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優等生は探偵に向かない ホリー・ジャクソン

シリーズ3部作の2作目。冒頭に1作目の事件のあらすじや犯人の名前がしっかり書かれていて、内容も続編というよりは一つの物語の第1部、第2部という感じに近い。ちゃんと順番通りに読んで良かったと思った。内容は1作目同様、高校生の主人公が、SNSや仲間の協力を得て、自分の属するコミュニティーで起きた友人の失踪事件を解決するというもの。第1作で事件解決の代償として自分や家族を危険な状況にしてしまったり大切なものを失ってしまったりした主人公はもう二度と自分の情報収集や推理の能力を使わないと心に決めたのだが、自身の正義感から再度その能力を使うことになる。1作目の事件解決により一躍有名人になった主人公に対しては、誹謗中傷、デマによる攻撃が相次ぐがそれと戦い、またそれを乗り越えながらポッドキャストなどSNSを前作以上に駆使して、事件の真相に迫っていく。主人公が遭遇する困難は前作を遥かにしのぎ、主人公の心のケアが必要だろうなぁと心配になる。いよいよ次は話題沸騰の第3作。楽しみと同時に、主人公の心が心配だ。
(「優等生は探偵に向かない」 ホリー・ジャクソン、創元推理文庫)
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