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5A73 詠坂雄二

TV番組で紹介されて話題になっていた本書。近くの本屋さんを何軒か回って探したが見つけられなかったが、新横浜の大型書店でようやく手に入れることができた。ある自殺者の遺体から「文字」らしきものが書かれたタトゥーシールが発見される。自殺であることは疑いがなく警察も事件性なしと判断しているのだが、不思議なことに同じシールが貼られた自殺者がすでに3人もいることが判明。警察が極秘に捜査に乗り出すが、背後に何があるのか判然としないままさらに次の自殺者が現れてしまう。物語は遺体に残された幽霊文字と呼ばれるある文字を巡って色々な立場の人たちが様々な仮説を披露することによって予想外の展開を見せていく。読んでいて、よく一つの文字に対してこれだけの仮説が成り立つなと驚くばかり。最後まで読み終えて、もう一度、巻頭の前書きを読むと、そこにすでに色々な仕掛けが施されているし、その後の目次も題名のない章と登場人物の名前を冠した章が交互に並んでいて改めてなるほどなと感心してしまう。ミステリーとかホラーとかというジャンルを超えて、読んでいる最中のワクワク、色々なところに隠された仕掛けなど、魅力に満ちた一冊だっだ。(「5A73」 詠坂雄二、光文社)
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