水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

母と暮らせば

2015年12月13日 | 演奏会・映画など

 

 ちゃぶ台の上に遺影を置き、陰膳を備える母(吉永さゆり)。
 人の気配を感じて振り返ると、そこには亡くなった息子(二宮くん)が座っている。
 「あきらめの悪かとね、かあさんは」とほほえみかけるニノのセリフを聴いた瞬間に涙があふれだす … 、という経験を、何回かしてきた。つまり予告編の十数秒で瞬殺され続けてきたのだ。
 これを二時間見たらどうなるのだろう。しかも生き別れの許嫁(いいなづけ)役は黒木華さんだし。
 タオルもってこうかな。
 合同練習を終えて一息つこうかと思ったが、今日からだったと思い立って、昨日のレイトショーで観た。
 楽しく泣いて帰ることはできなかった。
 こんなに、登場人物の誰もが幸せになれない作品てあるだろうか。
 原爆で一瞬で命を奪われた多くの人たちがいる。そして、自分が生き残ったことを後悔したり、生き残った人に嫉妬心を抱いてしまったりする人が、その何倍もいる。
 自分の大事な人がなぜ死んで、そうでないあの人がなぜ生きているのか。
 人間がつくりあげた原爆のしわざだから、むしろ天災による災難よりも、そんな思いを抱いてしまうことがよくわかった。
 かんたんにいい映画だったとか、泣きましたとか言えない。
 AKBさんの歌も、きよしこの夜も知らなくていいけど、日本は昔原爆落とされたんだよという話は、伝えていかないといけない。「人間のやることや、なか」と。

コメント
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