まず、天寿光希にはお礼を言いたいです。
我が家の姫の心の支えになってくれてありがとう。
宝塚という趣味の世界で「天寿光希」という「ご贔屓」を得ることで、我が家の姫の人生には色が一つ増えました。
コロナの辛い自粛生活の中を耐えることが出来たのも彼女の舞台を見る為に頑張らないといけないと思えたからでしょう。
部屋の中はどこも天寿光希だらけでその写真らを見る度に元気を貰ってお仕事にまい進出来ている事が嬉しいです。
私が天寿光希を始めて意識したのは「リラの壁の囚人たち」(2010年」です。
無論、その前に「太王四神記2」新人公演のプルキルをちらりとスカステで見た事があるのですが、主役がつまらないのにこの人だけは生き生きしているなと感じた程度です。
生で「リラ壁」を見た時、ひとりだけ発声がよく演技力が素晴らしく、またハンサムな男役を見つけました。結構学年が上なのかしら?と思っていたらそれが天寿光希でした。
その後、「めぐり会いは再び」のユリウスでその滑舌のよさを発揮。組長とのコンビも面白くセンスがある人だと思っていました。
我が家の姫はその頃はまだ名前を知っている程度だったのですが、紅ゆずるの「BrilliantDream」の芝居で完全に落ちました。
紅5に入った頃は一番下級生で何も出来なさそうであか抜けない感じだったのが、最後の「理想の男役」を演じた時には、何というか光り輝き、あまりのかっこよさにこちらもドキドキしてみていました。
結果的に、この事がきっかけとなりブレイクに至ったと思っています。
ただ、いかんせん小柄だったのが残念な所。
彼女としては実力でその背の低さをカバーしていたんですよね。
小柄だけど実力ありを見せつけたのが2010年の「ロミオとジュリエット」のパリスでした。ひょうきんでおバカでだけど明るくてすぐに人の言葉に乗ってしまう・・そんなパリスをもっともよく演じたのは天寿しかいないと思います。
初演ではパリスだたのが再演ではマーキューシオにまで出世。赤い髪を刈り上げて、大げさすぎる程のリアクションで最後は泣かせてくれました。
そして再再演の時はジュリエットの父であるキャピュレット卿。
ロミジュリは何度も見ていますが、ここまで父親の悲哀を感じた役はなかったなと。
ソロシーンでは思わず泣いてしまう程。
そしてこの再再演では、久しぶりに真ん中降りをして来たことで我が家の姫が号泣していましたっけね。
話は元に戻りますが、天寿光希の魅力は何と言ってもその名バイブレイヤーぶりだと思います。王族から語り部まで何でもきっちりと出来る。
宝塚には滑舌のいい男役ってわりと少ないのですが、天寿光希はその中にあって霧矢大夢や北翔海莉と並ぶ滑舌のよさでした。
それが「めぐり会いは再び」のユリウスとなって、長台詞をガンガン言うけど決して飽きさせない魅力に通じたのだと思います。
「めぐり会いは再び2」では、物まねまで披露。そして「めぐり会いは再びーNEXT JENERATION真夜中の依頼人」では小さな双子を保護するユリウスが、一番可愛がっていたルーチェを慰め、元気づける役になっていました。
思えば「ロミジュリ」も「めぐり会い」も3度も上演され、それによって役がどんどん上がって行き、天寿光希という人がどんな風に成長して行ったかつぶさに見ることが出来た・・・それがファンとしての幸せであり、演じた彼女にとっても大変幸せで名誉なことだったのではないでしょうか。
天寿光希は91期の中でもトップの成績を誇る優等生でした。
その為、下級生からはちょっと恐れられる存在になり、真風涼帆みたいに「天寿さんに叱られるのが快感」とまで言われるようになったんですよね。
下級生の頃から主役の子供時代を演じてきました。
「エル・アルコン鷹」の少年ティリウスは、上手過ぎて新人公演世代とは思わなった自分がいます。
そんな子役を彷彿とさせたのが「眠らない男ーナポレオン」(2014年)で演じたナポレオン2世で、個性的な役を演じる事の多かった天寿が、久しぶりに真っ白で素直な青年を演じた事に新鮮さを感じました。
また、この役はストーリーの合間を埋める役とも言えたし、時間の経過を知らせる役でもありましたので、本当に素晴らしかったです。
この作品には北翔海莉が出演していましたが、稽古場では天寿が北翔の役を演じていたと言いますから、演出家からも大きく評価されていたのではないでしょうか。
また、天寿光希は轟悠との共演も多く、
「おかしな二人」(2011年)「南太平洋」(2013)「ドクトル・ジバゴ」(2018年)「シラノ・ドベルジュラック」(2020年)と4度も共演しており、いかに名わき役としての位置を期待されていたかわかります。
ただそのせいで全ツに参加出来なかったのは、ファンとしては寂しい限りでしたね。