よし坊のあっちこっち

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歌舞伎を救った男の話

2006年09月21日 | いろいろ
いつも、日本の文化を大切にしろと、子供に言っているくせに、伝統文化である能、文楽、歌舞伎といった類を実際見たことが無いのだから、よし坊も結構いい加減に生きている証拠だ。

その一つ、歌舞伎だが、その時にその男がその場に居なかったら、歌舞伎は無くなっていたかも知れないという話がある。しかも、歌舞伎を救った男がアメリカ人とくるから、驚きである。

Faubion Bowers。オクラホマで小泉八雲の本に出会い、インドネシアに行く積もりで寄った日本、偶然見た歌舞伎にぞっこん、そのまま居座り歌舞伎三昧。歌舞伎の知識に加え、日本語もぐんぐん上達。ところが日米開戦真近で出国。巡り合わせとはこんなものか、日本の敗戦で乗り込んできたGHQ(進駐軍)の一員に彼がいた。

GHQは、日本の伝統ぶっ壊し作戦を開始。そばで見ていたバワーズは、歌舞伎危うし、とばかり、その地位を利用しあの手この手の保護策に出る。かくて歌舞伎は救われ、歌舞伎界はその恩人のことは今でも忘れることは出来ないという。

のめりこんだ人間の凄さか、歌舞伎を知っている日本人以上に歌舞伎のことを知っているバワーズに脱帽である。こういう話を聞くと、なんとなく歌舞伎が身近に感じられて、死ぬまでに一度は見てみたいと思う気になるから不思議だ。

こういう話はもっと日本人に知られていい。
岡本嗣郎の「歌舞伎を救ったアメリカ人」という本(文庫本)に詳しい。英文で読みたい人は英訳本「The Man Who Saved Kabuki in Occupied Japan」もある。