことだ。
 もちろん、全ての科目においてである。
 これまでの試験で、ほぼ全ての科目で80点とれていると言える人は、数人しかいない。
 つまり、2年生のほとんどは、基礎が身についていないということになる。
 その状態のまま、新しいことをどんどん学んできたのだから、たとえば模擬試験の偏差値が少しずつ下がっていくのは、当然だ。
 自分の成績をなんとかしたい、このままではヤバいと考えた先輩達がおかした過ちの代表的な例は、あわてて塾・予備校に通うことであった。
 大学入試に必要な学力が、学んだ場所によって変わるということはない。
 現役生も浪人生も、埼玉で学んだ高校生も、北海道で学んだ高校生も、受ける試験問題は同じだ。
 われわれの教え方が極端に悪く、予備校の先生に習いさえすれば身につくと主張するなら、決してとめはしないが、そこに原因を求めている時点で、問題把握の仕方を誤っている可能性は否めないだろう。
 80点とれるかどうかは、試験範囲の内容を理解したか、理解した内容を定着させる努力をしたか、定着させる方法を知っているか、毎日机に向かう習慣があるか、やるべきことをやろうとする気持ちがあるか … など様々な要因の組み合わせで決まってくる。
 だから、口で言うのは簡単だが、誰もが簡単にたどりつけるレベルというわけでもない。
 でも、大学を目指す者にとって(少なくともみんなが希望しているような大学の場合)、あくまでも基礎とよぶべきレベルが80点だ。
 それは、大学で学問にふれるための基礎レベルの勉強という意味でもある。
 それは、頭がいいとか悪いとかは全く関係なく、技術と気持ちとで到達できるものだ。

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