ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画8

2014-04-20 09:51:00 | 昭和の少女漫画

はみだしっ子前半のピークまでご紹介します。

  これ、表紙ですが、当時「表題」は最初に収録

 されている作品名が普通。それなのにはみだしっ子は時系列順に収録されて

いて、タイトルは最後のもの。っていうのが不思議でした。

 「階段のむこうには

登場人物・・・サーザ・グレアム・ダルトン(グレアム)

         エイダ

         おばちゃま

ストーリー・・・グレアムはピアニストの父の元で厳しくピアノを仕込まれている。

        母は男性と駆け落ちしてしまった。

        だから面倒を見ていたのは隣にすむ母方の伯父さん一家。

        中でも「おばちゃま」はサーザを大層可愛がり、それを見ていた娘の

        エイダは嫉妬の炎を燃やす。

        サーザが父の虐待により片方の目を失うと、おばちゃまはサーザに

        目をあげて・・・と言い残して自殺。

        その事がきっかけてサーザは家出。資金はおじさんが出している。

        でもサーザに恨みを募らせるエイダが現れて。

 

小さい頃はアイダって嫌な奴だなと思いました。

散々嫌がらせして、一方で可愛いマックスにメロメロになってしまう。

でも、それが母の愛情を横取りされた・・・という気持ちからだと今はわかります。

エイダがマックスを大好きなのに、どこかおばちゃま似なんですね。

のちのちエイダはグレアムの理解者になっていくのですが、ここでの壮絶な

ドラマがあり、印象的な作品です。

ちなみに、サーザが黒しか着ないのは「喪服」の意味、そしてアンジーはここで

松葉づえを外します。

 「レッツダンス オン」

登場人物・・・4人

         ジョン

ストーリー・・・公園で寝泊まりしてた4人を拾ったのは遊び人のジョン。

       彼は自分のアパートに連れて行き、家賃を前払いさせ、ディスコに

       遊びに連れて行く。

       人生、初めての刺激にグレアムとアンジーはその音に飲み込まれそうに

       なっていく。

       ある日、ジョンが消える。実は彼は詐欺師だった。危うく犯罪の片棒を

       担ぐかもしれなかった4人。別れてようやく互いを取り戻したのだった。

 

今もって難しすぎて意味がわからない作品です。

でも、ディスコという非日常の世界に埋没する事で、グレアムとアンジーは

自分一人だったら気が楽なのに」とか「今の事だけ考えていればいいや」と

そんな軽薄な思いにとらわれて、思わず年下のサーニンとマックスの事を

放り出しそうになる・そんな怖さを扱った作品です

子供が不良になりかける時の微妙な心情とでもいうんでしょうか?

「せつな的」と表現されています。

マックスが「ジェットコースターに乗りたい」と散々訴えるのに、仲間が全く

耳を貸さない・・・でもラストでやっと「遊園地に行こう」とマックスを気遣う

グレアム達。年齢の割には重すぎるものをしょっているんですけど、なんだかんだ

いって逃げ出さないいい子達です。

 

 「夢をごらん

登場人物・・・4人

        マスター

ストーリー・・・映画館で時間を潰していた4人が出会った喫茶店のマスター。

        その喫茶店で暫く暮らす事に。

        マスターはその昔、戦争に行った事があり、そこに人を殺し、その

        罪悪感から彼女とも別れ。

        またこの町は、川むこうとは仲が悪く、4人は子供同士の喧嘩に

        巻き込まれてしまう。

 

これまた非常に難しくて解釈のしようがない作品で

自分に読解力がないなとつくづく思うんですが。

多分テーマは「集団としての個か個の集まりが集団なのか」というような?

マスターは戦争でいとも簡単に引き金を引き、相手にも自分と同じような

生活や個性があった・・・という事を考えなかった。

川向こうの連中はこちら側からしたら「人間」というより「ただの敵」にしかすぎない。

自分対相手。互いに人間で互いに生活があり・・・という、当たり前の事が

「争い」の元では消えてしまうという深いテーマなんですよねーー

 「はみだしっ子3」というタイトルの表紙ですが

収録されているのは「残骸踏む音」他・・なんです。

要するにタイトルと中身がリンクしないというのも初体験でございました。

 「残骸踏む音

登場人物…4人

        メイのママ

        メイ

ストーリー・・・メイのママは実は人買い。家出人を捕まえては売り飛ばす商売。

        そこに4人が現れ、アンジーが女優のイブ・ホーンそっくりな事を知り

        子役として提供しようとする。

        そのためにサーニンを誘拐して地下室に閉じ込める。

 

メイは何も知らない女の子で、まさか母親が犯罪者なんて・・・という部分が

可哀想で。しかもその母親は恨まれて刺されてしまい。

アンジーの過去とサーニンの過去がほんの少しぶつかる作品です。

 「そして門の鍵」

登場人物・・・4人

        シドニー・マーチン

        イブ・ホーン

        サーザのパパ

ストーリー・・・4人はサーザの父親が探している事を知り、シドニーの屋敷に

         逃げ込む。シドニーはマーチン一族の長ながら親族によって

         屋敷に幽閉されている。鍵を持っているけど開けたが最後

         殺される危険性があるのだ。4人なら救い出してくれるのでは

         ないかと期待するシドニー。

         アンジーは実の母、イブ・ホーンに会い、正式に「別れ」を告げ

         グレアムもまた父親と会い、虐待されようとも戻らないと宣言。

         そんなグレアムとアンジーに触発されたシドニーは自ら門の鍵を

         あけて自分の運命を受けいれ、戦っていく事を決意。

 

