goo

小野寺の弟・小野寺の姉 西田征史

大きな事件が起きるわけでもなく、独身で2人暮らしの姉弟の日常を淡々と綴った本書。2人が交互に独り言を言っていくというスタイルで2人の日常が語られていくのだが、その心情を吐露する部分が、ここまで共感できるのも珍しいと思うほど、共感できる。やっぱり人の幸せには色々あるなぁと、しっとりと思わせてくれるのが良い。内容の感想とは関係ないが、単行本なので栞の紐(スピン)がついているのに、読んでいる途中で、茶色の紙の栞ははらりと出てきた。出てきたタイミングもばっちりで、(読まないと判らないが)何ともにくい演出、出版社か作者のしゃれた感覚だろうが、思わずにっこりとしてしまった。(「小野寺の弟・小野寺の姉」 西田征史、泰文堂)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )