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ハンナ・アーレント 杉浦敏子

先日新書で読んだ政治哲学者ハンナ・アーレントについてもう少し詳しく知りたいと思っていたら、いつも行く本屋さんで第二次世界大戦関連の棚が特設されており、そこで見つけた1冊。前に読んだ新書は、彼女の思想そのものの紹介というよりも、彼女の生涯を記述した評伝に近いものだったが、本書はもう少し彼女の思想そのもののが中心に紹介されており、ちょうどこちらのニーズに合っていそうな感じだった。本書は、図表や写真がたくさん掲載されていて一見読みやすいようにみえるが、文章の方はなかなか難しいというか、特に判り易く噛み砕いて書こうとか読みやすく例えを多用するでもなく、普通に書かれているのが却って有難い気がした。子どもの頃の写真等は、新書のものとほとんど同じで、おそらく写真そのものがあまり残っていないのであろう。また、文章に添えられた図表や絵も、特に内容の理解を助けてくれるようなものではなく、私の場合は、ただ普通の本のように文章だけを追いかけて、図表や絵をその合間に見るようなこともなかった。彼女自身の著作の引用なども丁寧に掲載されていて、いよいよ次は彼女の書いた本そのものを読もうかという気にさせてくれた。(「ハンナ・アーレント」 杉浦敏子、現代書館)

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