よし坊のあっちこっち

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倶利伽羅紋紋のこと

2009年08月20日 | いろいろ
初めて紋紋を見たのは、多分小学校1~3年の頃だろうと思う。昔は家にも風呂はあったが、4,5軒先に風呂屋があったので、殆どそこに行っていた。背中に全面彫り物をしたお兄さんをたまに見かけたものだ。そのお兄さんがいると、洗い場も湯船も何となくシーンとする。こっちは見ていいのやらいけないのやらで、多分見てはいけないのだろうと、怖さが先立って、見たい気持ちも萎えていた。

隣の家、杉澤さんといったが、旦那は郵便局かなんかの公務員で、子供二人いるが、奥さんというかオバちゃんは再婚。このオバちゃん、昔は紋紋があったらしく、再婚する為に消したと言う話を、隣のよしみでお袋が聞いている。確かに、キップがよく、啖呵を切らせたら絵になる雰囲気を持っていた。どんな経緯で結婚したのだろうか。

日本の紋紋は、長らく、そして深く893と関わってきたから、すこぶる悪いイメージなのも致し方ない。テキヤのおっちゃんや鳶のおっちゃんなんかも多かったが、圧倒的に893だろう。それは今の延々と続いているから、世間的にはやはり”アウトロー”の世界だ。

大学に入り、神父の二の腕に小さな紋紋、いや、タトゥーと呼ぼうか、それを見たときは、思わず、えっ?。 それから注意してみていると、ガイジンに意外と多いのが分かった。紋紋と西洋紋紋、いや、タトゥーはどうなっとんの?

”どうなっとんの?”から30年、そんなことをすっかり忘れた頃、アメリカに来て、あっちこっちで普通に見るタトゥー。
アメリカ人の男の2割くらいは、何らかのタトゥーを入れているというから、ファッションだ。しかも、日本のような特殊社会と密接に繋がっていないから、見方が全然違うわけだ。更に、軍の伝統としてグループ帰属のアイデンティティとしてタトゥーを入れるとあるから、日本のイカガワシイ、闇の世界の匂いが何処を見渡しても無いのだ。軍人に多いのも納得だ。

発展の文化的背景が全く違う、日本と欧米。その日本で、タトゥーはファッションなどと、若い世代が飛びついているが、ファッションとなるほどには受け入れられまい。アブナイクスリが蔓延る今、変にファッション気取りでアッチの世界に行きかねない危うさを日本は持っている。だから、タトゥー等と言わず、紋紋とか刺青とかの言葉を使って、負のイメージを持ち続ける事の方がよっぽどマシだと思うのだが。