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ファウスト・カーモナ ユニフォーム MLB

大リーグのファウスト・カーモナ投手のユニフォーム。ドミニコ共和国出身で、2006年にクリーブランド・インディアンスの投手としてメジャーに昇格。デビュー戦を勝利したが、その後球団史上33年ぶりの10連敗というワースト記録を作ってしまう。その間に先発から救援への変更といった苦難も経験したようだ。しかし、その翌年はなんと19勝をあげ、チームの地区優勝に貢献という大変身を見せたという。現在の年棒が7年契約で50億円近い金額というからすごい。
さて、このカーナモ選手の履歴をみると、今シーズンの川上憲伸投手のことを思い出さざるを得ない。開幕から9連敗、ようやく1勝、先発ローテーションから外れる、ということで苦しんでいる様子は、このカーナモ選手とダブるところが多い。川上選手にも、連敗、先発から救援への変更といった苦難を乗り越えて大成したカーナモ選手のようになって欲しい、今後も腐らずにがんばって欲しいと切に思う。
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日本人へ~国家と歴史編~ 塩野七生

同名の「日本人へ~リーダー編~」の続編。本書では、「ローマ人の歴史」シリーズ完結後の著者の様子が判って大変面白い。そういえば「ローマ人…」は確か6巻か7巻まで熱心に毎年読んでいたが、だんだん「日本への教訓の色彩が強くなってきて、読むのが重たくなってきたことに加えて、ある年に何かの理由で毎年読むというサイクルが崩れてしまい、一旦そのサイクルが崩れると元に戻すことも出来ず、途中で読むのを止めてしまった。「引退して時間が出来てから読めばいい」などと思っていたが、本書を読むと、著者は「ローマ人…」完結後、「海賊」に焦点をあてた著書を出しているそうで、それを読むためにも、そろそろ「ローマ人…」の続きを読み始めなければ、という気になってきた。日本人が古代ローマのことを読む以上、そこに現代の日本に対する教訓があったほうが良いというのはわかるが、私としては、そういう教訓的な色彩のあまりなかったシリーズの最初の頃の方が性に合っているように思われる。確か著者はあの「赤頭巾ちゃん」シリーズの庄司薫と同級生だったと記憶している。青春小説で一世を風靡した後、あっという間にどこかに行ってしまった小説家と比べると、著者のたくましさと強烈な個性こそ、日本の宝であるという感を強くする。(「日本人へ~国家と歴史編~」塩野七生、文春新書)
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アシュレイ・スコット サイン エミリー ジェリコ

TVドラマ「ジェリコ」でエミリー・サリバン役を演じたアシュレイ・スコットのサイン。ドラマのなかでは、主人公ジェイク・グリーンの元婚約者という役柄だ。もし「ジェリコ」がヒットしていれば、彼女のような出演者ももっと有名になったであろうと思うと少し残念だ。彼女の出演作品をみると、TVドラマでは「NCIS」「CSIマイアミ」「ダークエンジェル」、映画ではジェシカ・アルバ主演の「イントゥーザブルー」などに出演しているが、まだブレイクするような作品にはめぐり合っていないようだ。サインは、実に丁寧で、綴りが完全に判読できる完璧なサインとなっており、コレクターとしては大変うれしい1枚である。
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蒼林堂古書店へようこそ 乾くるみ

同じ著者の本「イニシエーションラブ」とは対極にあるような内容だ。拍子抜けするくらい軽い内容の短編が並んでおり、種も仕掛けもない。最後に大きな仕掛けらしきものはあるが、それで全体の面白さが増すかといえば、そうでもない。また、それぞれの短編の最後に、その短編のストーリーに関連した「ミステリー案内」が挿入されている趣向は面白いが、肝心の短編のミステリー度が低すぎて、短編がミステリー案内をするための導入部にすぎないようでさえある。
 また、連作短編集にありがちなことだが、毎回、登場人物と物語の背景が繰り返し説明されているのが、かなり煩わしい。雑誌等での連載中には、前の短編を読んでいなくてもそれなりに背景が理解できるようにという配慮が必要なのは判るが、1冊の本にする際には、順番に読んでいるのだから、そうした説明の重複部分をカットして、それぞれの短編のつながりを良くするくらいの配慮を当然するべきだと思う。「発表当時の文章をそのまま」というような理屈が通る場合もあるだろうが、本書の場合はその部分が読む気を失わせる役割しか果たしていない。
「イニシエーション‥」の著者ということで、読者の期待するハードルが非常に高いだけに、こうした読んでいて気持ちよいだけの作品では、読者は満足できないだろう。(「蒼林堂古書店へようこそ」乾くるみ、徳間文庫)
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エゴイスト入門 中島義道

本書は2007年に刊行された本の文庫化で、今年の6月に発売になったものだ。本屋さんで並んでいる本を適当に見繕って読んでいるだけなのだが、ようやく内容が最近のものになってきた。著者によれば、これまでに著者が書いた本は39冊にも及ぶとのことだ。
内容は、言い方は悪いが「相変わらず」、著者の快不快を巡る奮闘の顛末や身の回りに起こる出来事に関する文章が中心で、これまでに読んだ本と似たようなものなのだが、何故か何度読んでも面白い。ただ印象としては、最近のものになればなるほど、かつてのような荒々しい記述が影を潜め、社会との軋轢を乗り切る対処法のような穏やかなものに少しずつ変化してきているようにも思われる。著者が不快と感じるものについて、著者はその不快の原因そのものよりも、その不快さに対して何もしない人、またそういう人たちに向けた言葉がきちんと受け止めず「自分には関係ない」と無視する人々に対して一層厳しい目が向けられている。特に印象深かったのは、著者が大学の最初の授業で毎年行うという社会実験の話、知人の自殺未遂に関する話の2つだ。後者は、既に読んだ本で何度か取り上げられたものだが、本書ではその経緯が非常に細かく述べられている。本書では、こうした文章を書くことで著者が心のバランスを保とうとしていることが伝わってきて痛々しい。(「エゴイスト入門」中島義道、新潮文庫)
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