よし坊のあっちこっち

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羨ましいアメリカの労働市場

2009年08月01日 | アメリカ通信
日本とアメリカ、転職に関しては天と地の差がある。これが、労働最前線の活性化に大きく影響していると言えよう。日本の閉塞感は並大抵ではない。

アメリカでは、いくら日本より簡単に転職出来るとは言え、余程の給与アップ、職場でのハラスメント等の耐え難い環境(嫌な上司や同僚)が無ければ、そう簡単に転職はしない。転職するにしても、同じか似たような業界が圧倒的に多い。

過去、不況となればレイオフとなり、景気が好転したら、同じ現場に呼び戻される形態を繰り返していたが、今回の大不況は、さすがに様相を変えているようだ。
特に自動車産業を筆頭とした不況業種、金融、不動産、建設等に従事した多くの人達は、早々と見切りをつけ、異業種への転進を積極的に図ってきていると言う。その行く先は、医療関連、環境産業、コンピューターである。

異業種への転進となると、何処の国でもそう簡単ではないが、このアメリカでは厳しい中にも可能性がある。アメリカとはそう言う国だ。USA TODAY紙が一つの例を紹介している。

クライスラーとその系列で17年働いていた人が、早期退職に応じ、退職金の一部を使って看護士(色々なレベルがあるが)の勉強を一年、目出度く証書を貰って病院の集中医療看護士として働き始めた。給与は以前の8万ドルから5万5千ドルに下がったが、悲惨な結末を待つより遥かにマシと考えている。

アメリカはこれが出来る。キチンと勉強し、知識とスキルを確保出来れば、それに見合った仕事がある。受け入れ側も要望基準に合っていれば採用し、活用する。

翻って日本はどうか。何せ未だに求人広告を見ると「年齢35歳まで」が大手を振っているから、どうしようもない。まず、この垣根を取っ払わない事には前進は望めない。次に、社会人途中で運よく大学で別の学位を取ったとしても、「それで何?」と言われるのがオチで、殆ど職に繋がる評価はされまい。それよりも、日本のサラリーマン、サラリーウーマンにそんな勉強する時間があるかと言う話にもなる。かくて、日本の就職難民は増えるばかりとなる。

アメリカは未だ動ける余地がある。何かを自分で仕掛ければ活路が見出せる可能性がある。日本には、それが見当たらない。