伝えたんく

日々の何気ないできごとに感じた幸せ

静寂

2008-07-04 23:36:34 | Weblog

 疲れていた。夏の昼の暑さ、交通渋滞、睡眠不足。
そう、経験のある方はいらっしゃるだろう。
夏の高速道路の渋滞。特に中央道(中央高速自動車道)の昼の渋滞は凄まじい。談合坂や小仏トンネルなどの名前は耳にしたことがあるだろう。

 息子の陸上競技部の合宿に顔を出すために山梨県の富士吉田市まで車を走らせていたのだ。もっとも陸上競技場は都留市にあるので、そちらによって練習を見てから河口湖畔の旅館に泊まる。


 泊まるとは言っても、翌日に所用があるので、それに間にあわさなくてはいけない。

 8月は、朝から高速は渋滞する。よって夜中の2時に旅館を出ることにした。


旅館前の自動販売機だけが照明代わりの旅館前

 湖畔は灯りが殆どなく、お世話になった旅館前の道路は、近くの自動販売機2台が照らしてくれているだけだった。

 とにかく、眠い目をこすって自宅に帰らねばならない。

旅館から4kmほどで河口湖インターだ。
中央道はひたすら、東京方面である。
旅館を出てから、どれくらい経っただろうか。時計を見ると午前2時40分、対向車線のすれ違った車は3台、ゆきたんくの走っている側は1台も行き会ってない。

他の車がないので、スゥッと道脇に車を停めた。そして照明を切った。

漆黒の闇とでもいうのだろうか。音1つしない、真っ暗な世界がそこにあった。
車の外に出て、写真を撮る。もちろんフラッシュを焚いてだ。
写ったものは、道路の車線、左側に写る一般道路の照明(点)だけだった。
右下に写っている光には記憶がない。写真は自宅に戻った後、見たので余計である。今となっては何を確かめる術はない。


真夜中の中央道

 さながら、周囲がブラックホールのようだ。音を吸収し、明るさを吸収し、1つ間違えば、自分が吸収されてしまうのではないかという一種の恐怖と闘いながら再び車を走らせたのは午前2時42分だった。
 たった2分ではあったが、1時間に感じられた気がした。

コメント (4)
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