よし坊のあっちこっち

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白い粉の恐怖 イン メキシコ

2009年08月24日 | アメリカ通信
お隣の国メキシコが、3年間のドラッグ戦争の末に、コカイン、ヘロイン、覚せい剤やLSDと言った、所謂恐怖の麻薬の個人所持及び使用について罪に問わない法律を施行してしまった。もちろん、犯罪とならない量は少量と限られているが、隣接しているアメリカにとっても大変な事だ。

メキシコの問題は、現政権になって、麻薬撲滅を掲げて多数の警察人数を配置下にもかかわらず、本来の大物ネットワークを効果的に摘発出来ず、末端の雑魚の取り締まりに明け暮れ、その上、以前にも増して警察内の汚職と腐敗がひどくなり、「禁止ー摘発」は無力との判断である。云わば、個人の使用による摘発ー救済を放棄し、勢力を悪の根源であるネットワークへ向けようと言う逆手療法へと舵取りを変えた。昔から、中南米が大きな麻薬の産地であるが、ビッグマーケット、アメリカを目指して持ち込まれる重要拠点としてのメキシコは、消費拠点としても重要な位置を占めている。

ドラッグの”先進国”として有名な国にオランダがある。もう、20年以上も前にマリファナ、ハシシュの所持使用を認め、街中の指定されたコーヒーショップでも購入出来る、画期的な動きだったが、その後どうなったか。それまでは、覚せい剤なんてものは殆ど流通していなかったこの国は、製造国になり、他のドラッグも入り込み、今やこの分野ではEUのお荷物に成り下がってしまった。この事実を見ると、”ソフト・ドラッグ”は大丈夫だとの安易さが命取りなのである。

日本も、芸能界の白い粉騒動で騒がしいが、国が、警察が「覚せい剤はやめよう」を声高に言うだけでは、それで終わりだ。例えば学校で、中毒者の生の現実とその末路、例えば、どのような状態で死に至るのか、そういう生々しい姿をビデオで見せるくらいの事を何故考えられないのか。それも忘れた頃にポツッとやっても駄目で、年2回とか、頻繁にやらないと効果はないだろう。実態は知らぬが、今や日本は中学生くらいまで、一般のサラリーマンや主婦にまで蔓延してると言われているなら尚更だ。

それにしても、メキシコはとんでもない方向に足を向けてしまったと思う。アメリカのボーダーパトロールも益々気が抜けない。