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イギリスの不思議と謎 金谷展雄

ロンドンオリンピックの関連本のような本書だが、予想以上に面白かった。イギリスという国の代名詞のような言葉として思い起こされる「ジェントルマン」「紅茶好き」「フーリガン」といったキーワードの背景にある意外な歴史やイメージと実像の違い等がしっかりとした文献や考察で語られていて、興味本位の際物とは違う味わいのある内容となっている。何故「ジェントルマン」という言葉が使われるようになったのか、それがどのような階層の人々を意味していたのかという話は、目からうろこだし、「フーリガン」達がある意味でイギリスの労働者階級の正義を具現した存在であるという指摘にも大いに考えさせられた。(「イギリスの不思議と謎」 金谷展雄、集英社新書)

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