よし坊のあっちこっち

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旅行記ーポルトガル、鯵の開きとモラエスと

2006年09月11日 | 旅行
ポルトガルが近い国に感じるのは、鉄砲の種子島やその他南蛮文化の伝来の為だろうか。ポルトガルにいつか行ってみたいと思ったキッカケは新田次郎が新聞で連載を始めた「弧愁、サウダーデ」。かの有名な小泉八雲と同時期に日本を訪れ、最後は徳島に骨を埋めた、ヴィンゼスラウ・デ・モラエスの物語。残念なことに、作者の急逝で連載が打ち切られてしまい、これがかえって私の想いを強くした。新田次郎は1980年に亡くなっている。

91年、ヨーロッパ出張で、一泊二日のポルトガル日程が入り、もしや、モラエスの生家を訪れるチャンスかと小躍りしたが、さすがにタイトな日程にて叶わず。しかし、初めてのポルトガルは期待を裏切らずであった。

到着当夜、同行者と晩飯を食べに外へぶらり。暫く歩くと、何の変哲も無い食堂が出てきたので、その匂いに誘われ飛び込んだ。中は、ありきたりの安っぽいテーブルに丸イス。注文取りが来たが、言葉分からずで、周りを見渡し、人の食べているものを指差した。スープらしきものと焼き魚。

食事が来た。スープはブイヤベース。焼き魚は鯵の開き。正確には日本の鯵とはちょっと違うようだが、私の中では鯵。こんなところで鯵の開きが食えるとは、と同行の同士と乾杯 乾杯 又乾杯。

人間、食べ物がいいと、その土地が好きになる。鯵の開きの発見で、ますますこの国が気に入り、いつか、母ちゃん(ワイフのこと)にも食べさせたいと思ったが、実現したのは、大分後のことだ。