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山上徹也とは何者だったのか 鈴木エイト

旧統一教会問題を長年追い続けてきた著者の本。読むのは3冊目だが、これまで読んだ2冊が主に旧統一教会と政治の癒着を扱ったものだったのに対して、本書は「山上徹也」が犯行に至った経緯を中心に考察する内容。考察にあたっては、著者がこれまで調べてきた膨大な旧統一教会とそれにまつわる政治家の動静、山上被告の弁護士へのヒヤリングや関係者へのインタビューに基づく事件前後の様々な事実、更には山上被告自身のSNSへの投稿内容などを駆使し、それらを時系列や因果関係毎に分析することで見えてくるものが克明に描かれている。どこかの時点で犯行を食い止められなかったのかという自戒も含めて、長年にわたって旧統一教会問題を追い続けてきた著者ならではの渾身の一冊だ。(「山上徹也とは何者だったのか」 鈴木エイト、講談社+α新書)
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