昨日は花火大会があったので都内は浴衣だらけ。
浴衣のよしあしというのは、帯で決まるのねーー 帯が安っぽいと
本当に湯上りに見えちゃって目のやり場がないかも
私は珍しくスカートなんぞはいてお友達と宝塚へ。日比谷で夜、飲んでの
帰りに外国人観光客らしいお兄さん達に声をかけられました
「マドモワゼル」って呼ばれたらしい・・・え・・・マダムじゃないのか。
TRAFALGAR
作品について
斎藤君、まぎらわしいタイトルをつけないで欲しいわ。
「TRAFALGAR」ってタイトルを見たら誰だって青池保子のマンガを思い出すし
現にキャトル・レーヴでもその本は売っています。
私、大昔に青池保子本を買って読んだけどその時の印象と舞台が
違うので、帰宅してから読み直したら・・・・まるっきり違うじゃん
確かにネルソン提督は出てくるけどおじいさんになってからだし、
主人公はイギリス海軍将校のユージンと、ネルソンを暗殺したとされる
マルソーの幼馴染が敵対する話全然違うのでキャトルにマンガを
置く事自体失礼だわっ
最初からネルソン提督に的を絞りたかったなら別なタイトルにして
欲しかった・・・だって「エル・アルコンー鷹」と来て「TRAFALGAR」ならねえ・・
ま、それはいいとして。
映像を駆使し、流れるように一気に物語を続けていく、海戦シーン・・・と
くればやっぱり「エル・アルコン」と比較せざるを得ないわけで。
海戦シーンを舞台化するのは非常に難しく、「エル・アルコン」では
ラストの戦いに動きがなかったけれど、今回は随分改良されていた・・とはいえ
やっぱり2つの船が海で戦うシーンを再現するのは至難の業。
どうしてもそこに「たるみ」が出てきてしまうなーという印象。
どちらの作品も映像向きなのね。
そういう目で見ていくと、斎藤君のやたら多い暗転と短い1場はテレビ
ドラマや映画の手法をそのまま舞台に入れているんじゃないかと
正直、外の舞台ではそういう事はやっちゃいけないし、脚本自体
「もっと場面を減らして1つの場にストーリーを2つ以上いれろ」と
基本的なアドバイスを受けるに至るもの
大劇場という広くて銀橋・セリ・盆・・何でも使いたい放題が許される環境
だから、そんな基本的な事も知らなくてすんでいるわけですが、
観客から見ると、やたら多い暗転は疲れるし飽きますよ
「ソルフェリーノの夜明け」を真似しろとは言わないけど、そういう作り方を
学ぶべきで、今のようなやり方をしていると、せっかく感動的な場面を
作っても印象に残らず終わってしまうでしょう。
また、宝塚だから仕方ないとはいえ、よけいな登場人物が多すぎる。
例えば・・凪七瑠海が演じたトムとかーーナポレオンに自分を雇って
くれって直訴したなんとかいう男とかーージョゼフィーヌも妹達もいらない。
純矢ちとせのスパイもいらないわ・・・
必然性のない登場人物がやたら多いと、見てて混乱するし間が長くなります。
あと・・ネルソンの妻・ファニーがジョサイアに「母上」と呼ばれ、「母上は」と
返すシーン。自分の事を「母上」とは言わないぞ。
また「ホレイショ」の発音ですが、「シヨ」と呼ぶのね・・これって後の
「ホレイシア」との区別を付ける為?とはいえ、ちょっとうざい
「CSI・マイアミ」のホレイショはちゃんと「ショ」って呼ばれてるし
映像の多用は今時の人達にはウケるんだろうなと思います。
でも何もかもそうやって映像に頼ると舞台の意味がないのでは?
今は若さと勢いでがんがん好き勝手に作っているけど、そのうち飽きられて
しまうのでは?舞台は「恒久的」である所が素晴らしい筈。
ホレイショとエマとファニー
ホレイショがエマと不倫していたのはわかりました。
でも、妻のファニーと何でうまくいかなくなったのか、そこらへんをもうちょっと
描いて欲しかった
義理の息子のジョサイアに対する思いやりが深いだけに、ファニーを
ただのわがままで気が強い女で終わらせていいのかっと
史実のエマはホレイショの財産を浪費してカレーに逃げたって?
