「かわうそ二匹」
最後まではいかず ただ長年いち子の体をただいじくっただけの男は 野望の為に他の女を妻にした
いち子は流れてきた北の街で 自分を捨てた男に似た手を持つ男と出会ってしまう
いち子はその男と肌を合わせ 溺れる
ろくな男じゃないと気付きつつー
それほどに昔の男が残した傷は深かった
「藤かずら」
未亡人のりつは 子供を置いて出て行けと辛い立場におかれていた
夫と同じ戦場にいたと言う男の言葉に 耐えるだけだった今までの自分を見つめ直してー
「抱え咲き」
養女となり可愛がられ ただ我が儘になり 男遊びまで覚えた娘は ある裏切りにあい逆上する
「名残闇」
千吉ー愛しい男
女たらしのろくでなし
忘れられない男
訪ねてきてーそうして また去っていく男
あとは風の噂が耳に入ってくる
女を騙す男
女に惚れられる男
役者崩れの男は様々な名を使い 色々な顔を見せる
いつかは捕まるか 野垂れ死ぬか
惚れたが不幸か
身うちにたぎる想念(おもい)をー
行き止まりと知りつつ 駆け出す
つまずいても それでもと