キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

Eメールでの交渉能力

2009-12-31 12:55:59 | アメリカの大学で教える
12月の半ばになって、幾つか頭を悩ませる出来事があった。そういう時、相手へのメールを書くのに、下手をすると1-2時間かかってしまう。いかに相手の気分を損なわずに、理路整然と自分の言い分を述べるかという点で、英語の表現力やボキャブラリーが求められ、何度も書き直しをしながら書いてみる。

まず困ったのは、この夏より共同研究のお手伝いをさせていただいている教育心理学の教授が、NSF(米国科学財団)の助成金がもらえることになったので、ぜひ手伝って欲しいという依頼。ただ予算が非常に厳しいので、無償で働いて欲しい、その代わり論文を出す場合には、連名にしてもらえるらしい。

それを聞いてかんかんに怒ったうちのダンナ。この夏からの仕事も無償なのに、助成金をしっかりもらいながら、今後もうちの妻をただ働きさせるのは埒があかないので断るべきだとの言い分。

困ったあげく、うちの学部の助成金に詳しい事務の人に相談してみると、もしお金がもらえないなら、せめてCredit Sharingで2%でも1%でも共同研究者として申告してもらうべきだとの提案。

そのような内容のことを丁寧にメールで書いて相手に送ると、心情を害されたみたいで、お金をもし出すなら連名は無理だし、Credit Sharingも助成金申請の段階からかかわっていない私を含めるのはおかしい。海外の共同研究者たちは、皆無償で研究に関わっているので、条件を異にしたくないとの説明。

メールのやりとりを学科長に送りアドバイスをもらいつつ、オットと相談し、この申し出は断ることにする。たとえ連名で論文に名前を加えてもらったとしても、10人近く研究に関わっているので、自分の名前もリストの後ろの方になるだろうし、そのために時間と労力を割くのは、あまり利益にならないという私の計算上での結論。

そのお断りのメールを書くにも、相手の心情を壊さず、ひきつづきいい関係を築いていけるようにと、単語を選びながら慎重になる。学科長のアドバイスで、「研究のお手伝いはできなくても、ちょっとした翻訳など多少の仕事ならいつでも引き受けます」という風に書く(心の中ではあまりそう思っていないんだけど。。。。)

そう考えると、アメリカ言えども、間接的な言いまわしや相手の気持ちを害さないようなソフトな切り出し方などのコミュニケーション能力が成功の鍵を握る。もう一つの困った事件はまた今度ブログに書いてみるが、複雑な状況でいかに相手とうまく交渉していくかというEmailの能力は論文を書くくらい頭を使う作業と実感する今日この頃。

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電話作戦2日目

2009-12-31 10:37:10 | アメリカ便り
電話作戦、2日目。

メールを再び「緊急」にして送り、電話をかける。相変わらずマネージャーは電話にでないらしく、メッセージを残す。

インターネットでRamada Inn SeaTac Airportのホテルレビューを見てみると、フロントディスクやマネージャーのサービスの悪さが指摘。中には、マネージャーが自分のオフィスにこもり、全然対応してくれなかったとの話。聞き覚えがあるような。。。

ダンナに、このホテルに連絡をとっても難しそうだから、ホテルの本社に連絡してみてはと提案。早速ダンナはカスタマーサービスに電話をかけ、苦情を訴える。5-7日後に返答をくれるということだが、どうなのだろう。
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「謎のベネディクト倶楽部」にはまる

2009-12-31 08:28:29 | 映画・本・テレビなどを語る
この冬、娘に勧められて読み始めたのが、「The Mysterious Benedict Society」のシリーズ。今のところ3冊出版されているらしく、9-12歳を対象にした、図書館員大推薦の本だそう~。

孤児院に住む少年レイニーが、ある時新聞で"Are you a gifted child looking for special opportunities?"(あなたは、特別な機会を探している秀才児ですか?)という子ども宛の奇妙な広告を見つけ、試験を受けることに決める。その後の詳しい内容は、ジュンク堂のあらすじを参考に。


米国発!超話題作!
 ちょっと皮肉なユーモアのセンスと好奇心に溢れた11才のレイニーは、その高い知能ゆえに友人を作ることが出来ません。そんな彼が奇妙な新聞広告にひかれて応募したのが「謎のベネディクト倶楽部」への入会テストでした。学校の勉強が出来るだけでは決して解くことの出来ない奇妙で難解な問題の数々。そんな難関を突破したレイニーは、Mr.ベネディクトのもとで3人の子どもたちと出会います。神経質だけど速読と記憶力に優れたスティッキー。軽業師のような身体能力を持つケイト。おチビだけど自己主張のしっかりしたコンスタンス。
 かれらはMr.ベネディクトから怪しげな研究所への潜入を依頼されます。そこは才能にあふれた子どもたちだけを集めてこっそり謎の訓練をさせている場所で、レイニーたちのような子どもしか潜り込めないのです。
怪しげな研究所の真の目的は?そして、レイニーたちのミッションは成功するのでしょうか?
さあ、あなたもレイニーたちと一緒にやっかいなパズルを解きながらハラハラドキドキの冒険へ、いざ出発!
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