午前中は、まず中島先生が指揮する3部の曲の合奏。
さらに、夜のバンドレッスンにそなえて「ラッキードラゴン」の合奏。
平行してフルートのレッスン。
昼食をはさんで、二部の役者はステージで練習、バンドは小講堂で合奏。
ダンスのレッスンの後、個人練や、製作作業など。
夕飯(豚ショウガ焼き、ポテトサラダ、春巻き、もやし中華和え)を摂って、バンドレッスン。
曲に対する姿勢の点で厳しいお言葉とご指導をいただき、反省しながら一日を終えた。
あいまに、プリント「進路」に載せる原稿を書く。
「転機」
「○○さんの、人生の転機はいつだったんでしょう?」
功成り名を遂げた著名人に、インタビュアーが尋ねる。
「今、思うと、あの日の、あの出来事が … 」
そうして語られるエピソードは、決して大事件ではない。
ちょっとした一言を耳にしたことであったり、たまたま見かけたショーウインドウの中の服だったり、道でものを拾ったり、立ち食いそばがおいしかったり、夕日がきれいであったり … 。
それをきっかけに、何かを思い、ちょっとしたことをはじめる。
その瞬間に「人生の転機」などという自覚はもちろんない。
何十年か経ってはじめて、そう言えばあの時、あの言葉をきかなかったら … と思い返すことができる。人生とはそんなものだ。
今年の成人式の日、サントリーの広告として新聞掲載された、伊集院静氏の文章を紹介したい。
~ カレンダーの日付がかわるように人はかわらない。
それでも雪の下にフキノトウのように、オタマジャクシがカエルになるように、生きるということは、或る日、雲が切れて陽光が微笑むようにかわる。
だがそんなまぶしい時は待っていてもやってこない。
雪がとけたら葉を伸ばすぞ、いつか水から飛んでみせるぞ、という心の持ちようが変えてくれる。
こころの持ちようとは、覚悟だ、決心だ。
そこで提案だ。今日を境に何かひとつ決心し、それを胸の中に刻んで歩きはじめてみないか。何だっていい。やると決めるんだ。
君には夢があるだろう。それにむかって進むのもいい。
まだなければ夢に探す機会にすればいい。その決心に言っておきたいことがある。その夢は自分だけがしあわせになろうとしていないか。
お金を得ることにこだわってないか。そういうものは卑しいんんだ。覚悟とは、品性の上にあるんだ。苦しい時、辛い時に、その覚悟と、誰かのために生きようとしたことが救ってくれる。
生きるということは必ず、苦いものと悲しいものをともなう。それが人生だ。 (伊集院静「君の春に乾杯」) ~
「成人の日」とか、誕生日とか、何々記念日とかでなくていい。
決心したその日、小さくてもいいから一歩踏み出したその日が、何年、何十年も経ってから、人生の転機であったことに気づくのだ。(プリント「進路」)