三段落
10 策 之 不 以 其 道。
11 食 之 不 能 尽 其 材。
12 鳴 之 而 不 能 通 其 意。
13 執 策 而 臨 之 曰、「天 下 無 馬」。
14 嗚 呼 其 真 無 馬 邪、其 真 不 知 馬 也。
10 (奴隷人)策之 → 不以其道。
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11 (食馬者)食之 → 不能尽其材。
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12 (千里馬)鳴之 → 而 不能通其意。
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13 (食馬者・奴隷人)執策 而 臨之曰、「天下無馬」
14 嗚呼 其真 無馬 邪
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其真 不知馬 也。
Q「策之」について「策」の主語と「之」の指示を抜き出して答えよ。
A「策」 … 奴隷人
「之」 … 千里馬
Q「其道」とはどういうことか。
A 千里の馬の扱い方。
Q「鳴之」について「鳴」の主語と「之」の指示内容を抜き出して答えよ。
A「鳴」 … 千里馬
「之」 … 奴隷人or食馬者
Q「不能通其意」は、a「其の意に通ずる能はず」、b「其の意を通ずる能はず」というように二種類の訓読が可能だが、それぞれの場合をわかりやすく訳せ。に
A a 奴隷人(食馬人)の心に届けることはできない
b 千里馬の気持ちを伝えることはできない
Q「嗚呼」は、(1)誰の、(2)どのような気持ちか。
A(1)作者(韓愈)の、
(2)名馬を目の前にしながらその才能を見抜くことができず、名馬がいないと嘆く人に対する絶望的な思い。
Q「千里馬」「伯楽」はそれぞれ何をたとえていると考えられるか。
A 千里馬 … 有能な人材
伯楽 … 有能な人材を見いだして登用する為政者
伯楽の不在 → 千里馬のみじめな状態
∥
すぐれた為政者の不在 → 有能な人物の不遇な状態
Q「常馬」「粟」は何のたとえか。
A 常馬 … 平凡な人
粟 … 報酬・業務
Q 漢文の書き手・読み手とは、書かれた当時においては一般的にどういう人物か。
A 古代中国の知識人。インテリ。科挙の試験に合格し、役人、官僚、政治家となった人たちであり、多くは同時に文学者である。
Q この文章が書かれた時代、役職、地位を得るにはどのような状況になったと考えられるか。
A 科挙に合格しても、その後要職に取り立てられ出世できるかどうかは、派閥の力や賄賂の多寡にかかっていた。
Q 筆者の主張はどのようなものか。
A 上に立つ者の無能ぶりを批判している。
Q なぜ例え話で述べるのか。
A 身の安全を確保するため。