寒い・・・6月なのに。閉め切ると暑く、窓を開けると寒い。
とうとう我が家のヨンジュナは風邪をひいてしまいました。
さて・・・
昨日、学校から帰って来た姫が
「音楽学校でいじめがあったの?裁判沙汰になってるんだって?」と
私に聞きました
いわゆる96期生問題については、娘の宝塚への夢が壊れてしまっては
いけないと思い、ずっと秘密にしていたんです
でも
姫ちゃんの学校は花組副組長の母校であり、校長先生の娘も元
ジェンヌとかで、学校では常に「清く正しく美しく」と煩く言われ、その影響
なのか宝塚に興味がある生徒も多いみたい。
図書館には宝塚のビデオが置いてあるといいますし、
毎年恒例「母の会」観劇ツァー、今年は月組のスカピンらしいし
我が家の姫みたいに定期的に観劇・・・ってわけではないけど、みんな
情報はしってるみたい。
私 「誰がそんな事を?」
姫 「ヅカファンのRちゃん。私が、音月桂がトップに決定したんだよって
言ったら、やだって言ったのね」
私 「何で?音月嫌いなファンって珍しいよね」
姫 「音月が嫌いなんじゃなくて、彩吹真央を退団させてトップになった
事が嫌なんだって・・・だからみないって」
私 「別に音月のせいじゃないし。そんな事思わなくてもいいのにね」
姫 「で・・新人公演でそのいじめた人が主役なの?」
私 「ああ・・・夢華あみかあ。まあ・・・そういう話よね」
姫 「もう信じられないって言ってるよ。ありえるの?そんな事」
私 「まあねえ・・・」
高校生らしい実直さっていうかまっすぐな意見で、言葉を濁す大人の
私がなんだか嫌になってきたんですけど。
姫 「これで音月の相手役が舞羽美海ちゃんじゃなかったらもう見ない。
だって、あの二人本当に似合っててね。ゆみこちゃんとさゆちゃん
みたいなんだもん」
音月の相手役かあ・・・美海ねえ。でも雪組って新人娘役をいきなり
ヒロインに抜擢しておきながらあっさり下げたり辞めさせたりするから
先は不透明だよね。
問題は、音楽学校提訴事件の概要が女子高生の間にまで
波紋を広げ、それがいわゆる歌劇団不信に繋がって、口々に不平不満を
言うようになっているという現実です
姫には「夢華あみって特別なコネでもあるの?」なんて聞かれて
すでにトップや主役決定の裏側には何かある・・・と思わせてしまって
いるんでしょう。
女子高生時代でいわゆるヅカファンになったら、もうちょっとキラキラと
憧れを持って一生懸命観劇するだろうなと思うのに、トップに決定した
瞬間から
「決定したのは何で?」
「早く辞めればいいのに」なんて言われる始末で、非常に殺伐と
したものを感じます。
本能的に「自分のごひいきさんが歌劇団にとってプラスになるか
ならないか」を計算しているような?感じがするんですね。
私も正直、「何で?何でそうなるの?」って聞かれても
「それは歌劇団が決めた事だから。文句があるなら歌劇団に言いなさい」
って答えるしかないんですけど
私達が小さかった頃は、まだネットもなかったし東京での公演も
少なかったですし、ゆえに裏がどうのこうのって詮索するより、一回
一回の観劇を大切にしていたような気がするし、スターさんへの憧れも
純粋にあって、二番手だからどうの、路線外だからどうのってあまり
考えた事ないんですよね
今、古いビデオを見れば「ああ、この人異常にプッシュされてたんだ」
とか感じる事はあるけど、当時は芝居でもショーでも、適材適所に人材を
配置してくれて、スターさんがそこで完全燃焼して快く送り出されて
行き、綺麗な涙を流して終わりっていう過程を楽しんでいたんじゃないかと。
まあ、昔は今より生え抜きが多くて、順当に上がっていくのが普通で
あまりの順当さに苛立ちを覚えた記憶もあるけど、でもファンとしては
安心してみていられたと思うんです
たまに大抜擢もあったけど、それがファンのトラウマにまでなるって事は
なかったよね・・・(黒木瞳などは今でもファンからの砂入りサンドウイッチ
にトラウマを抱えているみたいだけど)
かつて紫吹淳の後のトップがなかなか決まらない時、植田先生が
「あまり早く言うと乙女心を傷つける」とか言ったらしいですが、
いたいけな女子高生ファン達の乙女心はどうなるんですか
宝塚って音楽学校に入学して(一浪二浪しても)
そこで一生懸命頑張って、生徒の技術力が向上し、スターのオーラが
増していくごとに、ファンは「生徒の成長」を楽しみ、また
「頑張った人が報われる」世界に自分を重ねたりする場所だと思うんです。
スターもまた、多くのファンに支えられてその期待に応えようと頑張る。
そういうのが他の舞台にはない魅力を作り出している筈なのに。
今や、音楽学校入学からして
「○○出だからでしょ?」「お父さんが有名な○○だから」なんて
噂されて、その時点で有力な何かがなければどんなに上手でも
長く在団する事が出来ない
これって今時の日本の格差社会そのものですよね
そんな殺伐とした舞台を見て夢や憧れを抱くのは無理。
だから・・・貴重な若いファンを失っているんだという事に歌劇団は
気がつくべきです
政権だってそうだけど、一旦「これは信用出来ない」と思われたら
静かに心が離れていく・・・それが日本人の特徴。
名作なのに観客動員が伸びない原因はここにあるんじゃないですか?
今、チケットを一生懸命買っている中高年の方々だって、いつまでも
通い続けられるわけじゃないの
今までは自分が通えなくなっても「娘・孫・嫁」に受け継いでいったファン魂。
でも今はその絆がぶつっと切れそうな雰囲気なんですから
乙女心もそうだけど「おばさま心」を傷つけてばかりいると
本当に劇場が真っ赤になるわよ・・・・・