昨日の予選に続いて、今日は川越市陸上競技場に移動しての体育祭本戦。
暑かった。途中から少し風が吹き、日差しが弱まる時間帯もあったが、さわやかな五月というよりは、夏だった。
しかし、こどもたちはなぜあんなに元気なんだろう。
「教師は生徒と同じ場にいないといけない」という向山先生の教えがあったと思う。
寒い日の全校集会で、ある先生が自分だけ日の当たる場所に移動したのを見とがめて、そういうときは自分だけ遁れようとするのではなく、子ども達をどうすべきかを考えるべきだとおっしゃってたような気がするけどなあ … 。
でも、今日は、今の自分はというべきかな。なるべく日陰になる位置を模索し続けた。
何かあったときに動けるようにしておく以外に、今日の自分に仕事はないのだから、自分に何かあってはいけないのだ。
朝の電車遅れによる開会の遅れにもかかわらず、予定時刻を少しすぎたぐらいで全体が終わり、やはり三年生が上位を独占したものの、二年生もそれなりに勝負に食い込むというなかなかいい展開だった。
閉会式での校歌を聞きながら、ふと自分の高校時代を思い出す。
自意識ばかり強くてアウトサイダー的な立ち位置で過ごした高校時代、つまり己の中身のなさを見透かされることをおそれ、ひねくれた格好のつけかたをしていた三年間だったが、唯一自分からメインストリートを歩きたいと立候補して応援団長になった高3の夏。
文化祭と体育祭を連続して行うイベントに向けて、夏休み中から踊ったり、作り物をしたりし、学校近くの友だちの家に泊めてもらったりし、ひねくれキャラだったくせに閉会式で号泣していた、なんともかわいらしい自分を、もう恥ずかしくなく思い出せるようになった。
いざこざも怪我人もなく「活躍」の場がなかったことを神に感謝し、学校にもどって「山月記」の予習をしていると、李徴のことがたいそう愛おしい。