3学年だより「ダメ出し力」
プレ共通テストの結果が思わしくなくても、最終的な目標設定を動かす必要はない。
現役生にとって、今時点の成績は結果ではない。過程におけるダメ出しだ。
河合塾の方に前教わったように、E判定が全体の半分を占めるから、E判定の中で、どのレベルにいるかを見極める必要はある。感覚的には、現役生でいまD判定なら、ほぼ勝ちに等しい。
目標校の入試日に力が発揮できることこそが目標なのだから、極端な言い方をすれば、その前日まではダメだしが続いている方がいい。
想定外に悪い結果は、自分が早急にやるべきことをはっきり示したもらえたのだから、これ以上役立つものはない。
予想よりよかった時の方がむしろ危険だ。
~ 模擬試験には滅法強いけれども、本番に弱い人というのがいる。
ひょっとしたらあなたがそうかもしれない。
本人たちにしてみれば途轍もない悩みであり、この悩みが克服できたらどれだけ幸せになれるかと思っているはずだ。
率直に申し上げておくと、勝負の世界では本番以外の勝ちは何の意味もない。
偶然の勝ちは無意味であるどころか、逆効果である。
なぜなら模擬試験で偶然いい成績を獲得してしまったために、ただでさえ実力不足なのに油断してしまうからである。
本番での偶然の勝ちは素直に喜ぶべきだが、模擬試験での偶然の勝ちはかなり気を引き締めて日々成長しなければならないということだ。
もちろんこれは模擬試験なんて手を抜けだとか、模擬試験なんて意味がないということを述べているのではない。
模擬試験こそが本番であり、本番は模擬試験と同様にリラックスして臨んだほうがいいと思う。
プロスポーツ選手にもやっている人は多いが、練習試合(模擬試験)でミスったところは今後二度とミスらないようにノートなどにまめに記録しておくことだ。
記録するだけではなく、意識し、それを繰り返さないように対策を練ることだ。
それを習慣化して弱点が克服できた状態で、本番にピークを持ってくるのである。
これが一つの、人生における勝つための戦略である。
練習こそ本番のように悔しがり、敗因を分析して、二度と同じ過ちを繰り返さないようにして本番に臨もう。本番で悔しがっても、勝負の世界ではもう遅い。 千田拓哉『本当に「頭が良くなる」ためにやるべきこと』徳間書店) ~
結果に一喜一憂していいのは5秒だけだ(それも表面には出さない)。
解けなかった問題に感謝して、しかし、その原因を必ずノートに書いておく。
本番直前には、その「失敗ノート」を見つめて一瞬しみじみしよう。