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東京「進化」論 増田悦佐

本書は、生き物のように変化していく町のダイナミズムを捕らえた本だ。そのダイナミズムを追う著者の視点が「不動産アドバイザー」のようで少し笑える。これから東京でお店を新規開店するとしたらどこが良いか、東京に出てきた学生が住むとしたらどこが面白いかと悩んでいる人へのアドバイスが時々出てくるからだ。
 私の良く知っている町では、池袋の「乙女ロード」や江古田界隈の話が興味深かかった。約20年前まで、池袋は、駅からサンシャイン60まで何もなく、サンシャインに行くのには地下に敷設された動く歩道で移動していた。それが、最近行ってみたら、その間の地上にお店が随分出来ていて、随分変わったなぁと感じたのだが、その理由が良く判った。西武池袋線の江古田は、電車の窓から見た景色が随分変わった様に感じていたが、今でも変わらない部分と変わった部分があるのを知って懐かしかった。
 本書の最も貴重な部分は、最後の方の「東京の将来」を予測しているところだと思う。上野駅発着だったJRの東北・常磐・高崎各線の東京駅乗り入れが品川の発展につながる話、カマカマ線による鎌田駅発展の可能性、いわゆるマッカーサー道路(環状2号線)完成による虎ノ門・新橋の変貌など、大変説得力がある。こうしたダイナミズムの広がりは東京独自のものだとは思うが、著者の発想方法による都市の分析は、全国各地の投資でも使えそうで面白い。(「東京『進化』論」増田悦佐、朝日新書)
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ロードオブザリング スケッチ R・TERANISHI

これも<Robert Teranishi>のスケッチカードである。スケッチカードは、①有名画家かどうか ②図柄が魅力的かどうか ③彩色をほどこすなど手が込んでいるかどうか、の3つが人気のポイントだ。このスケッチカードは、①については制作枚数が多すぎて人気がない、②については悪役キャラクターは人気がない、③それなりに手が込んでいるがカラーでない、ということで、ほとんど人気のない1枚ということになる。私自身は、それぞれの画家のものを1枚ずつ集めたいという感じでコレクションしているが、彼のものは数が多すぎて、もう何枚も持っている。供給過多に陥っている1枚ということになるだろう。
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