話としては面白いけど、難しい。

イブ・ホーンの性格がどんどん変わっていくのが怖いし、グレアムのパパは

今なら犯罪者ですよーー

さらにシドニー・マーチンはこれからずっと4人に関わって行くんですけど・・・・

なんせシドニーの友人、アルフィーは「動物園のオリの中」にチョイ役で出てきた

おじさんだったので。

そこらへんの「ああ!あの時の・・・」はファンとしては嬉しいのですが、ここから

先のストーリーはどんどん哲学的になって行く印象です。

 

4人の年齢はどう考えても10歳前後。

だけど、グレアムとアンジーは酒を飲むし、煙草も吸うし・・・でも全然不良っぽくない。

むしろ、年齢のわりには、大人と同じ言葉を使うので・・いや、大人以上に

難しい言葉を使うのでそのギャップが面白いんだと思います。

年齢相応なのはマックス

マックスは物語ではアイドルのような扱いですね。

 

コメント (5)
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今時の女の子に読ませたい昭和の少女漫画7

2014-04-20 09:05:00 | 昭和の少女漫画

 今回は「三原順」をご紹介しましょう。

三原順は「少女漫画」の範疇にはおさまりません。

その独特な世界観と細かな絵と文字の多さについていけなかった人多数。

どの作品をとっても哲学的で思想的。

そして時代を超えて読み継がれるべき作品。

なぜなら、三原の思想は現代の私達にも十分に共感できるものだから。

つまり。彼女の漫画は当時から人間の本質というものについて、深い洞察を

繰り返していたんでしょうね。

自問自答し、漫画に描く・・・・そんな難しさを持った作品群です。

残念ながら三原は亡くなっています。

その死も謎めいているんですが。

 「われらはみだしっ子

                    (1975年 花とゆめ)

登場人物・・・グレアム(黒髪) → 常に黒しか着ない黒髪・黒い瞳。

                      右目が見えない。

        アンジー(銀髪) → 銀髪に緑の目。松葉づえをついている。

        サーニン(茶髪) → ヤマアラシのような茶髪・茶色の目

        マックス(金髪) → 一番年下。金髪碧眼

 

ストーリー・・・喫茶店のマスターに拾われた4人は共に家出人。

         グレアムとアンジーはもうすぐ8歳。サーニンは2年半下、マックスは

         さらに2か月遅く生まれた。

         4人は、自分達だけを愛してくれる「恋人」を探し、待っている。

         ある時、マックスの父親が探していると知り、4人は逃げ出す。

         「死」をもいとわない程、親元に帰りたくない4人。そこに現れたのは

         一人の医師だった・・・彼は「恋人」なのか。

 

「花とゆめ」でこの話を読んだ時、ラストシーンで号泣しました。

サーニンと一緒になって何度も

もうマックスやアンジーやグレアムを泣かせたりしないね!

うそついちゃダメだよ!

そんなことしたら ボクあんたをやっつけてやる! ボク強いんだから」

とセリフを言ってました。

当時小学生だった私にマックスがなぜ父親に殺されかけたか、なぜアンジーが

松葉づえでグレアムが片目なのか・・なんて

想像も出来なかったんですが。要するにあの当時からこの漫画は

「親の虐待」を扱っていたという事なんですね

子供と大人の間の感情の温度差が絶妙に表現されています。

 

これがコミックスになった時、発売日に近くの本屋へ行ったら

なかったんです。

白泉社そのものが本屋さんに認識されていなかったのと、ゆえに

花とゆめコミックスは1書店に1冊しか入荷しなかったのです。

仙台中を探してなくて、一晩泣いて(って・・私、本当に泣きますよね。一晩)

母に頼んで出版社から取り寄せて貰う事にして待つ事1か月

毎日「はみだしっ子まであと何日」と数えていた事を思い出します。

御蔭様で初版本が手に入り、今も大切に保管しているとうわけです。

わりとしつこい性格なのね。私って。

 

絵柄の可愛らしさ、4人が4人とも違う目の色をして髪の色をして性格さえ違う。

そんな個性にひかれたのかも。

大人として読むと、あらためてその作品世界の深さに驚かされます。

 

 「動物園のオリの中

登場人物・・・グレアム

        アンジー

        サーニン

        マックス

        レディ・ローズ

ストーリー・・・4人は水商売をしているレディ・ローズのアパートに転がり込む。

        他人に無関心な街の中で疎外感にさいなまれる4人。

        同じアパートに住む子供達とも合わずに喧嘩。

        心を慰めたのはサーニンが拾った怪我をした鳥。

        レディ・ローズとの生活も少し落ち着いてきた頃、トラブルが起きて

        子供達と大喧嘩。アパートはぺちゃくちゃ、鳥はサーニンの背中に

        潰されて死んでしまう。

 

