3学年だより「基本とメンタル」
昔、センターの漢文に次のような出題があった。本文中の「易」と同じ意味で用いられている熟語はどれかと問われ、以下の選択肢がならんでいる。
「 ① 簡易 ② 交易 ③ 容易 ④ 難易 ⑤ 平易 」(1996年本試験より)
一目して気づくように、本文を読まなくても選択肢だけ見れば解ける設問だ。
「 ① みかん ② バナナ ③ りんご ④ ぶどう ⑤ たまねぎ 」
から⑤を選ぶのと同じだと言える。では、次の選択肢なら正解はどれか。
「 ① 親子丼 ② カツ煮御膳刺身付き ③ カツライス ④ カツ丼 ⑤ 西郷どん 」
現代文でありがちな選択肢だが、これも本文を読まなくても④である可能性は高い。
正解に必要な要素は「カツ」と「卵とじ」であり①・③は「不足」、②は「イイスギ」、⑤は「無関係」で誤答になるからだ。
選択肢で解く以上、このような観点で選択肢を絞ることもできるという感覚は必要だろう。
しかし、ほんとうに全く本文を読まずに全問を解くことはできない。
あくまでも一つのテクニックであり、選択肢比較をする前に正解が一つ見えるようになるのが基本だ。
センターの問題に限らない。残された時間が少ないからこそ、やるべきことはテクニックを磨くことではなく、基本を徹底することだ。
二学期初めに紹介したこのことばを、つねに意識してほしい。
~ 高3の生徒諸君は受験本番まで間がありませんが、①今こそ基本を大切にし、②誰よりもたくさん問題数をこなし、③先を見据えて勉強をする、という姿勢でラストスパートに臨んでほしいなと願っています。 (木村達哉「成績向上のための基本三原則」)※№37 ~
基本を大切にする勉強を積み重ねて力をつけ続けるとともに、それを本番で発揮できるメンタルを醸成していきたい。
受験に必要なメンタルは、極悪非道の強大な敵に立ち向かっていくような勇気ではない。
想定外の状況におかれても、精神的にアウェイの現場に行っても、(外見では)平然といつもどおりのジョブを行う胆力だ。
『大学入試センター受験案内』の「受験にあたっての主な注意事項」(47頁)の中にこうある。
~ 「 エ 試験時間中に日常的な生活騒音等(監督者の巡視による足音・監督業務上必要な打合せなど,航空機・自動車・風雨・空調の音など,周囲の受験者の咳・くしゃみ・鼻をすする音など,携帯電話や時計等の短時間の鳴動,リスニングのイヤホンやヘッドホンからの音もれ,周囲の建物のチャイム音など)が発生した場合でも救済措置は行いません 」 ~
試験中、リスニングの時間まで含めて、予期しない騒音が起こっても「何ら救済措置を講ずるつもりはない」と入試センターは言うのだ。