ひえっ 実際の悪女はエマの方だったのかーーー
ホレイショとナポリとナポレオン
歴史的な話を知らない人からすれば、やっぱりホレイショがナポリを
救いに行く意味がよくわからないし、ナポレオンとの関係がどうなのか
まるきっり見えない。
互いを好敵手とみなしていたのか、それとも憎みあってたのか。
史実が単なるフランス&イギリスの代表としていたとしても、二番手に
ナポレオンをさせる以上は、もう少し心の交流を描いて欲しかった
また、ナポレオンには「ラ・マルセイエーズ」が流れ、ネルソンには
「威風堂々」が流れるのですが、前回の「カサブランカ」でもフランス国歌の
大合唱を聞いて、今回もまた・・・ではしつこくない?
また、ラスト、ネルソンが死ぬシーンは撃たれて倒れて部下に抱えられる
様が「ベルばら」のオスカルそっくり。
「見えてないんですか?」って台詞もあり、思わず
「なぜついてきたーー」と叫びたくなり、しまいには「イギリス万歳」って
言い出さないかとハラハラで泣けなかった
出演者について
大空祐飛・・・・ホレイショ・ネルソン
いやーー私は祐飛が好きです あの完成された身のこなしと
大河のような包容力を見るにつけ、かつて最大級に愛した
麻路さき様を思い出し、結果的にああいう包み込むタイプの大人が大好き
なんだって自覚しましたとも
(それとゆみこちゃんへの愛はまた別)
学年が上ゆえの大人っぽさ。恋人として父として、上司としての愛の深さを
ここまで表現出来るとはっ
本当に宙組は大空君に救われたのねーー よかったー
ただ一つ悔しいのは
「何で嫁が野乃すみ花なのっ」って事で。
二人が妙にラブラブなのでよけいに嫉妬心っ
アリスや純矢だったら嫉妬する間もなかったのにな・・・とぽつり。
宝塚ファンは何でも「最後の・・・」とつけたくなるのですが、こんな伝統的な
王道の男役トップスターは大空が最後かもと思ってしまいました。
野乃すみ花・・・エマ
恋人に5000ポンドで売られた可哀想な女性。だったらもう少し
かげりがあってもいい筈なんだけど、妙にお転婆って感じで。
しかも「大使夫人」の威厳がない 大泣きするシーンがなかったのが
幸い (あったらドン引き)
学年が若いからとか経験不足などの言い訳では通用しない。
宝塚の娘役トップというのは全ての娘役の真ん中にいるわけで。という事は
誰よりも美しく威厳があり品格にあふれている事が最低条件・・だった筈
一生懸命やってるのはわかるけど、姿勢の悪さとか身のこなしの悪さ
は直らないもんでしょうか?
蘭寿とむ・・・・ナポレオン
そつなくやってる印象しかない。おどけたり元気な役の時はいいんだけど
支配者側にたってしまうと、能面のような無表情さが際立って棒読みに
感じてしまう難あり位取りっていうか・・そういう「次期トップよ」っていう
雰囲気がそろそろ欲しい。
北翔海莉・・・ハミルトン
いわゆる老け役が二作続いていますが、やりようがないよねーー
台詞からは彼がどう思っているのかなかなか表現しづらいし
技術者なだけに何でこういう扱いするかなーーと。
悠未ひろ・・・トマス
悪役専科かと思っていたら、今回はホレイショの守護神のように
ぴったりくっついているおいしい役
上手になったなーー以前は何となくたっているだけーーの役者だったのに
存在感が大きくなったし演技も上手、歌もそこそこ。
しっかりトップを支える側になった事、本当にうれしく思いました。
花影アリス・・・ファニー
こんなに美しく姿勢がよく歌えて演技も上手な娘役をトップにしなかった
歌劇団の目はどうなってるわけ
「傭兵ピエール」でいきなり抜擢された時は、花總まりそっくりのやたら
細いだけの娘役でした
その体の細さが「線の細さ」に繋がって出世が遅れたのかと思ったけど。
宙組を見続けてきた人からは「いつトップに?」と見られていたのは
事実でしょう とんだ番狂わせ。
今回はネルソンの妻として母親役でもあったけど、いつのまにか大人の
女性に成長していたし、衣装の着こなしもすばらしく
伊達に花總の後姿を見ていたわけではないと感じました。本当に退団が
惜しくてーーー 悲しいです。
他は色々目に入りましたが、宙組は悠未&十輝を始めとして
最近、大活躍の鳳翔大君とかーーちょっとご贔屓の七海ひろきとかーー
若手が育ってきてていいよね