昨日は「何が正しいか」なんてぇのは、測るものさしによって左右されるような話を書いた。
北京オリンピックを控えた中国の四川省では大地震のため学校校舎が崩れ、沢山の児童が亡くなったという。その一番の原因が、校舎の建築強度の問題であった。遺族の一人が、瓦礫の一部を持って力を入れると崩れてしまうくらいの脆さであった。学校建築のための費用がピンハネされていたからだという内容の報道もあった。何が確かな情報かは分らないが、はっきりとしているのは、校舎の強度不足によることは明らかだったこと。そして一人っ子政策のために、希望をなくしてしまった親たちが多くいることだ。
これは地震国日本に住んでいる我々にとっては他人事ではない。先だって耐震強度疑惑のニュースが世間を騒がせたことは記憶に新しいだろう。
さて、1枚目の写真はタマン・サリ。インドネシアのジャワ島中部のジョクジャカルタを長年統治してきたスルタン家の王が、王宮に仕える女性達の水浴び姿を眺めては楽しんだ場所だそうだ。近くには廃墟と化している、離宮の遺構がある。
離宮の遺構。かなり大きな建物である。
幅50cmほどで手すりもないところを歩きながら、一番高い所に登る。地元の子供達が駆け周って遊んでいる。私にぶつかって落ちてはいけないと気を遣う。
遺構の高い所。さながら展望台である。
遺構の高い所に出る。ジョクジャカルタの町並みが一望できる。ここへ登る所だけ、真新しい手すりが設置されていた。
ジョグジャカルタの町並み。水の離宮側を臨む
現地のガイドさんの話を義姉が通訳してくれる。そして、驚いた内容があった。
この建築物は何を使って作られたかということである。
それを聞いてゆきたんくが見たのは高台横にあった壁だ。
見た目はレンガとコンクリートだよなぁ。
1765年に建てられた離宮だからやく250年前のものである。そのころにコンクリートがあったのだろうか。
なんと、この建築物のコンクリートに見える部分の"つなぎ"は卵の白身だそうである。なんだかんだ言って王侯の住居に当たるものだ。いい加減な工法で作るわけがない。近年大地震に見舞われるまではそんなに揺れることのなかったインドネシアである。近代建築の鉄筋コンクリートの施工ができなかったであろう。そして当時の最高の建築技術で作られたものに違いない。
しかし、その最高の技術も、現代のものさしで測るといい加減極まりない施工法になってしまうのだろう。