学年だより「将来とは(2)」
「努力すれば夢はかなう」という言葉が、真実を含むものであることは間違いない。
ただし、言葉通りの結果が得られるかどうかは、「夢」の中身と「努力」の仕方による。
かりに今みなさんが目標を立てて努力したとしても、世界陸上や、ワールドカップバレーに出場できる可能性のある人はきわめて少ない。
毎日1時間のトレーニングを今後5年課したところで、実現可能性はゼロに近いだろう。
かりに「明日・明後日の文化祭で彼女をつくる」を目標とするなら、二日間あたってくだけろ精神で過ごしさえすれば未来が開ける可能性は十分ある。
半年後に腹筋が割れていたいと思うなら、毎日1時間のトレーニングでもおつりはくる。
堀北真希さんのような女優さんとつきあいたいと願うなら、二日間がんばったぐらいでは、どうにもならない。
漠然としたものであれ、目標が設定されれば、やるべきことは形を帯びてくる。
行動に迷うときというのは、目標が決まっていない場合か、決まっているはずの目標への思いが不足している場合だ。
現時点の仮のものでいいから、まず目標を決めてしまおう。
~ 自分の人生目標を目指すことが行動原理になっている人は、人生のプライオリティがはっきりしています。すべての行動が目標に合致し、ゴールに向かって最短距離を歩こうとするからです。このような人は、いろいろな分岐点にさしかかっても迷うことはありません。どちらに進んだらよりゴールに近づけるか、その視点で物事を考えるからです。
目指すべきゴールがない人は右に進むか左に進むかでさんざん迷います。その日その日をなんとなく過ごすことになります。 ~
来年、再来年こうなっていたいという自分の姿をあえて想定してみよう。
その自分に向かって行動し始めた瞬間、ひとは「頭のいい人」に変わる。
~ 本書の理念にもとづいて考えると「頭のよしあしはうまれつきのDNAとは無関係」ということになります。つまり人生に目標を持ったとき、人は生まれ変わる 目標に向かってスタートを切ったとき、その瞬間からあなたは突然「頭のいい人」に生まれ変われるのです。
今までどんな生き方をして来ようと、学校の成績がよくなかろうと、一瞬で頭がよくなれるのです。もし自分はバカだと嘆いていたとしても、それは「仮の姿」に過ぎません。自分が将来、美しく羽ばたくアゲハ蝶になることを知らない蛹(さなぎ)のようなものかもしれません。 (藤沢晃治『頭の悪い人』三笠書房) ~
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「頭のいい人」は、そこに元々いるのではなく、自分の意志でなるものなのだ。