街が動物園として4人がオリに入れられた動物なのか、それとも客なのか・・・

といった皮肉っぽいテーマが語られています。

結局、4人は家出人で捜索されると困るので、いつもアパートに引きこもり。

普通の子供達のように暮らせはしないのです。

その事に寂しさを感じたり、レディ・ローズに気に入られようとしたり、いじらしい。

最後はすっかり人間不信になったグレアム達。

そこにマックスの救いが。

私はラスト、泣いているマックスに見知らぬ女の子がキャンディを一つづつくれる

シーンが一番好きです 涙一杯でにっこり笑うマックスも。

 「だから旗ふるの」

登場人物・・・リフェール(アンジー)

         ボビー

        グレアム

        サーニン

        マックス

ストーリー・・・グレアムとアンジー、互いに性格が違うけれど下の二人には

        気遣いする。その方法を巡って喧嘩し、アンジーは一人、小島へ。

        はぐれてしまったアンジーは3人が探しに来てくれるかどうか不安を

        抱えつつ、自分の過去を振り返る。

 

アンジーは実は女優死亡の母の私生児で、従兄弟のボビーの家に預けられて

いたのです。アンジーという名前はフランス語の「アンジュ(天使)」から来てて

母がそう読んでいたから。

地下室に閉じ込められていたサーニンを救いだし、名前を聞かれて

「アンジュ」って答えたのにサーニンは「アンジー」と聞き間違えて今に至ると。

たまに母親が来るのを命をかけて待っていたリフェールが小児麻痺になるシーン

それから母に捨てられた時の悲しさは、今にして思うとひどい話で

でも意外とよくある話でもあるんじゃないかと思い

(病気で歩けなくなった子を捨てるんですよっ 母が)

その傷ついた心を癒したのは仲間の3人だったんですね。

 「雪だるまに雪は降る

登場人物・・・マイケル(サーニン)

        エヴァ

ストーリー・・・雪山のロッジでバイトしている4人。そこに被害者意識が強くて

        高ピーなエヴァが来る。彼女はわがままを言い続け、それをサーニンは

        黙って従う。しかし、本心ではエヴァの母親に

        「もっというべきこと、言いたい事をいうべきだ」と思っている。

        実はサーニンはロシア人の祖父とイギリス人の父の元に生まれ

        祖父と父の仲の悪さに母親が板挟みになっている家庭で育つ。

        母はどちらにも逆らわず、自分の中に引きこもりサーニンにすら

        優しくする余裕をなくし、やがて自殺。

        ショックで言葉がでなくなったサーニンを父親が地下室に閉じ込め

        サーニンは窓から入ってくる鳥達に言葉を教わる。そしてアンジーに

        救われた。

 

エヴァは自分が体が弱いから誰も自分の意見に逆らってはいけないといい、

それを聞いている母親はそんな風に産んだ自分を責めて、あえて何も言わずに

エヴァにやりたい放題させている。

サーニンはそんあエヴァの母親に自分の母を重ね、自分の中に引きこもって

無関心になってしまった母を責める、「何も言わないなら雪だるまの方がまし」と。

この作品は、読んだ時は意味がわからなくて。

でも今はわかります

人と言うのは無関心を装う事で自分を守るものです。

でも度がすぎて引きこもり、家族すら見えなくなる危険性も・・・・・

子供の目線から見たらこんな悲しい事はなかったなあと。

 「ようきなオバケ

登場人物・・・ミア(表紙)

        オバケ(表紙上の少年)

        ミシェール (犬)

ストーリー・・・パパが賭けに買って連れてきた犬のミシェールはミアに

        全くなつかない。その夜、ミアの元にオバケが現れ、毎夜

        ミア・オバケ・ミシェールと一緒に遊ぶようになる。

        しかし、ある日、パパは賭けに負けてミシェールを元の飼い主に

        返す事に。

        そこに現れたのは。

 明るくてメルヘンチックなお話です。オバケが実は元の飼い主だった・・・と

いうオチが何とも愛らしく。おすすめの一品。

 

 「涙のクラウン

登場人物・・・ジュディ(6歳)

        スティーブ(ジュディの兄)

        クラウン(うさぎ)

ストーリー

6歳のジュディにとって「おにいちゃま」は生活の全てです。

おにいちゃまはとーーってもジュディちゃんに優しいので。

そのおにいちゃまに彼女が出来たみたい。

ジュディは戸惑い、泣き・・・・

 

おにいちゃま 「朝ですよジュディちゃん すみやかに起きましょうねジュディちゃん」

ジュディ 「はーい おはよう おにいちゃま

このシーンが大好きで。なんせ歯磨きからお食事、家に居る時はどんな時でも

おにいちゃまとジュディちゃんは一緒なんです。

まるで我が家のジュニアとヨンジュナのごとく。

でもそんなお兄ちゃんもお年頃になった時の悲しさ。それはうさぎの「目の色」で

表現しているんですよねーー

本当に可愛らしい一品です。

コメント (2)
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