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認知心理検察官の捜査ファイル 貴戸湊太

初めて読む作家。本屋さんの店頭で見つけて面白そうなので読んで見ることにした。副題に「名前のない被疑者」とあるが、巻末に同じ題名で副題だけが違う既刊本の宣伝が載っているので、本書はシリーズものの2作目ということらしい。内容は、検察官の主人公が、送検された被疑者が発する意外な一言に隠された被疑者自身の心の内を心理学の知識を使って読み解くというもの。被疑者の心の内を明らかにすることで、事件そのものの謎よりも被疑者の置かれた状況や犯行の真の動機が浮かびあがってくる。事件の意外性や独創性ではなくそうした点に焦点を当てた今までになかったような謎解きが面白かった。(「 認知心理検察官の捜査ファイルー名前のない被疑者」 貴戸湊太、宝島社文庫)
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