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世界クッキー 川上未映子

独特の切れ目の少ない文章で、それでいてだらだらした感じのしないさっぱり目の文章で、はっとするような形容詞で、ああでもないこうでもないと言いながらも自分の思考経路を的確にとらえ、しかも関西弁のにおいがする不思議な文章が続く本書。「燃える顔…」に大笑いし、「母とクリスマス」にほろりとさせられ、「私を泣かせる小発見」「境目が気になって」で考えさせられる。少し緩めの文章で始まって最後の一文はびしっと決まっている。こんな感性の作家は本当に初めてだと間違いなく感心してしまう1冊だ。(「世界クッキー」 川上未映子、文春文庫)

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