イ・ビヨンホンを初めていい役者と思った。
昔ながらのえらの張った韓国人顔のイ・ビョンホンが好きではなかった。しかし今回の映画は良かった。
此の圀が失った映画というモノをまた韓国が跡を継いでいる。
韓国がこういう耽美な映画が創れるのは、口も心も麻痺、糜爛した沈黙のどこぞの国民より、少しうるさいが自己をがっちり掴み、それを発露できるのは、甘くない歴史を持っているからではないだろうか。
登場シーンは少ないが、シン・ミナの清潔な若さが際立ち、甘い夢を表象させていた。
厳しく生きてきたが、結局は自分に甘い人生であった主人公が、自らを含めて甘く固定化された周囲の世界を銃で乱射して破壊し、全てが崩壊していく。
国家の戦争ではなく、個人の愛憎の中で、モノゴト、セカイ、イノチが壊れて飛び散ったガラス片のように亡んでいく。映画でしか造れない世界でもある。まずはイイ映画を見た。
主演イ・ビヨンホン、シン・ミナ、他の脇役陣も中々迫力のある個性が出ていた。監督キム・ジウン。2005年制作。
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